何で召喚された人たちって能力持ってんだろう?
*この作品は内容がとても簡単に作られています。
「なあなあ。何で異世界に召喚された人たちって皆能力持ってんだろうな。そう思わないか?素直。」
休み時間になったので読み途中の小説を鞄から取り出しながら、ふとした疑問を投げてみた。自分の机の上で作業している手を止めて、訝しげな表情を浮かべながら俺を見ている。
「いや、能力持っていないと呼び出されても何の役にも立たないだろうが。」
「そうだけどさ、俺たち一般人だぜ?そんな奴らを呼び出してるってのに能力を持っているっておかしくね。」
「・・・俺の予想で思いついた内容で良いなら話すけど良いか?」
と苦虫を噛んだような表情を作りながら話始めた。なぜそんな顔を?
「一、勇者召喚の儀式の影響により身体が変化し始め、異世界に召喚された瞬間身体に能力が定着している。つまり、何の能力も持っていないからこそ呼び出される対象となるのではないか。」
「二、異世界に呼び出される前に、召喚儀式を行った奴以外の第三者の手によって、能力を与えられている。」
ほぅ、なるほどな~。素直には自己紹介の時にツッコんでくれたお礼として、異世界召喚系の本を10冊ほど渡し一週間後に感想よろしく!と無茶ぶりをしてしまった。それからは話しかけても返事をもらえなくさびしい思いをしたが、本を渡して一週間後には渡した本全ての感想を言ってくれた。素直、超優しい!!
しかし、よく思いつくな。異世界系の経験値は俺よりも少ないはずなのに。もしや、逆に俺は異世界系が好きすぎて答えが見えないという理由なら納得出来るな。・・・出来るよな。
「なるほど~第三者か。確かに、神様が現れて能力与えるとかそういうのもあるしな。でも、1番目の身体が変化していくって、もう普通の人間じゃなくなっているような。」
「もしそうなら人間じゃないな。でも、能力を使ってる時点で俺らとは違う存在だろ、既に。」
「そうだな~。ところで素直。さっきから何してんだ?」
「あん?見て分かるだろ。変な質問をするな。」
俺の疑問に投げやりな返事をしながら作業を終えて満足顔の素直。
確かに見て分かる。何を作ったのかは分かるが、出来てることに疑問を持ったから聞いているんだが。
普通はトランプで作るものを、素直は消しゴムとシャープペンシルを使い完成させていた。
「これはトランプタワーの派生形、消しゴムシャープペンタワーだろ。」
既に、素直も普通の人間じゃないように思うんだが・・・。