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プロローグ
昔、昔の物語。彩の国の民ならば、誰もが知ってる物語。
母が、祖母が語る。
古い、古い昔の話。
さいのくにに、うつくしいひめがおりました。
ひめにはなかのよいともだちがいました。ふたりはなかよしで、しあわせにくらしていました。
しかし、うつくしいひめさまのうわさをきいたこうのくにのおうさまがせめてきました。
くにのたみはきずつき、ひめはなきました。
こうのくにのおうさまは、いくさをやめるかわりにひめをさしだすよういいました。
ひめのともだちはたいせつなひめをすくうため、さいのくにでいちばんつよいせいれいとけいやくしました。そしてたったひとりでたちむかい、こうのくにのおうさまにいくさをやめさせました。
ひめのともだちはほのおのまじょとよばれ、ひめとすえながくしあわせにくらしたそうです。
でもね、この話には続きがあって…




