2パート
夜呼び出されて同じ場所に向かった。
吉田文奈は欠伸をしながら会いに行った。
しかし、途中で化け物を見た。やんわりと光る虎のような影が歩いていた。吉田文奈から見れば化け物というよりもむしろ・・・
「幽霊だぁーっ!」
吉田文奈は声をあげて走り出した。声をあげてしまったせいでこちらに気付かれた。
ぼうっとした虎のような影は追いかけてきた。
佐藤霊矢の家の戸の近くに隠れていた。
「いやぁ私どうもこの手の話は苦手なのよね。」
「・・・・・・ここで何をしている。」
「ぎゃー!」
佐藤霊矢の声かけに心臓が飛び出るほど驚いた吉田文奈は来た方を指さして言った。
「ででででで、でたんです出たんです。」
「お、そうか出たか。ならばこっちへ。」
佐藤霊矢の後について行くと少しひらけたところに出てきた。
虎のような影は黙ってついてきていた。
「ずいぶんおとなしいな今日のは。」
「なんなんですかあれ、幽霊?」
「ちょっと違う。あれはれっきとした人間だ。」
「あんなわけわかんない姿をしてるのに?」
「うん。憎しみを意図的に増幅され変化した姿だ。」
「みんな虎に?」
「いや、変化した姿は自分では選べなくて前世の姿になる。」
「まさか、最近都内で増えてた心霊現象って・・・」
「その通り。あいつらが引き起こした。俺達は邪輪衆と呼んでいる。」
虎の邪輪衆は二人めがけ走ってきた。転ぶようによける吉田文奈はさらに騒ぐように聞いた。
「それで、何か打開策はないの?逃げるしかない?」
「なくはないよ。」
「じゃあそれを早くやってよ。」
虎の邪輪衆が真上をジャンプしたのを目で追いながら吉田文奈は佐藤霊矢に言った。
佐藤霊矢は笑顔で手のひらを差し出した。
「なに?その手。」
「やってもいいけどそれでは対価を払っていただきますが?」
「お金取るのかよ!しかも私から!」
「これもれっきとした副業でして。金額いかんによってはこのまま帰ってもいいんだよ。」
「いくらで?」
「さして強そうでもなさそうなんで4,500円で。」
吉田文奈は財布からお金を取り出して渡した。後で必要経費に入れとこう。
「交渉成立だ。下がっときな。」
吉田文奈が下がるとポケットから人型を取り出した。
「いざ、変化!」
人型に息を吹きかけ、前に投げると人型が佐藤霊矢の前で光り、佐藤霊矢の姿を光が包み込んだ。
佐藤霊矢の全身は緑色のスーツのような特殊な姿に変わっていた。お祓いをする人のように腕の部分や足の部分は広がっているがマスクがきちんと顔まで覆っている。真っ暗な部分に光り輝く姿はやたら目立っていた。
なにかブツブツと唱え剣を召喚した。
剣をつかった鮮やかな身のこなしで虎の邪輪衆を追い詰めた。
「浄化!」
剣にエネルギーをため、切りつけた。その場で倒れ込んだ虎の邪輪衆は動かなくなった。
「どっちが残った?」
剣を突きつけると異形の部分だけが泡となって消え、人間に戻った。
「心霊現象ってこうやって無くす方法もあるんだね。」
吉田文奈は小さくつぶやいた。




