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小鬼  作者: り(PN)
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 中原真希子は一瞬己の目を疑う。

 目の前で何かが変容したからだ。過去に見慣れた矢崎美和の安アパートが小綺麗な都会風マンションの形にゆらぐ。そしてそのゆらぎは固定化され、真希子の記憶の方が変容を受ける。あの頃聞いていた電車の音が一キロほど南にある首都高速からの光の蜃気楼にすり替えられる。

 もちろん真希子はそれに気づいていない。が、妙な気分の高揚とともに腫れあがった美和に対する殺意の後ろに、つじつまを合わせようという何者かの意志を感じたような気がする。

 と、そのとき黒い服を身に纏った針金のようにやせ細った男が彼女の後ろを通り過ぎて行く。

 次の瞬間、真希子はくるりと踵を翻すと、駅前で見かけたコンビニエンス・ストアに向かってゆっくりと歩きはじめる。

 もちろん矢崎美和に突き刺すナイフを買い求めるために!


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