あなたの目の前に
あなたの目の前に鏡がある。今、それにうつっているものは何か。
実際に考えてほしい。
もちろん、この問いの答えは人によって違う。鏡を認識できる年齢の子供から、鏡を確認できるまでの老人が対象となりうる。
うつっているのは自分と言う人から心理テストか何かかと訝しむ人、無視して先を読もうとする人、捻くれた答えを出そうとする人など、様々だろう。
この質問の面白いところは平凡な人だと思っていた相手から予想外の答えをもらうことがある。まず間違いなく、相手の心を垣間見るだろう。汚い自分が見えたと、私の知り合いは言っていたのでリフレッシュすることを進めた。
ただ、この問いの本質は見えたものではない。どこで、鏡を見たかによる。鏡を見た場所こそが大切だ。
いま、スマホやPCを見ている場所と答える人は何の問題もない。元より、問題を見つけるための質問ではないのでこの言葉は適切ではないが。
これは世界を構築する質問だ。もっとも、新しい神様になったのではなく、自分の内側の世界の話。
あなたの目の前に鏡がある。今、それにうつっているものは何か。
一つ目の質問は意識を向けさせるための物。
では、その時にどこの鏡で、どんな状況で鏡を見ているのか。
これがよく分からないとか、そこまで考えていないという答えならその人は現実を生きているんだろう。曖昧なのは、もちろん外れることがあるためだ。
稀に、自分の中に凄い世界を持っている人がいる。この問いの数秒の間にすさまじい世界を作り上げる人がいる。それでいて自分が一般人だと思っているのだから、世界は怖い。
私はこの問いに対してたくさんの答えがほしいと思っているが、不可能に等しい。心理テストなんかじゃなく、見ているもの、見ている場所がどんなものなのか知りたいだけだったりするが、そんな力は私に宿っちゃいない。あれがよい答えだ、悪い答えなんだと自分なりに考える人もいれば人に良く見てもらいたいからこう答えたなんて人もいる。私を胡散臭いと思う人もいるだろう。いや、それがおそらくは正しい。あなたの目は一般的に言って間違っちゃいない。
一つ、本文に忘れていることがあったが、たまに縛られている場所で鏡を見る人もいるだろう。
ちなみに、私は蜘蛛の巣状に鏡が割れており、見た場所は会社の便所だった。あなたはどうだっただろうか?