13/42
閑話
幼なじみ2人は微妙な関係。
ここは、彩の研究所。茶希が働いている場所である。山の中腹にあるため、彩が一望できる研究所のベランダでこの国の姫が、
「ありえないですわー!!」
…叫んでいた。
後ろから、呆れた様子で茶希が声をかけた。
「仕方ないだろ。多分母さんでも断りきれなかったんだよ」
白亜は、針から紅が針国王と共に彩に帰国する報せを受けて、これ以上ないほどイラついていた。茶希を睨み、怒鳴る。
「私が他の男と結婚してもいいのですか!」
「僕には関係無いだろう」
「バカ!!」
茶希に平手打ちをして、走り去る白亜。
後ろにずっといたけれど、全く存在感が無いため気付かれなかった茶希の精霊・灰理は思った。
どっかの青春どらまみたいだなぁ、と。




