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閑話
シオンと愉快な有能秘書。
前回より、時間は少し戻る。
シオンの執務室。紅が飾った観葉植物と机、後はひたすらに機械に埋もれた部屋にシオンとエンジュはいた。
規則的にキーボードを叩く音が聞こえる。ふと、エンジュが手を止めた。
「シオン、僕さぁ、思い出したんだけど」
「何を」
「クレナイさん達の歓迎パーティーとか、本来するものだよね。彼女達って、お客だし」
室内が静かになる。
沈黙と共に、シオンからダラダラ嫌な汗が流れた。
「もっと早く思い出せや!!」
「思い出して、すぐに言ったよ。言われる迄忘れてた人に言われたくない」
「だあぁあぁぁぁ!!」
叫びつつ、その辺にある、予備のケーブルやらマウスやらを投げまくるシオン。
けろりとした顔で、避けまくるエンジュ。
数分後。
病み上がりなこともあり、シオンはすぐにへばった。
「エンジュ、お前が言い出したから、パーティーの計画しろ。俺様は忙しい」
ぜーはー言いながら話すシオン。面倒だなぁ、と思いつつ、エンジュはシオンの部屋から出る。
どんなのがいいか、本人に聞いたら早いなと、紅を探すのだった。