修行します。3
魔法は、道具を使う場合と使わない場合がある。
また、道具を使うときは、道具との相性など気を付けなければならない点が多いが、使わないより安定して魔法が使える。
道具を使わないことのメリットは、発動までの時間が短いことと、消費魔力のロストがほとんどないこと。
練習では、初心者用のワンドを使うそうだ。
「魔法は想像したことを創造するのじゃ」
そう言うと、杖から炎を出した。
「それと、魔法はいくつかの属性に分かれるという話をしたじゃろ」
「たしか、火、水、土、風、雷、光、闇ですね」
「そうじゃな。それと、そのどれでもない特殊な魔法もあるのじゃ」
生き物を操ったり体を変形させたり、特殊な魔法が使える理由は、ただの突然変異だそうだ。
昔、人工的に特殊な魔法を使えるようにする研究が行われていたが、度重なる失敗で研究は中止。
ちなみに、成功例は一度だけあったそうだ。
「まずは、お主がどの属性を使えるかということじゃが……」
言葉を途中で切ると、何か考えているようで、険しい表情になった。
「都市に行けば、検査する装置が開発されたらしいが、わしはここから外には行けないからのお」
行けない?何故?
気になったが、何か嫌な事を思い出したような表情を見ると、聞きづらくてやめた。
「お主の魔力からは複属性の気配がするから、一通りの初級魔法の練習からするかのお」
「わかりました」
僕は、ワンドを両手で持って、正面に構えた。