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第零話 源有也

読まなくて全く問題ないです。

 やあ、俺は高校生オタクの源 有也。高校生デビューとでもいうのか、髪をワックスでウニみたいにツンツンにして、メガネをコンタクトにし、周りから五月蝿いと言われるほどに常時テンション上昇中な俺。

 こんな俺だが小学校時代にとある問題が発生していた。実は俺。今でいう『コミュ障』というやつだったのだ!!自分の意見を言おうにも声が小さく聞き取れないと怒られ、友達を作ろうとするが上手くいかなかった。運動面でも問題があり、なんと、100メートルを走りきることが出来ないほど弱弱だった。そんな言動を見ていた周りの人たちは次第に・・・。うん、隠すことじゃないよな。クラスメイトからは挨拶すらされなくなり、先生でさえも俺の名前を呼ぶこともなくなった。学校に来ても、誰とも喋らず授業を受けて給食を食べて帰宅するだけなら、学校に行かなくても同じじゃないか?と考え、自室に引きこもってしまった。通ってた小中一貫校はちょっと特殊で、学校に行ってなくても、卒業できてしまうのだ。ただ、学力や小中学校で培うはずのコミュニケーション能力などが欠如するのが難点だけどね。家族は心配していたが、無理に学校に行かせようとしなかった。


 引きこもって数年経ち、13歳になった頃に転機がやってきた。ずっと引きこもっているとやはり退屈になってくるものだ。そこで思いついた事が平日の町を散歩することだった。普通は、子供が朝から歩いているのを大人に見つかったら学校をさぼっていると注意を受けるんだが、当時から背が高く175cmだったかな。今では182cmまで伸びているけど。背が高いうえに、メガネをかけてマスクをしている人を見ても誰も中学生だとは思わないだろう。誰にも見咎められることなく町を彷徨い歩き本屋に辿り着いた。本屋では月刊人気ランキング表というのが張り出されており、漫画、新聞、情報誌、エトセトラ。と、店長が手書きで作っているらしい。だが、俺が注目したのはそこじゃない。ランキング表の隣に貼ってあるポスターだ。そのポスターには


『貴方の楽しいが見つかる小説!!読めば誰もが元気になれる!それがこれ'この世界は面白い'』


 どんな人が読んでも楽しいと思うモノなんてあるわけないと思いながらも、その本を購入した。これで楽しいと思わなかったら出版社や著者へ毎日クレームのハガキを投函してやろうと悪い笑みを浮かべながら帰宅する。夕飯を食べ終わり、さっき買った本を読もうとビニールを取り払い、読み始めた。


 本を読み終えた俺の世界は180度ひっくり返った。普通の人にとってこの本はクレーム物と言えるほどつまらない内容だと思う。今の俺の様な奴が読めばそう感じるはずだ。この本は本当に楽しいと思うことがない人、何をやっても元気になれない様な人が読んで初めて『楽しい。元気が出る』と思える本だった。その条件にマッチしていた当時の俺は、本当に、本当に心から『楽しい』と思うことが出来た。この本に出会うまでの退屈だった日常が、本を読む時間が足りないと感じる程に充実していた。

 所詮本だろと思ったり、ご都合主義乙とかいう人もいるだろうが、そんなの楽しんでいる俺からすれば『何でそんな風に思うんだろう。めちゃくちゃ面白いのに』と思ってしまう。何も特出していないごくごく普通の一般人だったのに、急に力を持つことで人を助けることが出来たり、挙句の果ては世界も救っちゃうってこともある。なんて素晴らしいんだろう、なんて面白いんだろう。この『異世界召喚』作品達は!!


 異世界召喚モノに出会った俺は本を読むための金が欲しく新聞配達を始めた。バイト代を得て新たに本を読んでいくんだが、知らない漢字や文法などが出てきてしまう事が度々あった。そこで、押し入れに仕舞い込んでいた学校の教材を読み漁り、それでも分からない内容を知るために図書館を訪れたり、家族に聞いたりしていた。家族は、笑顔を浮かべながら大声ではきはきと喋る俺を見て泣いていた。そんな家族を見ていた俺は「いや、泣いてないで早く教えてよ!」と懇願していた。

 そんなことがあり、高身長で顔は普通、ツンツン頭で声がうるさいオタクの俺が出来上がったってわけさ。


「以上!どうよ!俺の自己紹介!!」

「うるせぇ!何で高校入学してそんな長ったらしい自己紹介を聞かなならんのだ。」


 と文句を言ってくれる男子以外のクラスメイトや担任教師は言わないながらも、俺に向けて『うぜぇ・・・』という表情を向けていた。ああ、リアクションをしてくれるとは、なんて優しいクラスだ!!


 これが、今では仲良しの有也と素直の初対面の出来事だった。

どうしてこうなった・・・。


読んでいただいてありがとうございます。


なんで有也の自己紹介話になったのか。

「俺、源有也オタクだよ。俺の友人に素直ってやつがいて」から始まって異世界話に突入する予定だったのだけど。なぜか、有也のオタクになる道程を書いてしまった。

因みに、有也の台詞から始まり、モノローグも有也目線で作成予定。

けど、主人公キャラは素直の予定。


次回からは、異世界召喚に対する作者の疑問と作者による回答を有也と素直に喋らせることになりますので。


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