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12〜雷神

お久しぶりです。これからのんびり書いていこうと思います。よろしくお願いします。

アーノルドを守っていた結界は大きな音を立て、崩れ去っていく。


アーノルドは大地の様子に異変を感じ、大地の動きの一つ一つをしっかりと観察する。


すると大地の拳には青白い光のようなものが纏っていた。


「大したことのない攻撃だと思っていたが、普通の殴打ではなかったのか?その光は魔法の一種か?そんなもので儂の結界を破壊させるほどの威力を上げたというのか!?ありえん!先程、魔法が使えるようになったような小童が儂の結界を破れることなど!しかも貴様にはもう魔力は残っていなかったはずだ!それなのにいったいどういうことなのだ!?」


アーノルドは大地の様子から己の推察を口に出すが、それを信じられないように叫ぶ。


大地はそんなアーノルドに一歩、また一歩とゆっくり青白い光を拳に纏いながら近づいていく。


自分に近づいてくる大地を見て、アーノルドは無意識に後退る。


自身が無意識に後退っていることに気づいたアーノルドは顔を赤く染め、立ち止まり、杖を構える。


「ふざけるな!ついさっきから魔法が使えるようになった小僧に三十年もかけて魔法を極めた儂が恐れを抱くなど、ありえん!儂に恥をかかせて、ただで済むと思うなよ!殺してやる!」


先程まで余裕のあったアーノルドであったが、無意識に恐れを抱き、そして後退る自分を見られたことが恥をかかされたことが何よりも屈辱であった。


そんな自分を認めることが出来ず、アーノルドはこんな自分にした不安材料である、大地の存在を消すことに決めた。


「‥‥‥そんな!話が違う!」


「うるさい!小僧一人いなくなっても、この世界にはまだ有り余るほどの奴隷になる奴らがおるわ!小僧を殺してから、貴様らは捕獲する!」


そんな会話が行き交う中、大地は悠然と佇んでいた。


心ここに在らずかのように。


戦っていた大地には意識はなく、大地の意識は身体から離れ、ある空間に飛ばされていた。


そこは真っ黒な空間で、下には何か陣のようなものが描かれており、陣は蒼白い光を放ち、その中心に大地は椅子に座っていた。


「何だ?どこだよ、ここ?さっきまであいつの結界をぶん殴ってた筈なのに。待てよ、さっきまで戦ってたのにこんなとこにいるなんて、あれか?もう俺は死んだのか?」


「君は死んでなんかいないよ。君の意識をこちらに連れてきさせてもらったんだ」


大地は声の方へと視線を向ける。


そこに大地が絶世の美女のような女がそこには立っていた。


整った顔立ち、体型は出るとこは出て、引っ込むところはしっかり引っ込んでいる。髪は艶のある金髪、その髪を後ろに束ねてポニーテールにしている。


服装はまるで男を誘惑するような悪魔のように何故か下着姿であった。


「こら!神を悪魔に例えるとは困った奴だな。これは下着ではない。しっかり見てみろ、ほらこのブラジャーがどこをどう見たら?あ、あれ?何で僕下着だけなの?そこの君!す、少し待っててくれ!」


女は顔を真っ赤にして姿を消す。


ん?なんだ今のは?心を読んできた?神とか言ってなかったか?あれが神?嘘だろ?


大地は呆れている中、数十秒後、女がまだ顔を少し赤くしながら帰ってきた。


今度はしっかりとした巫女のような服装であった。


「ゴホン!先程は失礼、早く君をこちらに呼ばないと君が死んじゃうとかだったから慌ててお風呂から上がって、君を呼び出してしまったから、下着しか着ていなくてもしょうがないよね!」


女は何も聞いていないのに言い訳を始める。


「あぁ、お前があったばっかりの奴に下着姿を見せる変態っていうことは分かった。それよりここはどこなんだ?雪たちは無事なのか?」


「全然分かってないじゃないか!僕は君を助けようとしただけなのに変態扱いするなんて、下着姿なんて、今まで誰にも見せたことなんてなかったんだぞ!グスッ、何で僕がこんな辱めを味合わないといけないんだ」


女は半泣きになり、床に座り込み、膝抱える。


「分かった、分かった、あなたは変態じゃなんかない。だからここがどこなのか教えてくれよ」


面倒くさい奴だな。


「面倒くさい奴とか言った!グスッ、僕これでもれっきとした神様なのに」


自分でこれでもとか言ってるよ。


「お前、やっぱり俺の心の中が読めるのか。それに神様?変態の神様が俺に何か用なのか?」


「変態の神様じゃない!僕は雷を司る神様だ!みんなには雷神や鳴神とか呼ばれて、親しみられているんだ!変態なんて言われたのは君が初めてだよ!」


「雷神っていうと雷が落ちると人のヘソをとるとかいう神様か?」


やっぱり変態じゃねぇか。


「それは人が子供を脅かすために作られた話であって別に僕は人のヘソをとる変態じゃないよ!もう話が進まない!今は僕が変態とか変態じゃないとかは置いておこう。さて、加藤大地君。君にはこの日本、世界を救って欲しいんだ」


そういうと雷神は大地に頭を下げるのであった。


読んでいただきありがとうございます。

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