最果て
自分の人生の本を閉じた。
暗い部屋の中、窓から差し込む陽の光だけが、唯一の希望だった。
その光も日が沈むにつれて、徐々に輝きを失っていく。
光が亡くなった時、私は灰になるだろう。
楽しい思い出を思い出そうとしても
一度閉じた人生の本を開けることが出来なかった。
もう日は沈む。
その時、突然玄関扉が大きく開け放たれた。
「助けに来たぞ」
目の前にいたのは家族でも、恋人でも、友人でもないもう一人の自分
吹きついた風が私の本のページを目まぐるしくめくり始める
「お前の人生はまだ終わっちゃいない。これからも続いていくんだ」
腕を引っ張られるとともに、足に力が戻っていくのが感じた
私はドロ沼に入った足を持ち上げ、
もう一人の自分の手をしっかりと握った