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②師匠

次は唐突に現れた師匠とのやり取りです。祓魔龍刀術についてちょっとだけ話してますので。


どうぞ

 

 「師匠、、、勘弁してください。師匠の 瞬 は冗談になりません。本当に驚きますから、本当に」


 「ほほほ、龍炎よ。お主の気取りも大分上達したと思っとったが、まだまだじゃのう。この老いぼれの初作すら感じ取れんとわのぉ。」


 けらけらと笑いながら師匠は嬉しそうにしている。俺は正直、悔しさ半分、尊敬半分ってところだ。なにせ師匠の言うとおり、今の技は祓魔龍刀術における初作、つまりは基本中の基本の動きだからだ。

 

 祓魔龍刀術 雷龍の型 初作 マタタキ


 祓魔龍刀術は、修める型が7つあってそれぞれに特徴がある。そして、その7つの型ごとに初太刀と初作というものがあって、その全てを使いこなせて初めて、初門を名乗ることが許される。できない者は帰りなさいっていう感じだ。

 ちなみに雷龍の型は高速移動に特化した型だ。龍氣を下半身に巡らせ、踏み込みを限界まで強化する。そうすることで地を蹴る力を増加させ、相手の懐に一瞬で潜り込むことができる。俺が千寿の背後に入ったのもこの技だ。


 「俺も全く気付かなかった、、、俺もけっこう 瞬 には自信あるけど、師匠みたいに完全に気配なく潜り込むのは無理だよ。」


 「ただ 瞬 をつかっとるわけではないんじゃがな、まあいずれはお前達も気づくことじゃろう。さあ、いつまで稽古をしておる、さっさと水を浴びて食事の準備をせんか。」


 「あれ師匠、ちょっと早くない?まだ、日陽鳥も鳴いてないよ?」


 千寿は屋敷の方を向いて答えた。日陽鳥というのは、朝決まった時間に起きて鳴く目覚まし代わりのような鳥だ。屋敷に時計はあるけど、俺と千寿は毎朝4時くらいには起きて朝の稽古をしているから、日陽鳥が鳴く朝6時くらいに稽古を切り上げて、朝食の準備をするのがいつものことなんだけど。まだ日陽鳥が鳴いてないんだよな、なんでだ?


 「馬鹿者、今日は登門の儀を行うために早く朝食をとるよう言うておったではないか。昨日のことをもう忘れたか。」


 「あ」


 俺と千寿は昨日のことを思い出した。そういやそんなこと言ってたっけ。


 「はぁ、仕方ない。昨日言うたことは3つ。1つ、朝の稽古は軽くして朝食を早めにとること。2つ、朝食はいつも3人一緒にとっておったが、今日に限っては各々で食べること。3つ、登門の儀を行うため10時には道場におること。この3つじゃ。」

 

 「いや、師匠。流石の俺でも登門の儀の時間ぐらいは覚えてるから」


 「なら他の事も覚えとらんか、馬鹿者。さあ早く水を浴びて飯の支度に入れ、ワシはもう食べたからな。それでは、道場にて会おう。龍炎、お主は千寿と登門の儀が終わるまで顔を合わせるな、いいな?」


 なぜですか?と聞く前に師匠は目の前から消えた。また 瞬 を使ったのだ。地を蹴る音すらしなかった、すごい。


 「はぁ、、、顔を合わせるなってなんだ?俺の時は、朝も普通に千寿と稽古してたし、飯も3人で食ったし、、、うーん」


 「師匠の思い付きでしょ、また。そんなん気にしてたら疲れるよ、アニキ。」


 「そうだけど、まあ、一度聞いてしまったことだし従わないと。んじゃ、また道場でな、俺は見てるだけだけど頑張ってな千寿。」


 そう言うとアニキは井戸のある方に向かって歩き出した。俺は切り株から下りて、原っぱに仰向けに寝そべった。


 ・・・俺は気にしてないんだけど、アニキが言いつけ守るって言ってるしな、めんどくさいけど、少し時間をおいて水浴びいくかな。・・・


 俺は、朝飯に何を食べようか考えながら、思い出したようにつぶやいた。



 

 「師匠、朝飯食べるの早すぎ」


 



 




拝見していただきありがとうございます。


祓魔龍刀術 雷龍の型 初太刀 初作 龍氣 初門 登門の儀とキーワードがたくさん出てきました。そのうち、詳しく説明する回も出していきますので。


ありがとうございました。

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