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積木遊戯  作者: とにあ
セキの世界
2/13

プレイスタイルはマイペース



 いつだってここは透き通る青空。

 ずっと雨が降ってるところだってあるけど、エリアの気象グラフィックは基本変わらない。

 気分にあったエリアで余裕がある敵LVのとこならいける。気象エフェクトは重いからカットしてるけど。

『LV上がったら戦闘上げんの? それとも、生産?』

 ユウにパーティチャットで尋ねられた。

 LVUPの時にボーナスポイントで技能を上げるシステム。私は好き勝手に取っていて非常に非効率的なキャラ育成。

 最初は育成サイトやヘルプガイド、掲示板にオススメ育成があるってユウは勧めてきたけど、今では特に何か言ってくる事はなくなった。

 好きにさせてくれるのがありがたい。

 そう、私はおしゃべりするのが楽しいから別にいいんだ。

 初心者の邪魔をするほど弱くないし、先に行けないだけで適正エリアは多いから。

「ここに置いて行かれたら死に戻りしかないからやめてね」

 ユウに連れてこられたのは適正エリアの外。戦えない私はユウに回復魔法をかける。

『寝言言ってんじゃねぇよ』

 笑うユウに私はムッとする。切実なのに。

『帰還アイテム持ってるだろ』

 答えたくなかった。

「普段、使わないし」

 言い訳するとユウが「持ってろ」と帰還アイテムを押し付けてきた。

「ありがとう……」

 イヤでもお礼はちゃんと言うの。

 すれ違いに拗ねるのは子供みたいでユウとの年の差を意識する。

 モニターの中の私達にはレベル差の装い差。だからゲームの中ではユウへの苦手意識が少しとける。とかしちゃいけないのにね。

 ネットでは年齢なんて見えたりしない。言動があるだけ。

 大人だって拗ねるの。

 でも、子供なんか、相手にしないわ。

 ユウはゲームに夢中な男の子に過ぎないんだから。

『いつまでも成長ないのもダメだぜ』

 ユウはそう言いながら敵キャラを狩っていく。その姿は生き生きしていて楽しそう。

 だから、私は続けさせたくて回復魔法や補助魔法をかける。

 楽しそうにお礼のエモーションアイコンが閃く。

 それが、うれしいんだ。

 そんなことに喜んでた罰なのかな。知らない子がユウに声をかけてきた。オープンフィールドなんだから別に普通だけど。

『そんなレベル差ある子の育成ヘルプもいいけど、ダンジョン行こうよ』って。

 そっか。育成ヘルプだったんだ。

「落ちるね」

 ユウにもらったアイテムで街に帰ってログアウト。その前にフレンドリストを見る。


 消しちゃおうか?


 ゲームごと。

 ログアウトして、そんなことを考えているとインターホンが煩く鳴った。

 誰か来たのかと、慌てて玄関を開けるとユウに怒られた。「すぐ開けるな」「いきなり落ちんな」って。だってあの子と遊ぶんでしょう?

 邪魔はしたくない。それなのに怒って、わけがわからない。

「勝手に決めるな。待ってるから」

 そんなことを言ってユウは非常階段へ向かう。階段を駆け下りて来たのか。そして駆け上るのか。元気だなぁって思う。十一月の空気はけして温かくはないのだから。

 飲み物を入れなおしてゲームを起動する。

「ほんと他人ひとの言葉を聞かないんだから」

 キャラセレクトしてシティマップにイン。

『遅い!』ユウからのメッセージは早かった。

「ただいま」『おう。行くぞ』

 キャラだと反応はわかりにくい。でも待っていてくれたのが嬉しくて「行こう」って走りだす。

 初めての私からの誘いの言葉。

 だって恥ずかしいよ。

「……バカ、だな。すぐ、となりにセキがいるのに他のやつと行くわけねーだろ」

 ユウの言い草はひどいと思う。でも、どこかでホッとしてる。

「ユウが幼馴染で良かったよ」

『泣虫セキは俺の過去にも今も未来にもいるさ』

 嬉しい。

「ユウは素敵な弟分だよ。大好き」

 本当に好き。




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