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恵まれない人間

「誰かがやらなければいけないなら私がやる」

 これが私、故人 蓬莱 火蓮のモットーだった。


 中学生のころだったろうか、鮮明に覚えてる授業がある。

 飢餓で痩せ細っている子どもを、黒い猛禽類の恐ろしい鳥が狙っている写真だ。


 きっと誰もがみたことあるんじゃないかな。

 授業内容は詳しく覚えていない。だが、私は知ってしまった。

 世界には「恵まれない人間」がいるということを。

 誰にも助けられることのない人間がいることを。

 一度意識してしまえば情報は次々に頭に入ってくる。

 それから授業やニュースでも、次々、知っていった。


 飢餓で苦しむ人間がいるということを。

 戦争に巻き込まれる人間がいるということを。

 奴隷状態の人間が何千万もいるということを。

 スラムという貧困街があることを。

 独裁国家の民の劣悪な生活を。


 …


 そして…

 なによりも思い知ってしまった。

 そうした残酷な環境下にいる人間がこの世界には存在するということを知っているのに、私は…


 何もできていないただ小娘であるということを。


 そして決意した。

 必ず自分は見て見ぬふりはしないと。全員は救えずとも確実に一人一人、恵まれない人間を救うのだと。


 ____________________________________


 時は流れ、私は海外のとある紛争地帯にいた。


 思えばここに至るまでに、これまでいろんなことを言われてきたな。

「自分の身を危険にさらさなくても…あなたに死んでほしくない」

 家族はそう言ってくれた。


 心配してくれてありがとう。私は確かに愛してる

 でもきっと今から私が行く先には同じように愛する家族が危険にさらされてる子どもがいるから無視できない。誰かがやらなければならないなら私がやる。


「また、会いに来てね!!」

 親友はそういって送り出してくれた。もちろんだとも、私のような頭の固い人間と付き合ってくれて本当にありがとう。


「クーラーもないんでしょ?私ならムリ」

「もっと給料がいいところいけば?」

 誰かはそう言った

 うるせぇな

 失礼した、、、まあこういう奴もいるだろう


 こうして私は日本とはお別れして、私は大学院を卒業後、

 海外で援助活動をする世界的なNPO団体に所属した。

 医療環境が充実していない環境で、医療を施すことがメインの団体であった。

 本当は医者として紛争で傷ついた人間を救いたかったが、医者になるには数学の能力がからっきしな私には難しかった。

 代わりに私がなったのは心理士、すなわち心理カウンセラーだ。

 学生時代に海外にボランティアに行ったことがあるが、私はそのとき飢餓で苦しむ者に食糧の供給の援助をしていた。だが、同時に知ったのは戦争のPTSD、女性のレイプ被害など心の側面で問題を抱える人間は思った以上に多数いることだ。心理士は必要だった。

 幸い言語の才能はあったのか、海外の言語はしっかり勉強して1年程度滞在すれば日常会話ができるていどには話せるようになった。


 私は大学を出たら恵まれない相手のことを手助けする心理士になろう。

 そして恵まれない人間に希望を与えよう----------


 そして、数々の現場を経験して今回の派遣先である紛争地帯にいる。

 27歳だった。

 この地域では長年宗教や人種間の対立から紛争が続いていた。


 もどかしい。

 私がもっと権力のある人間ならば根本から変えられるのに…


 そうして、現地に在留して数か月が立ち

「その日」はきた


わさびティーと申します!!


よろしくお願いいたします!!

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