第1章 旅立ち
この小説は、異世界冒険ファンタジーです。二人の兄弟が剣術と絆を駆使して、旅の中でのありとあらゆる困難に立ち向かいながら成長していく物語です。魔法、剣術、魔物、龍等のなんでもありありのものとなっています。
初めての小説投稿となります、若輩者でありますが是非読んでいただきたく思います。
それでは、よろしくお願いします。
第一章 旅立ち
①炎と寿
「ハッ、ハッ、ハッ!」
朝日が昇り、鳥の鳴き声が聞こえ始める頃、木々が生い茂る森の中で勢いの乗った掛け声が響いている。一人の少年が森の中で素振りをしているのだ。歳は10代半ばだろうか、茶髪のツンツン頭に白い道着に袴を着ている。既に何百回もの素振りをしているのであろう、全身汗にまみれ顔からは湯気が立っている。
「ハッ、ハッ!・・・・・ふぅ。こんなもんかな、よぉっと。」
少年は左腕で額の汗を拭い、近くの切り株に座り込んだ。
「いよいよだな、ホンっトぉ~に待ったよ。この日を」
少年は左手を強く握りしめ、空を見上げた。
「アニキが登門の試しを終えたあの日から3年。やっと俺にも登門の儀がくるんだ。これに合格できれば、、、。」
「一緒に旅に出ることが許される。だったな、センジュ」
「アニキ?」
背後から声が聞こえたが、センジュと呼ばれた少年は驚きもせず返答した。すると、笑いながらアニキと呼ばれた青年が口を開いた。
「やっぱり気づいていたか、気配を感じるのも上手くなったな。けっこう自信あったんだがなぁ、瞬。」
「そりゃあ毎回稽古で一緒にやってればわかるよ。なんかアニキからは変な感じがするんだよな、なんかこう背中に刃物を突き付けられるような感覚が。」
「俺を危ない人扱いするなよ。せっかく稽古の様子を見に来てやったのに。」
肩まで伸びた黒髪を一本にまとめ、馬の尾のようにも見える髪をなびかせた青年が不満そうな顔で答えた。
「え?そうなの? てか、アニキの稽古は?」
「ついさっき終わったよ。俺の稽古は型の反復修行だからね。数も決められてない、自分が満足したら終わりみたいなもんだし。」
「ああ、そういえばそうだった。あれからアニキは自主稽古って師匠に言われてたしね。」
「リュウエン、お主が登門になった以上、ワシから教えることは何もない、今後は己と向き合いながら型を磨くがいい。って言われて放置だもんよ。登門の試しを終えてから師匠は全く教えてくれなくなったわ。」
肩をすくめ、アニキは軽くため息をついた。まだ師匠に教えてもらいたいこともいくつかあったのだだろう。
「登門の試しか。やれるだけの準備はしてきたし、稽古も手を抜いたことはなかった。けど、やっぱ不安になってきたなぁ、俺大丈夫かな?」
センジュは不安そうな顔でリュウエンに問いかけてきた。
「そりゃなぁ、不安になるよな。俺も合格条件聞いたときは焦ったよ。」
なぜなら、登門の試しの合格条件は、師匠に一撃与えるというものだからだ。
「なあなあ、アニキ。なんかこう弱点とかねえの?師匠の。登門の儀に合格した時になんか気づかなかったん?」
「アホ、そんなん気づいてたらとっくに教えてるわ。お前だってわかってるだろ?。普段の師匠ならともかく、稽古の間の師匠は本当に別人のようになるし、、、。実際俺だって無我夢中になって切り結んでて、気が付いたら一撃当たってたってくらいだ。今更ながらよく合格できたと思うよ。」
俺は師匠と切り結んだあの時のことを思い出していた。あれでも師匠は本気を出してはいないだろう、あくまで俺の技と覚悟を試していたんだと思う。でなけりゃ、木刀と真剣でやりあって、一撃与えるまで傷一つなかった師匠とボコボコに打たれてボロボロだった俺が合格できる要素なんて一つもないだろう。
「ま、無心になって、己の内に潜む魔を祓えば、合格の光が見えてくるんじゃないか?」
「アニキ、それ師匠の言葉をそっくり使ってるよね?真面目に考えてよ、じゃないと一緒に旅に出れないよ。アニキがこうして3年間も待っててくれたのに、、、」
「そうじゃのう、せっかく龍炎がお主を待ってここに留まっておるのに、合格できなんだら大変じゃのう。のう?千寿や?。」
「師匠!?」
俺達は驚き、振り向いた。振り向いた先には、道着に着替え銀髪の長髪と豊かなひげを触りながら、ニヤニヤと笑っている老人がいた。
そう、この老人こそが、俺達が修めている剣術。祓魔龍刀術の創始者
陸奥 要である。
不慣れの部分が露呈した初作品となりました。どれくらい長くすればいいか、投稿の仕方をミスったり等あります。今後、修正してまいりますので、何卒ご容赦ください。
初めまして、日ごろの生活でいろんな漫画、アニメを見ながら作者の方々の自由な発想力、物事やそれに伴う納得がいく根拠の組み立て方に日々感激させられていました。
いつか自分も、自分の思い描いたものを作ってみたい。そんな思いで作った作品です。
今後不定期ではありますが、更新していきますので、皆さんよろしくお願いします。