番外編 バレンタインはなんか嬉しい。
来る日、2月14日。
前世の男達が何かとソワソワしてる時期。
学生は、下駄箱を見たりといつも以上にいつもの場所に目を凝らし。
大人は、知らぬ振りをして女性の行動を伺ったり。1人になってみたり。(あくまで、俺の職場だけだったぞ?他はわからん!)
貰えれば嬉しい。たとえ義理でも。何故なら、女子からチョコを貰ったら勝ち組。
シュバルツのいる世界では、バレンタインという行事は存在しない。
しかし、数百年前に処刑された無実の聖女を祀る祭りは存在した。
その名は、「ラブイロティー祭」。
シュバルツは、聞いたん瞬間に思ってしまった。
ダサい名前だな、と。
だって、ダサくない?ラブイロティーって。せめて、ラブティー祭と付ければいいのに。
シュバルツのネーミングセンスも無いのは、余談である。
シュバルツは、この日のためにバラを買っていた。そして、青いバラも。
彼は、パーティーメンバーにあげるようだ。
そして、招集をかける。
「はーい、みんな。今日はラブイロティー祭。はい、これ。これからも宜しく!」
シャル、モントラーシュ、ミアは、ぽかんとした顔で聞いていた。
この祭りでは贈り物をするが、恋人同士が送り合うのが基本である。
しかし、シュバルツは知らず、プレゼントを渡す。
「シュバルツ‥‥‥。それは、その‥‥‥。」
「シュバルツさん。あの‥‥‥。」
「シュバルツはん。ホンマでっか?」
あれ?訛ってるのがが混ざってるぞ?!
「あれ?誰だ?シュバルツはんって言ったの?」
「わいです。こういうのが癖で。たまに出てまうんですよ。」
「そうなんか。リョーかいっ。」
「すんまへん。」
ぺこりと頭を下げた。
本題に戻る。
「赤い薔薇が‥‥‥。はい。シャル。いつもありがと。これからも宜しく」
「あ、あ、あ、ありがとうごじゃいますゅ。」
あれ?顔赤らめてる。照れてるのか?あれ?あっ。
赤い薔薇の花言葉は‥‥‥。愛だったわ。まぁ、いいか。
「えと。モントラーシュには、オレンジの薔薇を。」
「自分にもですか?!ありがとうごじゃいます!」
オレンジ色の薔薇は、絆とか信頼という言葉がある。
「ミアには‥‥‥。白い薔薇を。」
「ホンマでっか??嬉しいです。あんがとうございます。」
白い薔薇には、純白とか純粋という意味がある。
うん。いいね。
そして、お隣さんにも薔薇をあげに行く。
「まくもさーん。」
「はいはーい。シュバルツさんや、少し待ってね。」
声でわかるんだ。すげぇな。この人。
「ほい。きょうは何の用だい?」
「今日はバレンタインじゃないですか。薔薇しかなくて。チョコないんですよね。この世界」
「そうなんですね。では。その好意。受け取らさせていただきます。」
バラを渡して帰って行った。