舞い降りた13番目の天使
ガシャン…。
それはガラスが割れた音だった。
ある日、俺の部屋の窓から、天使が迷い込んできた。
ーAngel RiverSー
「あんた、誰だ?」
俺は聞かずにはいられなかった。
窓を割って入る奴は泥棒か変質者か叔父さんしかいないと思ったからだ。
その入ってきた奴は背中から羽が生えている、コスプレイヤーなのか。
「あたしは、13番目の天使レセハ」
その言葉が耳に入り、俺の今までの思考を一蹴した。
自称天使レセハは俺の部屋を見ては不思議がっていた。
「あなたが大天使さまから認められた人なのね」
いきなり自称天使は突然意味不明な事を言い出す。
「御前、なにいってんだ。俺が。それに大天使様って、あり得る訳ないだろう。」
俺は馬鹿馬鹿しくなり、寝転がっている俺は自称天使に背を向けるように姿勢を変えた。
馬鹿馬鹿しい何で俺に大天使様とやらが用事があるんだ。
というより大天使様って存在しないだろ。現実的に考えて。
「まぁ、いい。ガラス代置いてさっさと出て行ってくれ」
俺は天使の方向にッシッシと手を振った。
「そぉ、なら、いいわ。このまま此処に居座るわ。母親に見られたらどうなるか。」
自称天使は悪魔的な強行手段に転じた。
御前、さっきまで天使と言ったのは嘘なのか…。
悪魔的な発想は天使にもあるのかと俺は驚愕した。
が、あくまで自称天使だ。
「フン、なら天使だと言う証拠を見せろよ」
俺は最終手段を取る。
クックック、自称天使では、出来ないね、まぁ天使なら出来なくもないが。無理だね。
「どうした?出来ないのか」
俺はそそのかした。出来ないに賭けようか。無論俺の勝ちは決まり。
「はあ、これが大天使様が決めになった人なの、信じられないわね。」
自称天使レセハはお手上げポーズをする。
だ・か・ら、どうした。御前は自称天使なのだよ、所詮。
「んなら、いいわ。見せてあげる。だけど後悔はしないでね。」
は?今何つった。
自称天使は持っていた金属製のステッキを目の前で両手を目の前に出し、自称天使から意味不明な呪文が唱えられる。
「クシャラ、ジン、デート オア シージョデ。」
自称天使が足を着いている地面から魔方陣が広がり出て、地面から風圧がくる。
自称天使レセハの髪や羽が風になびき、俺の部屋は竜巻にあっているかのような、現在進行形で物が飛び交っている。
「・・・」
俺は思考停止していた。
自称天使の構え方が変わる。
剣に例えるなら突きの構え方だ。
俺は思考を取り戻した。
って待てよ・・・。非常にやばいんじゃないか。
「天使さ~ん、もういいですよ。止めましょう。あなた天使でしょう。暴力はいけない。平和主義万歳。」
俺はその攻撃らしきものを止めるため、恐る恐る、ストップをかける。
「だめよ、あなたが完全に私を天使だと思うまでは」
眼が血走っている。
ステッキに何かの気が煙として見え、どんどん集まっているのが分かる。
だから、天使さ~ん、もういいですよ。
「ゴオオォォォォッッツォッドクアアアアアアアラシャーーーーー!!!!!!」
ちょッ!!待て、御前天使なのに神技つかうのかよ!!?
俺は終わったと思ったね。
何故かというと。何故か俺の家庭にもう一人家族が増えたからだ。
それも13番目いちおう天使だからだ。
「お母さん、おかわり」
「ってなんで御前が俺の食卓に、てかなんでお母さんなんだよ。」
「いいじゃない、秋亜。それに綺麗な彼女さんじゃない」
「なんで母さんまで」
「お母さん、上手いこといいますね」と天使は上手く話を流す。
何故か天使レセハは普通に家族の輪に入っていた。
という訳で何故か今天使レセハは俺の部屋にいる、ナウ。
「13番目レセハよ、何故俺の所に来た」
俺は寝転がって漫画のページをぺらぺらとページを飛ばしながら、聞いた。
「13番目の天使って呼び名は正式な時にしか使っていけないのよ。だから天使レセハよ。」
何故かステッキを回しながら言葉を続ける。
「大天使様、ロノフォ様があなたを堕天使エノファールを倒せる人間だといって、あたしを此処に寄越したのよ。」
何故か今度は不機嫌そうに言った。
「なんであなたみたいな人間に堕天使エノファールが倒せるのよ、あたしの所で任せておけばエノファールと対等に渡り合えるというのに」
天使レセハはため息をつく。
「そのエノファールって誰だ?」
と俺は状況がというより、エノファールというのが分からなかった。
「神になろうとして、天使の軍勢を率い反旗を起し、堕天使した天使よ。]
「堕天したなら、恐くは無いと思うが」
「甘いわね、今は地獄で王に君臨して統治している巨大な悪魔よ」
「堕天しても強大な力なのか」
「だから、天界は私たちを人間界に派遣しているの。人間には強い能力を持っている人がいると。けどあなたがね~」
横目でじー、と見てくる。
「悪かったな。」
俺は気分を害した。
そういえばこいつ、13番目っていってたよな。
「御前、13番目っていってたよな。他にも天使12の天使が人間界へか?」
「そゥよォ。」天使レセハとやらは俺のとっといたまんじゅうを食べながら返事をする。
こいつ、勝手に俺の菓子を食うておる。
そして、飲み込んだらしく、続きを話す。
「私は13番目、だから13番目の天使。ランクは13番目まであるのよ。ランクは当たり前だけど上に行くにつれて強くなるわ。それにランクインしている天使は全員にそれぞれの固有の代名詞があるわよ。あたしにはその名称はないけど。。」
天使レセハは言った。
「これで分かった?」
分かった。他の天使達は今どこにいるか、知らないのか?」
俺は漫画を捲るのをやめ、上体を起していう。
「さあ、どこにいうかは分からないけど、世界各地に出回っているわ」と興味なさそうに言った。