1パート
「ようやく会えたな人間の邪険。邪険は基本的には前世の姿になるが前世が人間だった場合、他の邪険よりも強い邪険になる。それを倒せば俺の実力の証明になる。」
「他の人達を巻き込むな。」
戦国武将の邪険が日本刀で切りつけた。ライオンの邪険はぎりぎりでよけた。
「素晴らしいな。幹部相手にこれ程とは。」
戦国武将の邪険は走り始め、ライオンの邪険と蛇の邪険を切りつけた。
2人とも手傷をおい、逃げて行った。
高橋愛香が立ち上がって行った。
「変化させてしまってごめん。」
「仕方ないさ。文奈にはなるべく俺には近寄らないように言っておいてくれ。」
「わかった。」
文人は姿を消した。
優子が隠れていたが出てきた。
「なぜアイゾは私のことをあそこまでつけ狙うのでしょうか。」
「気に入らないことでもあるのかしらね。」
「もし、優子さんが邪険に変化して誰かが浄化しなきゃならない必要に迫られたら俺が浄化します。」
変化を解いた陰陽師西行が言った。
「愛香さんにつらい目は合わせたくありません。」
「ありがとう。その時になったら頼むわね。」
そこへ吉田文奈が走ってきた。
「お兄ちゃんは?」
「行っちゃったわ。俺には近寄らないようにしてくれって。」
「なんでなのでしょうか。」
「巻き込みたくないんじゃない?」
「なるほど。」
「といいつつも納得してないでしょ。」
「納得していないというよりも心配なんです。風邪とか引いてるかもしれないですし。」
「優しいのね。たぬきちをつかせてあるから大丈夫よ。いざって時はわかるから。」
「ありがとうございます。」
古い神社の中でオーゾは光を見ていた。
アイゾとリョクが帰ってきた。
「人間の邪険が目覚めたぞ。」
「んで戦ってきたわけか。だからそんなに邪気が強いのか。」
「ああいう強いやつは倒しがいがある。」
「全く。幹部ともあろうものが1人の邪険に肩入れするとは。」
「ここももうすぐ大きくなりそうだな。」
「しばらくアジトとして使ってたけどもう少ししたら完全に邪輪衆のものになる。考えただけで楽しみ。」
「お兄ちゃんが邪険に変身するようになっていたとはね。アニキのヤツがさつで適当だけど根は優しかったからなぁー。なんだか意外。」
「心当たりある?」
「なくはありません。ラッキーです。」
「ラッキー?何が?」
「実は私たちは犬を飼っていたんです。」
「犬の名前がラッキーか。」
「昨年末に亡くなりました。おそらく毒のある何かを拾い食いしたんだと思います。」
「犬は拾い食いするものね。」
「すこし神経質なところがありましたがかわいい犬でした。」
「飼い主は凹んじゃうね。」
「兄が面倒を見ていたんですが兄はラッキーがなくなったのを自分のせいにしてたんです。今日兄を見て兄が邪険だったのだとわかりました。自分を憎む心につけこまれて邪険になったんだと思います。」
「自分への憎しみでと邪険になるのか。たしかに立派な憎しみだもんな。」
「連絡取れなかった理由もやっとわかりました。」
全く。私を巻き込みたくないからって距離あけるなんて。あほなんだから。吉田文奈は内心に毒づいた。