1パート
「邪神の依代としてこの者を選びましたか。しかし、要件は満たしていませんよ。」
「もはや多少不完全でも構わん。実体を手に入れる方が先決だ。」
「わかりました。」
邪神が目を覚まし、依代を誰とするか知ったオーゾはその人を捕まえるため陰陽師達と文人の前に姿を現した。
オーゾは自分自身に人型を入れ、アリの女王の邪険を生み出した。女王アリの邪険はつえを地面に何回かつくとそこから働きアリの邪険が次々と生まれた。
女王アリの邪険はさらに破壊を続けようと歩いて行ったため佐藤霊矢が女王アリの邪険を追いかけ走って行った。
高橋愛香、藤堂永史、文人の3人は走りながら変化した。文人は戦国武将の邪険になり陰陽師南斗と陰陽師西行は働きアリの邪険を蹴散らした。
戦国武将の邪険がオーゾに戦いを挑んだがオーゾはそれをよけた。そして、カブトムシの邪険に変化した。
リョクを一人で倒した戦国武将の邪険が戦うもなんとカブトムシの邪険の表皮は非常に固く歯が立たなかった。カブトムシの邪険は戦国武将の日本刀を白刃取りしてへし折った。
「ばかな!」
腕をカブトムシのツノのような武器に変形させ戦国武将の邪険を持ち上げ壁に叩きつけた。
その時、空が暗くなり邪神が姿を現した。実体を得ていないため蜃気楼のような姿だった。
「わが依代よ。」
戦国武将の邪険は邪神により浮かされ、邪神もろとも消えた。
「お兄ちゃん!」
吉田文奈が影から出てきて叫んだ。それを見てカブトムシの邪険は言った。
「ほう。こんなところで出会うとはな。」
吉田文奈の方をカブトムシの邪険は見ていた。
「こんなところにいたとは。・・・・・4人目の陰陽師。」
陰陽師南斗と陰陽師西行が驚いて吉田文奈を見ていた。
「文奈ちゃんが陰陽師ですって。」
「文奈さんが?」
「私が?」
カブトムシの邪険は女王アリの邪険を呼び寄せた。
遅れて陰陽師北斗が追いついた。
「こいつ、何度必殺技を当てて撃破しても復活しやがる。」
「今のうちに4人目の陰陽師を潰しておくのもいいだろうが残念ながらそんな時間はない。」
オーゾが引き上げようとしているときに青の陰陽師西行は女王アリの邪険にお札を投げつけた。以前裕二の居場所を特定するのに使ったものと同じものだ。
女王アリの邪険に当たると同時にカブトムシの邪険は逃げて行った。
「私たちもいったん引くしかないね。」
3人の陰陽師と陰陽師南斗の馬の後ろに乗った吉田文奈は一旦裕二と優子とともに佐藤霊矢の家に行った。
「私が陰陽師の4人目とはまだ信じられない。」
「文奈ちゃん、心当たりは?」
「なかったですね。この通りですから。」
佐藤霊矢に渡してもらった人型を投げるが全く姿が変わる様子はない。
「変化できないのか。」
「うん。4人目の陰陽師なんてウソなんじゃない?」
「いや、違うと思う。」
裕二が立ち上がって言った。
「俺は基本的に文人さんと話す事が多かったが文人さんは文奈さんを戦いに巻き込みたくないとよく言っていた。文奈さんの目の前で変化したらあの子に戦わせてしまうって言ってたんだ。」
「お兄ちゃんが?」
「気付いてたんだよ。君が4人目の陰陽師である事を。だから戦いに巻き込まないように距離をあけていた。戦いに巻き込まれたらいずれ陰陽師として戦わなければならない運命を背負う。」
「そうか。お兄ちゃんめ。なんで黙ってたのよ。しかし、陰陽師に変化できないんだよなぁ。」
「できないのではなく、しなくてもいいんじゃないですか?」
藤堂永史が言った。
「変化する必要はなく、あくまでも祈りを具現化させることだけで戦うタイプの陰陽師だったとしたら。」
「おそらくその説が有力だね。」
今度は高橋愛香が口を開いた。
「多分、変化の必要がない陰陽師なんだと思う。4人の陰陽師が協力すればあるいは邪神を倒せるかも。文人くんが頑張って守った事を破ってしまうけど。」
「きっとこの戦いが最後ならば大丈夫ですよ。」




