サムエルとサラ
「まってよ~サム!!」
「早くこいよ!!おいてくぞ~サラ」
「はぁっ、はぁっ、こんな早朝なのにそんな走らなくても…さすがにまだ儀は始まらないよ~、サムが楽しみなのは分かるけどさ。女の子の歩調に合わせるのも紳士の役割でしょ!!」
「そんなこといって、お前もそうなんだろ?サラ。必死に走っちゃってさ」
そういってサムことサムエルとサラはお互いを向き合って満面の笑みで笑った。
「うっ、もぉ~、まあウルの人間なら誰でもこの日を楽しみにしてるでしょ」
魔法法治国家ウル。
物理法則に加えて、超常の力である魔法が存在する国。
ここはウルの都市の一つ、ガリラヤ
サムエルとサラはそんな土地の平民として生まれ今日、15歳になる
「そうだな…でも世界で一番楽しみにしてるのは俺だぜ!!」
「ふふっ、、サムは偉い人になりたいんだもんね!!」
「あぁ!!俺は王都に行って成りあがって、大金持ちになって、でかい家建てて、かっこいい魔法使って、いい女もたくさん抱くんだ!!」
「それ。私の前で言うんだ。」
「冗談だって~」
「はいはい、、、」
「と、とにかく、今日神様に必死に願って強い魔法をいただくんだ!」
そんなこんなで話していると立派な建物が見えて来た
「よしっ!!教会に着いたぞ!!、おじゃましま~す」
「早朝なのにすごい人数だね…」
そこにはその町の15歳。全員が集められていた。
ざっと30人程度だろうか。あと20人程度まだ来るらしい。
早朝だが、遅刻する訳には絶対に行かないのでみんな早く来るのが通例だ。
何人か友達が話しかけてくる。
「おう!!サムエル!久しぶりだな!」
「よっサムエル!!」
「おぅ!」
「こんにちは~サムエル君。相変わらずサムサラは仲いいね~、見せつけちゃって、このこの~」
「そんなんじゃないって、言ってるだろ~」
こいつ、、いじりやがって。サラも恥ずかしがって俺の後ろに隠れるように立つ。
俺とサラはそういう関係じゃないのに。まあ、かわいいとは…思うけどさ。
そんなこんなしてると
大きな扉が開いて白い服をきたおじいちゃん1名と黒い服を着た男1名。そしてこの国の紋章マークのある騎士数十名がやってきた。王国の騎士だろうか。そういう人たちも来るんだな。まあ、見とけよ!俺がすっげー魔法を発現するところをよ。
おじいちゃんの一人が前にでて高らかに宣言した。
「静粛に。これより魔法神託の儀を行う!!」