学校
(雨か・・・)
雨が空からパラパラと降ってくる。
先生が教科書の内容を黒板に書き現代文の説明しているのを余所に教室から曇り空を見上げる。
(そういえば、傘もって来なかったな。どうしたものか・・・)
-レインがなく頃に-
「これでホームルームは終わりにする。大雨にだから気をつけろよ」
先生が明日の連絡をし終わって、解散の挨拶した。
「さて、この雨はどうしたものか・・・」俺がそう呟くのを聞いたのか、「秋亜、お前も持ってこなかったのか、傘を」と後ろから含み笑い声を掛けてくる。
「お仲間さんを見つけて喜んでいるな、こっちは必死こいてこれからどうやって帰ろうか考えているんだ」俺はその声を掛けてきた人物に言った。
「連れないな、お仲間がここにいるんだ一緒に考えようぜ」何故か、いつの間にか仲間意識をもたれている。
そういいながら俺の肩に手を置く。
「断固断る。」キッパリ断り俺は肩の手をを退かし、昇降口に向かうため教室を出た。
「待て待て、仲間を見捨てるのか!」その人物は教室のドアまで着て廊下全部に聞こえるような大声で呼び止める。
ジロジロと今から帰る生徒達が俺とその人物に視線が集まる。
「いつ仲間になった・・!」思わず突っ込みを入れられずにはいられなかった。
「昨日の友情はどこに行った・・・!!。あの輝かしい挨拶を交わした時を!!」
両手をジェスチャー交じりで白熱した答弁がなされているが、俺はただ昨日偶然教室であいつが、教室にある植物を水をあげているのを偶々通り過ぎようとした時、あいつが今までに見たことのない満面の笑みで挨拶をしてきたが、ただ俺はおはようとした程度だぞ。何処に友情が芽生える要素が何処にある。それに昨日初めて話したばかりだ。それに俺の名前を何故知っている。有名なのか?。
「それは誤解だ。俺は忙しい帰る。」俺はそのまま歩く。
「そうか・・・悲しいな、本当に悲しいな、友情とはここまで儚いものとは・・・」
ガックリとひざを着いて呟く。
「そうだ、友情とははかない物だと思っとけ。そして、さよなら」俺はそそくさと早足でその場を去ろうとする。
が、後ろからまた声がする「いいのかなぁ、このFIAさんのチケットがどうなっても」
(今なんて・・?)俺は振り向く。
後ろの人物がFIAという女性ボーカルのライブのチケットをを持っている。
「これがどうなっていいいのかな?」その人物はかかったとおもわんぶりの誑かしぶりだ。チケットをヒラヒラと動かしている。
「・・それがどうした?」俺はファンだと感づかれないように冷静に対処する。
「秋亜、俺は知っているんだ、お前は大のFIAファンだろぉ」不適な笑を醸し出している。
(何故俺の趣味が分かるんだ、もしかしてお前は悪魔の手先か・・・。というより、こいつきたねえ。)
「何故分かったって?俺様だぜぇ。植物を手入れをしているときに教室にいる人の会話あるいはフロア全体の会話が聞いているんだ、すごいだろぉ。もしかしたらと思って用意していたんだ」
(もはや悪魔的な能力だな。というより危険な奴め。全部計算されてこの時を待っていたのか。雨降らなかったどうしたつもりだったんだ、こいつは・・・。というよりこいつ友達いねぇだろ)
「分かった、降参だ、一緒に雨の中帰るのを考えよう、だからそのチケットをこちらに渡せ。」
俺は再び教室に入り、チケットを受け取りこの雨の中何故かこいつと考えなければならない状況になった。
「そういえば、お前名前なんだっけ?」俺は今まで会話したが名前が浮かび上がらなかった。
「椎名という名前だ。植物に水揚げ係で有名なはずだが。」
(それはお前だけの自覚だろ。)
「で、これからどうする?」
椎名という男子生徒が問い掛けてくる。
(さてどうしたものか、この状況・・・)
俺はその問いかけを無視をして窓からちらっと校庭を見た。
雨がザーザー降っている光景。ほとんどの生徒は帰ってしまった。
・・・そう校庭の光景の中に見覚えがある風貌の人物がそこにいた。
(レセ・・ハ?)
よく視るとレセハがいた。生徒は今校庭にいないが、この状況は危なすぎる。なぜならレセハは天使だからだ。一刻も早く退去させないと周囲に天使だとばれてしまう。
しかし隣にはこの椎名という意味不明な奴が付きまとう。
「椎名」俺は呼ぶ。
「どうした?」椎名が反応する。
「実は雨はな・・友情があれば突き進める。」俺は何を言っているんだ・・。
「ということは友情を認めるのか」椎名が顔をひたすら近づける。
「友情を認めるから顔を近づけるな。」俺は椎名の顔を退ける。
「そうか、やっと友情がある学校生活の始まりか!」
こいつは馬鹿か、というより可哀想にみえる。
「じゃあ、さっそく俺たちの友情を試そうか」
俺は外を出るよう昇降口に向かうように誘う。
その間レセハは何処にいるか外を確かめる。
いない・・・。どこに行った。
階段の方からカツン、カツンと音をがする。
(まさか・・・。)
「行くぞ、秋亜。青春を全うしよぜ!!」
椎名はその階段の方に走り出す。
「待て!!」
俺は呼び止めた。
廊下でぶつかった音がした。
(ッく、遅かったか・・。)
俺は恐る恐る廊下を視る。
そこには、やはりレセハと椎名がぶつかっていた。
「イテテ、いきなり飛び出すなよ。」レセハは頭抑えながら、椎名に言う。
「すいません、気をつけ・・」椎名は目の前にいる存在を認知しようとした時俺は椎名の目の前に行き、「椎名早くしないと日が暮れてしまう、さあ雨の中にいこじゃないか」といいレセハが見えないように視界を隠し必死に外に出るように促す。
「馬鹿じゃないか、秋亜。雨の中に走り込むのは馬鹿しかいない。」後ろのレセハは余計なことを。
「秋亜、お前女子と知り合いいったっけ?」椎名は何故か俺の日常生活まで分かるのか。
「そうだ、俺にも女子の知り合いはいるんだ。しばらくそこで待っているんだそれから青春の走りをともにしよう」俺はレセハを急いで、使われていない教室に移動させた。
「レセハ、何故お前がいる?」俺は神妙な顔して聞く。
「暇だから秋亜の母に何か手伝う事はないかと聞いたら、秋亜に傘を渡してといわれたから来た。」
天使レセハは堂々にいう。
(あの母は何をいっとるんだ?!天使だぞ、普段着てても外出したらこの羽が目立つだろうに・・・というより今見つかっていないのが奇跡だ)
「そうか、傘を渡したらすまないが帰ってくれ」俺は傘を受け取りかえるように催促する。
「だめ、学校というところを探索をするわよ」レセハは即答に拒否する。
「レセハ・・・ここは人間界だ、その羽が目立ってしょうがないんだよ。ここはどうにか帰ってくれ」
俺は懸命に帰させるように努力する。
「そう、仕方がないわね」
(レセハよく折れてくれた)俺はその時感激にとらわれた。
「このまま職員室に行こうかしら。」
それもはかない妄想でしかなかった。
「というよりバリバリ学校を知っているだろ!」
俺は思わず突っ込みを入れた。
「学校に行く途中の道でここの学生から色々聞いた。」もはや、ばれているだろう。というより変なコスプレイヤーとして見られていたのか。
俺の事を話していないことを願おう。
「分かった。分かったからその代わりこの制服を着ろ、せめて羽がみえないようにしろ」俺は制服の上着を貸した。
「仕方が無いから、見つからないように学校探索すっから」俺はレセハに言った。
「仕方が無いわね」これは俗に言うツンデレか。まあ、いいか。
外をみるともう日が暮れたがまだ大丈夫だいつの間にか雨は止んでいた。