2パート
「霊矢さんが?」
「そう。迎えに来てくれたんだ。」
邪険として倒された時、佐藤霊矢が迎えに来てくれた時の話を病院でりんごをすりながら裕二が愛子に話していた。
「私の個人的な考えですけどそれは霊矢さんにとって裕二さんが大切な人だからですよ。」
「あら、そうなのかもね。」
「仏教の考え方ですけど因果という考え方があります。したことは必ず返ってくる。陰陽師に倒された人がどうなるか。みんな倒された時に闇の中に取り残されます。」
「その人を大切に思う人が迎えに来る?」
「裕二さんが優しい人だから霊矢さんが迎えに来てくれたんです。優しい裕二さんを霊矢さんは大切に思っていたんです。もし、とても冷たい人でひどいことばかりして誰も大切に思ってくれる人がいなかったらその人は迎えに来てくれる人がいません。闇に取り込まれやがて本当の怪物になっちゃうんだと思います。」
どっちが残るというのは今までしてきたことの結果なのかもしれないな。と裕二は心の中で思った。
「黒い道、灰色の道の後明るい道になったんだ。ずっと霊矢くんと歩いてた。」
「灰色の道を歩いてる時は決して振り返ってはいけません。」
「おっと!わかんなかった。霊矢くんのあとについて行ってただけだったから。」
「いいんですよ。知ってる人なんか少ないですし、私は好きでそういう本読んでただけなんで。」
その人を大切に思う人が迎えに来てくれるか。霊矢くんに感謝しなければならないな。
リョクが街を破壊しながら歩いていた。
「戦国武将の邪険!でてこい!」
ライオンの邪険に変化した。
人型を投げ、近くにいた人に当たった。
その人は海老の邪険になった。ハサミを振り回し車などを破壊した。
たぬきちからその連絡を受けた高橋愛香は文人が再び戦国武将の邪険に変化してリョクに戦いに行くのだろうと思った。
「文奈ちゃん。お兄さんに会いに行くよ。」
「あ、何がなんだかわかりませんがわかりました。」
高橋愛香がお札を投げるとそこに馬が姿を現した。2人が馬を走らせながら渡辺愛香は吉田文奈に話した。
「お兄さんはまた邪険に変身して戦おうと思ってる。いざって時はあなたが呼びかけるのよ。」
「わかりました。」
文人はライオンの邪険に変化したリョクの前に現れ、戦国武将の邪険に変化した。
日本刀を抜き構えたところに高橋愛香たちが駆けつけた。降りるなり吉田文奈が叫んだ。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
戦国武将の邪険に変化していた文人が吉田文奈の方を向いた。
「どんな姿になっても姿形が変わったとしても!お兄ちゃんはお兄ちゃんだから!1人しかいないんだから!必ず怪我しないで帰ってきて!」
戦国武将の邪険は大きく頷いた。
高橋愛香は赤の陰陽師南斗に変化した。海老の邪険にかかって行った。
二つの扇子を両手に持ち舞うように連続した蹴りを放った。
扇子を仰ぎ風を起こして吹き飛ばした。
海老の邪険はその風の中をはしり、ハサミで切りつけた。よけたところにあった柱が切断された。
ハサミにより切断された事で上部のガレキがくずれ、なんと吉田文奈にふりかかろうとしていた。
「文奈ちゃん!あぶない!」
吉田文奈は伏せた。