第1話 「背中にも目が欲しい」
さてさて、どーやら俺は森に居るようだ。
なぜ分かったかだって?
目の前の看板に書いてあるんだよ!
何て書いてあるかだって?今読むから焦るんじゃないよ。
「この森は魔物が出る為、冒険者以外立ち入りは禁止する。」
ふむふむ。
やばくね!?
あの幼女ふざけんじゃねーよっ!!めちゃくちゃ危険な所にスタートから転生してんじゃねぇよ!!
ドスンッ‼︎‼︎‼︎ ドスンッ‼︎‼︎‼︎
何か後ろの方から音が聞こえるぞ?しかも、めっちゃデカイやつだって足音でわかるぞ?
ツーっと汗が滴り、悠人はゆっくりと後ろを見る。
悠人の後ろに居たのは体長3メートルもある巨大な牙を持つ大亀だった。
目と目が合ってるぞ!どーすんだよこれっ!
悠人はゆっくりゆっくり視線を前に戻し、一目散に走り出す。
無論大亀がスルーするはずもなく、全速力で追いかけてくる。
悠人は走りながら叫ぶ。
「死にたくないよぉぉぉお!ママーーーーーー!!!!!」
どちらに行けば良いかも分からずただひたすら走る。しかし、悠人は人間。魔物に追いつかれるのにそれほど時間はかからなかった。
木を背に悠人は初期装備で持っていた刀を構える。ビビりながらではあるが。
実はこの悠人君。小学校4年から高校卒業まで剣道をやっていました。今作った設定ではありませんよ?……ちがいますからね‼︎
悠人はゆっくりと大亀を観察する。
大亀は硬そうな甲羅で身体を覆い、甲羅からは木が生えている。
ここで、悠人君はある事に気がつく。
こーゆー魔物って大抵背中に生えている木が弱点なんだよなぁ…と。
どーせ何処を狙えば良いのか分からないんだし、自分の勘を信じよう!
やる事決まれば覚悟はできた。
大亀も待っていたかの様に動き出す!
大亀はまっすぐ悠人に突進してくる!悠人は横に飛び、それを間一髪の所で避ける!初めて魔物と対峙しているのに、悠人に恐れはありません。
「ずっと夢見てた世界なのに満喫しなくてどーすんだよ!しかも、あの幼女に選ばれて転生されたなら、もしかしたら俺は勇者かもしれねーぞ!!」
悠人は笑いながら叫びます。
おバカですねぇ…www
悠人は木に突進して、よろけている大亀の背中に飛び乗り!甲羅の中心から生えている木に向かって、刀を横一線になぎ払う!
「ふっ、決まったな。」
カッコつけながら目を開けると…
木は切れずに、途中で刀が止まっていた。
「なんでだよ!そこはカッコよく斬らせてくれよ!一瞬でもチートキャラだと思った自分が恥ずかしいよっ!!泣」
世の中そんなに甘くない。悲しいものです。サラリーマンの人達、上司の圧に負けないで!!
話が逸れた修正修正。
大亀が、悠人を振り落とそうと暴れ出す。
悠人は、落とされたら終わりだと必死に刀にしがみつく。すると、偶然暴れた衝撃で刀が甲羅の木を真っ二つにした。その瞬間、大亀は叫びながら倒れた。
悠人は倒れる前に飛び降り、大亀を見て一言。
「俺の勝ちだな亀野郎っ!!!!」
森の中に悠人の言葉は消えていき、恥ずかしさで我に帰り大亀の元へ歩いて行く。
「どーやら俺の勘は当たったみたいだな。」
そう言いつつ、刀を腰の鞘に仕舞い大亀を見る。
ゲームとかでは、牙とか採取したりしてお金稼げるよな。
試しに取っておこう。初期装備の中の1つである小太刀で牙を二本剥ぎ取り、道具袋にしまった。
よし!とりあえず、魔物にバレないようにここを抜けよう!
悠人が決心した矢先、後ろで小枝を踏む音が聞こえた。
どーもみなさん。名が猫です!
悠人はよく後ろを取られるやつですねぇ笑笑
こいつをどーやっていじって行くか楽しみです!
それでは、第2話でお会いしましょう!