第11攻略 魔法を使う者。
防衛作戦から1夜明け‥‥‥。
3人はいつも通りに冒険者ギルドへ来ていた。
来ていてもやることが余りない。
今日はあくまで、報告。報告が少し面倒臭い。
冒険者ギルドの扉を開ける。
大勢がこちらを見る。やばい。やばすぎる。
無言で、一旦扉を占める。
「シャ、シャル。どうなってるんだコレ?」
「分かりません。いつもは振り向かないのに。」
「あの服‥‥‥見覚えが‥‥‥」
「私も‥‥‥。」
あの服。あの服というのは、かの防衛作戦の後衛陣にいた魔法、呪術使いぽい人達が‥‥‥。
万応じして、再び扉を開ける。
視線が‥‥‥。でも、勇気を持って入る。
じぃーとこちらを見ている。まるで仲間になりたそうだ。
なんて言うシーンが想像出来てしまう。
「あ、あのぉ‥‥‥。昨日の報告をしに来ました‥‥‥。」
「はい。この用紙にご記入ください!」
「は、はい。」
振り返ると、まだ視線はこっちを見ていた。
まるで罪人を見ているかのようにじっと。
俺は断じて何もしてないからな!断じて!
「シャル‥‥‥。」
「はい‥‥‥。」
「シャル‥‥‥。」
「はい‥‥‥。」
すると、一人のイカつい男が立ち上がった。
のそのそとこちらに向かってくる。やばい。絶対やばいやつじゃん。
2人とも後退りを始めようとしたところ。
その男は勢いよく頭を下げた。角度は90度。
「あっしゃぁを仲間にしてくだせぇ。」
おーーーーーーっとまてぇー!仲間になりたい‥‥‥。
もしかして‥‥‥。ここにいる全員仲間になりたいのか‥‥‥?
そこに朝寝坊をしたモントラーシュが駆け込んでくる。
「シュバルツさーん!遅れ‥‥‥ました‥‥‥。」
勢いよく入ったせいで、視線が一気に集まった。
皆の眼差しが真剣すぎて、モントラーシュが冷や汗をかく。
ささくさと、シュバルツの元へ行く。
「シュバルツさん‥‥‥。これは‥‥‥どういう状況ですか‥‥‥?」
「俺の予想だが、みんなパーティーメンバーになりたいらしい。」
「本当ですか?!」
その言葉は聞こえていないが、1人、2人と前に歩いてくる。
「「仲間にしてくだせぇー。兄貴 !」」
案の定、みんな仲間になりたがってた。
この状況だと、俺はパニくってしまう。しかたないでしょ?
だって、この100人以上いる中で冷静はきつくね?
「シュバルツさん。前回の作戦に参加してたのはこの人数の2分の1しかいません。半数以上は、ここらの冒険者です。」
「うそでしょ?噂を聞きつけたのかよ‥‥‥。厄介事が増えたなー。」
「早く手をうとぅよ。シュバルツ。大変なことになる。」
「分かった。」
俺は声を荒らげる。
「皆さん。この度はありがとうございます。仲間にしてほしいということですが。分かりました。仲間になってください!」
うぉー!っと歓声が上がる。
「ただし。1名に限らさせてもらいます。やり合って貰うのが手っ取り早いですが。テストというか、試験のようなものを設けさせてもらいます。」
ただしのところで歓声が消えた。何か、気持ちいい。
「本日の午後12の刻より、訓練所にて行います。」
みんなしっかりと立っている。
「受付さん。紙とペンありますか?あ、あと、午後訓練所
使いたいんですが。」
「ございますよ。訓練所なら、第三訓練所が空いています。お使いください。」
「紙が120枚、ペンが50本必要ですが‥‥‥ありますか?」
「はい!ありますよ?」
あるの?!す、すげぇー。訓練所いくつあんの?
紙を1人につき1枚渡して、説明をする。
名前、年齢、所属、母体魔法・呪術、現在の属性、意気込みを書いてもらった。
全て集まったのが、紙を渡してから、30分足りとであつまった。
一人一人に番号を振ってあるので、番号順にテストを行う。
その間に、報告書は書き終えたけどね。
その日の午後12の刻。
訓練所では試験が行われてた。
試験の方法は、基本魔法を打ってもらい、セレクト。5人に絞る。
そしたら、応用魔法を打ってもらい、決定。
という流れだ。
「燃やせ!立ち誇る火炎よ!ローンドバーニング!」
「轟け!爆名の雷よ!サンダーボルト!」
あー。つまんね。中二病発表大会じゃん。
正直言ったところ、1番から50番までは、もうね。要らない。
言い方悪いけど。
彼の目を疑うような魔法を持っている人は突如としてきた。
77番。
「無情よ。名もなき玉よ。飛んでいけ。」
その、詠唱とともに白色の玉が生成され飛んでいく。
攻撃力は並大抵である。
無属性だと?!ゲーム内でもほとんど見たことがない。
唯一無二の魔法使いではないかと目を疑うよう。
補足だけど、俺は無属性だったよ?俺は運がよかった。
全てが見終わった頃には、2刻過ぎていた。
「お疲れ様でした。えーと。二次試験に進む5名は確定してます。番号しか呼ばないので前に出てきてください。」
皆は固唾を飲んでいる。
しかし、この中でパーティーに入る人は確定していた。
あくまで、一連の流れを崩さないために、建前上する他がなかった。
「55番、64番、77番、82番、109番。いじょう5名が二次試験にすすめます。その他の皆様。今回はすみません。また、一緒にがんばりましょう!」
100人以上が落ちた。落ち込んで帰っていく。
「残った5名。おめでとう!これから二次試験だ。内容は、応用魔法、呪術を使うように。」
全ての人が終わった。
「んじゃあ。発表するぞ?」
一瞬の静寂が5人と1人の間をすり抜けていく。
「77番。パラミア・ニヴィアス。君だ。」
パラミアは驚いている。自分が選ばれないと思っていたのだろう。
「他の4人も悪くは無かった。しかし、何かがたりなかった。それだけの話しさ。」
4人は落ち込むことなく、胸を張って帰って行った。
「あのぉ。なんで私なんですか?」
「理由、聞きたいか?」
「はい。」
「君が、無属性の使い手だからさ。」
「え?」
すると、シュバルツは、手を的に向けた。
力を込める。すると、指からシュパッと弾丸みたいなものが発射され、的を射抜く。
「「「えっ‥‥‥。」」」
彼女だけではなく、シャル、モントラーシュも驚いてる。
目が飛びててくれれば、漫画みたいなのにぃ。
「シュバルツ‥‥‥。魔法も使えるの‥‥‥。」
「シュバルツさん。規格外‥‥‥。」
「お、恐れ多き。」
なんで3人して恐れてるの?あれ?こんな予定では無かった‥‥‥。
「黙ってて悪い。もともと、術使いなんだよ。俺。」
設定を取り作る事に成功。
みんなは納得した。村に住んでいたということが分かっていたから。
元々、術使いでも村の治安のため剣士に移行することはよくある話だ。
「俺と同じだからさ、君を迎え入れたかった。」
「そうなんですね!その好意、受け取らせていただきます!」
「パラミアね!私はシャルフリューレ。気軽にシャルって呼んでね!」
「僕はモントラーシュです!こんな喋り口が癖です。まぁ、気にしないでください。」
「私はパラミアです。よろしくお願いします!」
こうして、術使いのパラミアがパーティーに加わった。
パーティーメンバーが4人となった。
なんか、パーティーメンバーがささくさと集まるな。
こりゃー、攻略も楽しくなりそうだ。
何を隠そう、異彩しかいないからな。 頑張ろ。
その後、パラミアを本部兼シェアハウス?に連れていった。
快適らしく、気に入ってくれたのだ。
まぁ、シャルと相部屋なんだけどね。広いから。