死神の天使
「おきろ、今すぐ起きろ。」
ペチペチと13番目の天使レセハと呼ばれる天使の頬に手で軽く叩く。
「もう、食べれない・・ぐう」と寝言を言いながら、天使レセハは曝睡していた。
「お前は、何し人間界に来ているんだよ。」俺は愚痴を言ったが、レセハは気にせず眠り続けている。
仕方なく俺は諦めて、レセハがベットを独占しているため、漫画本を持ち床に寝転がった。そういえば、こいつが来て二週間がたった。いきなり来て魔王エルフォールが天界に襲撃とか何とかという話をしては家に居座っている始末だ。
そもそも、それって本当の話か怪しいものがある。けれど、こいつが見せた魔法は本当だ。しかし、いきなり来て天使だなんて言われても誰が信じられるか。
「ふう、参ったものだ。」俺はため息をついて、窓から外の風景を見た。空は雪が降っていた。白い砂が降っているようにも見える。
雪が降っているな、と思っている時になにか違うものが見えた。
手のひらサイズの光が見える。幾つ物光。
それがある人に並んで着いて行く。
なんだ、あれは。俺は怪奇的な現象に口が開いたままだ。
俺は気を取り戻し「おい、レセハ起きろ」とレセハを起こすが、ぐうと、レセハは相変わらずに曝睡している。
「あれはまさか、魔王エルフォールとやらの手下か。」どうしたらいいんだ・・・。
・・まて、レセハは俺とであった時ステッキ持ってたよな・・。
ーーー
揺ら揺らと光る光を導きながら歩く若者。雪の上をザク、ザクと踏む音を奏でながら歩く。
「待て!!」はあはあと息を切らしながら、その光を引き連れる若者に俺は呼びかける。
その若者は、その声に気づいたらしく、俺がいる方向を向いた。
「ここで、人間界で何している!!」
その若者は反応しない。俺は自分が言った言葉を振り返り自分は何を言っているんだろうと逆に戸惑った。いきなり人間界と言ったらただの変な人じゃないか。けど、怪奇な現象を目の前にあるから変ではないか。
そう考えているうちに、若者はこちらに向かってきた。
来るのか。と思ったら通り過ぎていた、そして遠くの女性に近づき、何か話し始めた。その直後にその女性からさっきみた光と同じサイズの光が出てきた。その女性はそれから動かない。それから本を取り出し何かしている。
やはり、悪魔だったのか。「ちょっとまて!!」
俺は秘密兵器を出した、天使レセハのステッキを。どうだ、悪魔めビビッて手足も出まい・・。
「人間たちの魂を開放しろ!!さもなくばこのステッキでなぎ倒す!!}
若者はピクッと反応して、立ち止まる。やはりな、このステッキがあれば敵はいない。
が、若者はこちらへまた動き出す。なんでだ、やはり、このステッキではだめなのか・・・。
その若者は俺のそばに来て、「何故それを持っている?」若者は俺の胸元に手を当てた。
「答えなければ死ぬことになる。」
ドクン、動機が早まった感じがいやというほど分かった。魂を抜かれ死ぬと。安易だった。正義ぶった行動がいけなった。
しかしながら今更弾けないそして悪魔にあいつを教えるわけにはいかない。
「教えることは出来ない!!」
俺はステッキをその若者に叩きつけようとしたが、あたる寸前でとまった。再び力を込めようとしても動かない。
「くそっ」俺は若者の左足にキックを入れようとしたが若者が左手で受け止める。
「もう一度聞く、何故お前が天使のステッキを持っている?」念入りに研いだ刃のような冷淡な声で聞いてくる。
「教える訳にはいかない。」俺は頑なに答えるのを拒否した。
「・・・そうか。」若者は俺の胸元に手を添えた。
その時、「アズラエル、その人は派遣した天使の連れですよ。」とそのアズラエルと呼ばれる若者の後ろに天使らしき人が立ちいう。
「そうか、お前が派遣させた天使の。」そういいアズラエルは俺の右足を離した。
「それはすまなかったね、少年。」アズラエルはそういって何事も無かったように雪の道をまた歩き出した。
「おい!!まて話がまだだぞ!」俺は叫んだがもう若者はいなくなった。
「彼はアズラエルと呼ばれるれっきとした天使よ。」と天使らしき人が隣でいう。
「アズラエルは私たち天使とは少し違う、死の天使と呼ばれているの。神様から唯一死の能力を与えられた天使。アズラエルはその能力を使って仕事をしているの。死神と悪魔に間違われそうになるけど、そうではないの」
天使にも死の与える能力があるのか。何故か皮肉な感じがする。
「アズラエルの非礼をお詫びします。」
「いえ、こちらこそ事情分からずに突っ込んですいません。」
その天使はそんな事はないといって
「そういえば、レセハは大丈夫?」
「あいつは大丈夫ですよ、いまも寝ていますから。」
「彼女らしいですね、大丈夫ならよかったです。」といい天使は立ち去ろうとした。
「失礼ですが、あなたは何という天使ですか?」俺は恐る恐る聞いてみる。
「天使長ミカエルです。」といいその天使長ミカエルは立ち去った。
ミカエルどこかで聞いた名だな・・。
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「あんた、ばか?ばかでしょ?死んでも馬鹿!!」といいながら天使レセハは俺の頭に枕を何度も叩きつける。
「いきなりどうしたんだ}俺は頭を守りながら理由を聞いた。
「ミカエル様は天使長とおっしゃっているけど実は天使の中でも最上級のセラフィム級の大天使様と言ったでしょ!!}
「という事は?」俺は思わず聞き返す。
「一番のお偉いさんに決まっているでしょ!!}俺の横の顔にクリンヒットしてノックアウト寸前になった。
「そんなお偉いさんとは・・・」俺は倒れながら呟いた。
「アズラエルという天使様も四大天使といわれる区分に入ったりする大物の天使様よ。」レセハは枕をベットに置いた。
そんな大物の天使さまだったのか・・、なんてことしてしまったんだ。死んだら天国にいけるか今更心配になった。
「兎に角、過ぎたことは仕方ないとして、勝手な行動は今後無し!!」とレセハは言うが、寝てた奴に言われたくないな。まあ、勝手に行動した自分が今回は悪いから何もいえないのがくやしいな。
「そういえば今気づいたけど、あたしのステッキどこ?」
「あ・・・」大天使様の一戦で浮いたままだった。