第2侵略 魔王にも仲間はいますよ?
公務を初めてから2日が立った。
まぁ、魔王と言っても‥‥‥。YESかNOしか言ってないしな。
てか、2択やし。参謀はいるし。手下はいくらでもいるし。
自分自身が考えなくても何とかなるしね。まぁ、公務はYESかNOを言うだけで済むわけだ。
でもね。内容を理解しなきゃいけないんだよ。めんどくせぇ。
一人机に肘をつき、大きな吐息を1つ。
「仲間が欲しいなー。」
「かしこまりました。」
扉の外から声がする。
反応早くね?てか、執事みたいだなおい。
尋常じゃないスピードで反応した。いや、ツッコミであろうか。
返事から数分後。執事が、戻ってきた。手を擦りながら。
「魔王様!スリスリ‥‥‥。仲間になりたそうな者共を集めました!スリスリ‥‥‥。如何なさいましょう?スリスリ‥‥‥」
「まて、貴様スリスリと。耳障りではないか。それに、内容も入っては来ない。貴様、どうするつもりだ?」
「も、申し訳ありません!!!!なにぶん、忠誠を誓われる者共が大勢集まったものでして。それ故に少し興奮気味でありました。」
「ふんっ。そうか。それなら貴様の顔に免じてやろう。」
「有り難き幸せ!」
土下座を思いっきりする執事に向かって、上から声をかける。
まぁ、スリスリはウザかったな。(笑)
執事が外に待たせていると言うので、待たせまいとささくさと歩く。少し早歩き気味だ。
魔王が待たせてる者ことを考えるかな?普通‥‥‥。まぁ、いいや。
外に出ると、いくらかの影がいた。
ひとつめは、闇に包まれた謎の人間もどき。
ふたつめは、謎の気を発した、継ぎ接ぎされてる男。
みっつめは、愛想のない、純白の白の髪を持つ、可愛らしい少女。
それ以外にも特殊なのが集まっていた。
その中から数人を選んだ。その選出方法は至って簡単。
まず、一人一人部屋に呼び出す。
そして、貴様は何者だ?と、問う。
大概の者は名前を言う。そんな者には、なぜ来たのだ?と再び問う。
まぁ、俺はそんや奴を欲してる訳では無い。
想像通りというか、ピッタリのやつが数人いた。
貴様は何者だ?と問いたら、名前ではない返答が帰ってくる者。
まぁ、内容の薄い奴はちらほら居たけど。
その後、再び問う。
何故、そうしようとするのか?己の力でも出来ることはあるだろう?
と。
しかし、その中で4人の者が予想外の返答を返す。
1人目は、貴方様と歩んでいきたいと。
2人目は、貴方様の野望こそ、我が野望にございますと。
3人目は、貴方様こそ、我が野望。征服するのは、貴方様こそが。と。
4人目は、ググォォォォォォォオオオオ!と叫んだ。(通訳はいたぞ?)
そして、その4人を仲間にすることにした。やはり、仲間がいないとね。魔王プレイもつまらないから!
「諸君。ようこそ、我が野望に。諸君と共になら、征服もまた夢ではない。よろしく頼むぞ。」
「了解。命に掛けて。」
「イェッサ。全ては貴方様のために。」
「生涯に掛けて。」
「グゥゥゥォオォォォ!」
4人目は、俺の意向で連れてきた。戦力になるからという理由で。
ポジションは言わずとも、バーサーカーというポジションだろう。
奴らはこれまた色々な種族だった。
影のファーグレー。そして、コードネーム、ジャンク。
暗く、コミュ障と言ったところか。よく、しれっと後ろに回りそうな雰囲気あるんだよな。
魔女のキャンバース。コードネーム、トレーサー。
素っ気ないが、実力は本物だろう。感じるぞ、魔力の流れを。
人狼のカルディアル。コードネーム、ドーク。
一見ふつうの人間みたいだが、じんろう。人狼。
狂巨人のミーコス。コードネーム、フック。
見ての通り、巨人。狂巨人。怖い
侵略は仲間と共に行う。しかし、結成して間もない仲間たち。
忠誠心はあるとしても、何が起きるかわからない。
まずやらなくてはいけないのは、彼らの力を知らなくてはならない。
そして、彼らの内面も。
「よし。諸君よ。中庭へ行くが良い。我も行くがな。諸君らの力をみたい。」
「「「はっ。仰せのままに。」」」
「ググォオン!」
いい返事だ。なんか、優越感があるなー!
あっ。諸君らって言ってるのにはわけがあるんだよ?
流石に仲間を貴様とか上から言えないからね。
中庭に参る。そこには、中庭と言えない程の広さだった。
学校のグラウンド1つ分がすっぽりと収まりそうだ。(比喩ではないぞ?)
ぽつんと、的が立ててある、4つ。
「あの的を攻撃せよ。手加減は無用だ。」
「承知」と言って飛び出したのは影の。さすがに影なので、消える。そして、背後に周り爪で切り刻む。殺し屋の様である。
次に的を攻撃したのは魔女のトレーサー。
彼女は呪術が得意だ。なので、遠距離から詠唱をする。
「地をはえ屍よ。輪廻の断りにあらず。死してなおも生ける者。我の前で再誕せよ!死者蘇生」
詠唱と共に、的の近くに魔法陣が発生する。すると、地面の至る所に、膨れ割れる部分が出てきた。その割れ目から、死者が出てくるではないか。ゾンビと言うには程遠かった。素早く、武器も使える。
数でも劣らずである。
3人目は人狼。
素早く変身し、切り刻む。
やはり、早い。綺麗だし。隠密行動にたけてる。
4人目‥‥‥。よし、やってもらおう。
「やっていいぞ?」
「グォォォォオ、オォォォォォォォオ!!!!!」
すると、2歩走り跳躍する。それも、真上に。
素早く、跳躍力もとてつもない。
そのまま、的に頭を向けるとそのまま空中を蹴って突っ込んで行った。的の付近は、へこんでいた。流石バーサーカーポジションだけある。てか、よく空中蹴れたなおい。あれは1回限りかな?
全ての技を見終わり、考えているところに足音がする。
「魔王様!魔王様!」
「何用だ?」
「はぁはぁはぁ‥‥‥。んはぁ。先日放ちました、ヴァノヴァルと、ヴァノギアルドがやられました。」
「ほう。それは、想定内ではないのか?」
「いえ。それが‥‥‥。村に損害を与えずして冒険者に倒されたと。」
「ほぅ。2次作戦は動かしたのか?」
「既に、3次作戦まで動かしております。第3次作戦開始までは、時間を要しますが。」
「なら良い。第2時作戦はいつ頃だ?」
「残り、数日で実行できます。」
「わかった。それはそっちに任せよう。しかし、3次作戦まで失敗したら我らが陣頭指揮を執る。わかったな?」
「仰せのままに。」
「魔王様、何事ですか?」
すっと後ろに回る、。怖いよ。お化け屋敷でもこんなの居ないよ。
「諸君らには話しておくべきだろう。知っての通り、侵略計画だ。」
まぁ、このくらいはね話しておくべきだろう。
これからだな。
魔王達はささくさと城にもどっていったのであった。