2パート
「あなたも暴れなさい。」
サソリの邪険は腕にサソリのしっぽのような武器を装着し柱に巻き付けてへし折った。
そこに藤堂永史が駆けつけた。
「愛香さん。おれ、約束果たします。」
藤堂永史が人型を投げ、青の陰陽師西行に変化した。
槍をつかみ、サソリの邪険と戦い始めた。
陰陽師西行の槍に腕につけた武器を巻きつけ奪い取った。
陰陽師西行の槍をつかみ、槍で突き攻撃をしてきた。それをよけながら距離を取った。馬を呼び出し、馬を走らせた。
「何をしてるの!白鳥の邪険!攻撃なさい!」
白鳥の邪険は飛び上がり、羽根で攻撃した。羽根が当たれば爆発する羽根だった。
馬に乗り爆発から逃げ続けていたが陰陽師西行には考えがあった。
白鳥の邪険の羽根は舞い、あちこちで爆発した。そのうち1つがサソリの邪険に当たった。サソリの邪険の手から槍が離れた。馬を走らせ接近して槍を手にした。
「浄化。」
槍にエネルギーをため、馬からジャンプしてすれ違いざまに切りつけた。
サソリの邪険は倒れ、光る泡とともに人間に戻った。
「ちっ、まぁしょうがない。」
白鳥の邪険は羽根を舞散らせ攻撃した。しかし、戦いに慣れていた陰陽師西行は物陰に隠れ、降りてきたところを攻撃する手法をとった。
「よし、愛香さんにしんどい思いさせないまま浄化できるかも。」
それを見てアイゾはつぶやいた。
「やっぱり一対一では陰陽師が優勢か。そりゃそうよねー。」
アイゾは蛇の邪険に(へんげ)し地上に降りたち、陰陽師西行の動きを封じた。
白鳥の邪険の羽根をいくつかくらい吹っ飛ばされた。
「今だよ。」
転んでいる隙をつき、羽ばたきの羽根をもろに浴びてしまった。
大爆発を起こし、変化が解けた。
「いいね。この調子だと陰陽師を倒せる。」
そこに高橋愛香たちが駆けつけた。その様子を見て事情がわかった。
「文奈ちゃん、永史くんを病院に。」
吉田文奈は藤堂永史を高橋愛香の馬にのせ病院に連れて行った。
白鳥の邪険は真っ白な羽を広げていた。自分の友の変わり果てた姿がそこにあった。友達と戦うのがこんなに辛いとは。友と戦い守り抜いた霊矢くんはすごいんだな。絶対に傷つかないで欲しい。なんで、なんで戦わなければならないんだ。高橋愛香は悲鳴のような叫び声をあげ変化した。
白鳥の邪険は羽を羽ばたかせて羽根を振りまいた。それをよけながら扇子を使ってジャンプして白鳥の邪険に飛びついた。
蹴りが入るたびに羽根が舞散った。羽根が散る中戦った。
「やっぱり一対一は部が悪いね。」
アイゾが蛇の邪険に(へんげ)し、参戦しようとしたところに文人と佐藤霊矢が現れた。
二人は戦国武将の邪険と陰陽師北斗に次々と変化し、蛇の邪険と戦い始めた。
目の前にいて戦っている人は大事な友達。戦いながら陰陽師南斗はマスクの下で泣いていた。
陰陽師南斗は全てを賭けることにした。3枚のお札を白鳥の邪険に投げつけ、高々と舞い上がり飛び蹴りを入れた。
飛び蹴りをくらい後方に吹っ飛ばされた。
「お願い!戻ってきて!助かって!」
邪険の心の中、優子が闇の中で迷っているとそこに優しい笑顔を浮かべた高橋愛香と妹の愛子が現れた。
「お姉さん。帰るよ。」
「全く。世話が焼けるんだから。」
2人は優子の少し前を歩いた。道は黒から灰色になった。2人が前を歩いていたのでその道では振り返らなかった。やがて道は白くなった。もう振り向いても良かった。
「じゃあお姉さん。待ってるよ。」
「また後でね。」
優子はゆっくりと目が覚ました。
「よかったぁ。戻ってきた。」
高橋愛香は目に涙をためて抱きついた。優子はうれしかったがちょっと痛かった。