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閑話
夢と、現実の狭間で
不思議な夢の中に、いた。少年と3人の少女達。
知っていたのに、思い出せない。
『またか…』
繰り返し、見る夢。シオンはずっと同じ夢を見ていた。
1人の少女は少年の兄妹で、後の2人の少女達は双子であるらしい。
見たこともない、広大な花畑で、笑い合う少年達。
1人の少女を、シオンは知っている気がした。
夢の少女は、シオンが知っている少女よりもっと幼く、ずっと幸せそうに笑うけど。
繰り返し、繰り返し見る夢。今はまだ、シオンの心の内にのみ。シオンは知っている。
この夢の悲しい終わりを。
あかい、あかい、夢の終わり。
この夢の本当の意味を、彼が知るのは、まだ先のこと。