表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

どうやり過ごせばいいですか?

 事実は小説よりも奇なりで、嘘のような本当の話だ

 昔の著名人はそんなことを言っていたらしい。

 ただ日常というのは小説より奇なりということはあまりにも程遠く、平々凡々な毎日が過ぎていくのが常である。

 確かに現実問題、成功率一桁の手術に奇跡的成功するものもいるし、数パーセンの可能性でしか当たらないクジ(世俗的に言えば宝くじ等々だろう)等に当たる幸運の持ち主がいることも知っている。

 しかし、それ全ては平々凡々な日々が当たり前とした日常から一服の清涼剤のような、必然的に起きたものであり、それらは奇怪でも奇跡でもない。

 つまりどういう意味かというと、成功率一桁の手術…一桁というのは説明しづらいから5%としておこう…あまりにも良い説明とは言えないが普通に考えて100人のうち5人は必然的に成功するということだ。宝くじでも同じことが言える。奇跡だ、運が良かったから当たったと当選者はいう。だが宝くじの当選確率は1000万分の1だという…つまり1000万人のうち1人は必然的に当選するのだ。

 このことからわかる通り事実というのは奇怪でも奇跡でも偶然でもない全てが必然的なものであることがわかる。

 俺の名前は物部もののべ 運奇うんき

 変わった名前だということは自分でもわかっている。子どもの頃よく「う○こ」と付けられからかわれたのでそういうふうに呼ばないでいただきたい。

 こんなにも講説をしているのだから俺も奇跡、奇怪、偶然を信じてはいない。日常なんてものは全てことわりがあって起きているものだ。もちろんのこと日常だけでは人々の生活環境や行動原理も全て理由があるのだ。

 だからみなさんに何故俺がこの状況になってしまったのか詳しく教えていただきたい。

 今の状況はこうだ。

 人気が通らない空き地ネ、後ろの背中にヤクザさんネ、俺の後頭部にはなにやら鉄の塊が当たっていまーす。

 「何ブツブツ独り言喋っとんねん。頭打ち抜いたろうか」

 もうあなたのドスの効いた声で僕の頭撃ち抜かれております。

 ことの発端はというと幼じみである名瀬なぜ 朱莉あかりである。この女、名は体を表すを物の見事に表現したような女であり、活発で元気な女の子である。元気なじゃ表現がたりないので元気すぎると付け加えておこう。(決して褒め言葉ではない)そんな元気すぎる女の子は学校の帰り道俺に会うなり背中の中に小さく水で膨らませた水風船を入れて、その水風船が割れる程度におもいっきり背中を叩いたのだ。

 まず整理をしよう。これに関して俺は悪くないのは分かってくれるだろう。これだけで名瀬 朱莉を追い回す理由になるだろう。

 背中とワイシャツが水でびしょ濡れになる。しかもこともあろうことか名瀬 朱莉は水風船の中に入れた水は只の水ではなくsugar Water…つまり砂糖水だったのだ。つまりは背中とワイシャツが水でびしょびしょだけでなく背中とワイシャツがベタベタでもあるのだ。

 これでもう充分に名瀬 朱莉を追い回すのに理由はいらないだろう。

 前言したとおり俺はその元気すぎる女の子を追い回した。

 もちろん今見たいに悲壮感に刈られた顔でなく、憎悪感に似た顔になっていただろう。この場合憎悪感でいいのだろうか?

 そして追い回している間何やら柔らかいような物凄く嫌な感触が足元でした。ゆっくりと歩幅を緩めて辿った足跡を目で辿ってみるとそこには怒り狂った犬が僕を睨みつけていたのだ。きっと俺は犬の尻尾を踏んだのだろう。その間にもうすでに名瀬 朱莉は僕の目の先にはおらず、追いかける立場から180度変わり晴れて追いかけられる立場になったのだ。

 猛スピードで走り抜けた。息切れなど気にすることなく、猛スピードで。もう足はガクガクで歩幅を調節するのは難しい。そんな時目の前に飲み干して誰かがポイ捨てした空き缶が転がっていた。これを踏んだら間違いなく踏み外してそのまま転ぶ。そして怒り狂った犬に噛まれるという想像が容易にできた。

 この時の俺の心情としては『踏むな、踏むな、踏むな』の一点張り。このとき俺は一瞬だけだが神様がいることを確信した。その空き缶を踏むことはなかった。ここまでは神様を信じました。そしてそのあと神様がいないことを悟りました。そう、踏むことはなく、缶蹴りの要領で蹴り飛ばしたのだ。

 走りながら蹴った空き缶の行方を辿るとそのまま何やら黒光りな高級車から出てきたイカツイスキンヘッドのお兄さんの頭に当たったのです。

 走っていた足がそのままゆっくりと止まっていくのが分かる。そして止まった足にがぶりと何かが噛みついた感触はあったのだが痛みを感じることがなかった。

 何故かって?そんなもの恐怖心というのは時に痛みを忘れてしまうんだぜ。

 そのまま俺はそのイカツイスキンヘッドのお兄さんに人気がない空き地まで連れて行かれて今に至るのだ。

 どうする俺、どうする。

 この続きは次回に乞うご期待…って俺そんなこと言っている場合じゃねー!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ