14話〜加護
「単純に疑問なんだが、神って殺せるものなのか?」
神様って不老不死みたいな存在じゃないのか?
「どんな神でも殺すことは可能さ!でも完璧に殺すことはできない。いづれは復活してしまうんだ。そして復活はいつ起こるか分からない、人々の信仰によって決まるんだ。信仰のある神ほど早く復活して、信仰のあまりない神は復活が遅い。まぁ、君に神を殺してほしいなんて物騒な言い方をしてるけど、封印っいう手もあるんだけどね。その時の君の判断で決めていいよ。封印をしたいときはその時にやり方を教えてあげるよ」
神は生き返るのか、まぁ神様だしそういうこともありそうだな。
しかも殺さなくても良くて封印なんてこともできるのか。
「もし俺が殺したとして、神が復活した瞬間に俺に不意打ちとか仕掛けてくるんじゃないのか?」
「復活したばかりの神は力がすごく弱くなっているんだ。だから不意打ちなんてしたくてもしてこないんだよ。ある程度は反省して君に攻撃を仕掛けるなんてしないと思うけどね、一度は殺されてる相手だし」
「目的は分かった。でもあっちの世界にどうやって乗り込むんだ?あの穴は敵が占領してるんだろ?」
「何、簡単なことさ。今、君の意識はここにあるが、肉体は僕が操作して貴族と戦っているところさ。意識が肉体に戻り次第、君は戦いに負けて奴隷としてあちらの世界いけばいいだけの話さ。もちろん君の大事な幼馴染や小さい女の子たちは逃してから負けないと彼女たちまで奴隷になってしまうからね」
なるほど、奴隷としてあっちに行くっていう手もあるのか、あいつらの奴隷として行くのはかなり癪に触るが、雪が奴隷として捕まってあんな事やこんな事されるよりはマシだな。
「俺に才能があり、神と同等に戦える力が眠っているっていうか厨二くさいことは分かったが、このまま奴隷として捕まったら、今の俺に力なんて少ししかないんだし、才能が開花されずに奴隷として一生、生きていくことになるんじゃないのか?」
「そこは心配しないでくれ!君には僕が加護を授けてあげるから、君の力は一気にそこいらの人よりも強くなれるよ」
「加護ってあれか?神様が力を与えてくれるっていうやつか。雷神の加護って名前はかっこいいけど、雷神の中身がこれじゃあな」
「君はズバズバ女の私に傷つける言葉を的確に使ってくるね。グス、神様な私だって傷つくことはあるんだよ。しかも名前も好きに呼んで構わないって言ったのに神様とか雷神とか他人行儀な言葉で呼んでくるし。もういいもん」
雷神は座り込み、涙ぐみながら膝に頭を埋める。
め、面倒くせぇー、神様ってこうも面倒くさいものなのかよ。
名前なんてどうやって決めるか。
頭の中に何故かえのきが遮る。
「よし、わかった!名前を決めたらいいんだろ。じゃあ、エノだ!お前のことはこれからエノと呼ぶ。これでいいだろ」
「エノ、エノか。うん、いい名前だ!これから僕のことはこれからエノちゃんと呼んでくれ!やっと僕にも普通の人ような名前がついたんだ。嬉しいなー」
エノは立ち上がり、大地ににっこりと微笑みかける。
大地は少し罪悪感が湧き、顔が少し引きつっていたが、名前を決めてくれたエノは気づいていなかった。
あれ?こいつってこんなに可愛いやつだったか?
大地に微笑みかけるエノに対して大地は見惚れてしまっていた。
「ん?どうしたんだい?僕の顔に何かついているのかい?」
エノはニヤニヤした笑顔で大地に問う。
「な、何でもない!ほら、名前も決めたんだし、さっさと次に進めてくれ」
さっきまで見惚れてたなんて言えるかよ。
「全く、君は可愛げがないね。見惚れてたんなら素直に言ってくれたら、好感度アップだよ?」
エノはやれやれといった表情で大地を見やる。
「心が読めるんだから聞かなくてもよかっただろ!」
「言葉で伝えないと伝わらないこともあるんだからね。僕は心を読めるから伝わったことであってこれが人だと伝わらないんだから、しっかり自分の気持ちを伝えるんだよ?これは神様からの神託だよ」
「あぁ、もう分かった、分かった!頼むから話を進めてくれ」
「しょうがないなー。じゃあ話を進めようとしようか。あちらの世界にいった君は奴隷として売られるために大きな都市に連れていかれるだろう。都市に入ったら君は抜け出して、神の情報を集めてくれ。そこから奴らの住処を見つけてはぶっ飛ばして、見つけてはまたぶっ飛ばす。簡単だろう?」
「ちょっと待て。お前は敵の神の居場所を知らないのか?」
神は何でも知っているみたいなやつはないのか?
「僕の管轄は日本だからねー。日本のことならよく知ってるけど、他の国のことなんてあまり詳しくないんだよ。ましてや別世界の神の住処なんて知るわけないじゃないか」
エノは胸を張って誇らしげに答える。
「はぁ、そんなことを誇って言うことかよ。まぁ大体の話は分かった。乗り込んで情報を集めるって住処を見つけるってことだな?」
「その通り!じゃあ他に何か質問はないかい?」
「そうだな。あっちの世界は魔法の存在があるって話だったが、他にはこの世界にはなくて、あっちの世界にはあるみたいなやつはあるのか?」
「僕もあんまり詳しくないけど、あっちの世界にはよくゲームとかにあるステータス、スキル、レベルが存在するみたいだね。やり方までは知らないから、行ってからのお楽しみだね」
おぉ!レベルとかあるのか。よくRPGゲームとかやり込んでたし、実際の俺は何レベあるんだろうとかよく考えてたが、ついに見ることができるのか!面白くなってきた!
大地の目からは先程よりあっちの世界にいくモチベーションが上がっていた。
「君が少しでもやる気が上がるだけで、世界を救える可能性も上がるからね!教えてよかったよ。よ、よし、では君に今から加護を授けるから目を閉じてね」
雷神は少し顔を赤く染めながら大地に呟く。
ん?何で顔を赤くして照れてるんだ?
「あぁ、分かった」
大地は目を閉じて、エノの動きを待つ。
「ホントに目を閉じているね!僕がいいと言うまで何があっても絶対に目を開けちゃダメだからね!」
目を閉じている大地にエノは注意を行う。
何があるって一体何があるんだよ。
「エノがいいと言うまで目閉じときゃいいんだろ!早くしてくれ!」
「ぼ、僕だって加護を授けることなんて初めてなんだから、少しぐらい時間をくれてもいいだろう!?よ、よしでは君に加護を授ける」
エノは何かを決心し、大地にモジモジしながら近づいていく。
目を閉じている大地は何が起こるか分からず、只々緊張をしていた。
すると、大地の頭は柔らかい何かに優しく包まれ、前に引き寄せられると、大地の唇にさらに柔らかい感触を感じた。
その感触は大地が今までに味わったことがないもので、大地はたまらず目を開けてしまった。
大地の目に移った光景にはエノが大地の頭を抱き寄せ、頰を赤く染め目を閉じて、大地と唇を重ねている姿があった。
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