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 異世界人が大空の彼方の……えー、省略『わらわ様』から授かる浄化の能力っていうのは、魔物の正体が亡くなった人間だと考えると、日本で言うところのいわゆる浄霊という事なのだろう。素人認識だがざっくり除霊と浄霊の違いを説明すると、無理やり力ずくで消すのが除霊で、縛り付けてる何かを取り除いて成仏してもらうのが浄霊だ。

 正しい輪廻の輪に戻るのか、『わらわ様』の御下に向かうのかは分からないけれど、苦しみ彷徨い歩く行く末から救われてくれると良い。

 そんな事を考えながら、討伐隊随行初日は眠りに就いた私。


 そして現在、私を取り巻く状況だが。


「グズグズと躊躇うなっ!」

「必要なのは迅速性だっ。迷いなど何の役にも立たん!」

「動かぬ骸の何を恐れる!」

「さあ立て、次だ!」


 厳しくも絶対的な指示が次々と矢継ぎ早に飛んできているのは全て私で、飛ばしているのも全てコデルロスさんだ。


「ううっ……」


 夜営地で一夜を明かした討伐隊の面々は素早く天幕を纏め、移動を開始し、襲い来る魔物を千切っては投げ、千切っては投げの行軍を再開していた。

 ……退治した魔物をどうやったら浄化出来るのか、という本格的な実験を経て完全にその方式を把握した後には、生きた魔物との対峙が待っている。一日でも早い浄化能力習熟が求められ、コデルロスさんにスパルタに扱かれている私だ。


「頑張れサーヤ殿。コデルロスの強制のお陰で、だいぶ浄化能力の使い方も分かってきたではないか」


 ポン、と私の肩を叩いて爽やかに笑い、何やら愉快そうなオーレリアン殿下。くっそくっそ、本当にこの人は昨夜の宣言通り、コデルロスさんから私を守る気ゼロだ!


 まあ確かに、コデルロスさんが昨夜一晩で立ててきた私の特別スケジュールは順調に成果を出している。

 どうやったら浄化能力が発揮されるのかを探るべく。まずは多少離れた距離から、続いて至近距離から、触れながら、例のコデルロスさんの短剣で魔物を傷付けて、の四段階のパターンにて『消えろ~消えろ~』と念じた結果、距離があった場合は何の変化も無かったのに、触れながらだと約一分程で白い光に包まれ浄化されていった。


 驚異的だったのは最後の一つで、コデルロスさんから借りている短剣の刃先がほんの少し魔物の遺骸にめり込んだ時点で何を考えるヒマもなくあっという間に浄化されていったのだ。

 黒犬魔物に発揮されたのは、恐らくこの能力だったのだろう。無我夢中で握っていた短剣が、偶然掠っていたのだ。

 念じながら触っていて発揮されたのは、婆様と同じ『祈りの浄化』の方だろう。婆様はあの塔から世界全土に行き届かせられるけれど、私は接触範囲対象限定だよハハハハ……


「……もしかすると歴代の天姫様方も、直接魔物を攻撃すると素早い浄化が可能だったのだろうか?」

「よく考えろ、オーレリアン。

サーヤ殿の『祈り』は戦いの場では無意味なほど、長時間の接触時間を必要とするのだぞ?

性別の違いによって、能力がほぼ逆転していると推察される歴代の天姫様方では恐らく、粉微塵になるほど滅多刺しにしての重労働の末にようやく浄化される、ぐらいなのではないか?」

「それは……誰も試したくないし、そもそもそんな天姫様の姿なんて見たくもない光景ッスね」


 どんな猟奇的場面が脳内で展開されたのか、うっぷ、と、今日の護衛のグレン君が呻いた。

 浄化能力者である事が証明された私は、オーレリアン殿下と同等の扱いを受ける事を頼まれてしまったので、今日からわざわざ護衛の方がつく事になったのだ。

 正式な人選や任命は城に帰ってからになるそうだが、討伐隊随行中はコデルロスさんの部下の騎士さん達が交代でついてくれる事になっている。コデルロスさんから普段扱かれ続けている部下さん達なので、当然彼らもスパルタからは私を助けてはくれない。


 爬虫類やら動物の姿に擬態している魔物にビクビクしながら近寄って、泣きたいのを我慢して能力実験を繰り返した結果、どうやら私が魔物を傷つけると、そこから浄化の力か何かが注ぎ込まれるらしい、という事実が確定化した。なので続いては、この能力の有効武器と範囲の確認だ。

 お昼の休止中に、コデルロスさんが輜重隊の荷馬車の中でも予備の武具を積んでいる荷馬車から、幾つか見本に取り出してきてくれた。

 武具には全く明るくないので些細な違いはよく分からないのだが、大別して大剣、細身の剣、長い槍、すんごく長い槍、短めの槍、戦斧、ショベル、短剣、弦を引く弓と巻き上げ式の弓……たくさんあるんだなあ。


「何しろ討伐を目的に隊を進めている真っ最中だからな。様々な局面を想定し、我々が用意してきている武器類は豊富だが、サーヤ殿の得意な武器は何だ?」

「ほ、包丁や果物ナイフしか握った事ありません」

「体力豊富で壮健なお身体されてるのに、もったいないッスね~。あっちでは軍隊目指さなかったんスか?」


 首を捻るグレン君に、私はひきつった笑みを見せた。


「残念だけど、この身体は『かの方』からの借り物なんだ。

自前の身体はもっと華奢だったし、元の世界では死病に冒されてね。もう火葬も終わってると思う」

「あ……すんません」

「良いよ良いよ。だからまあ、身体や体格に見合った精神や性格をしていなくても、そんなもんかって流してくれると嬉しいかな」

「確かにサーヤ殿、ちょいとビビりなとこあるッスよね~。低級な魔物の遺骸であんなにへっぴり腰だなんて、怖がりな女の子みた……あたっ!?」

「グレン!」


 おお察しが良いね、そうなんだよ、と私が相槌を打つよりも早く。オーレリアン殿下がキッ! と眉を釣り上げて叱責するように厳しく名を呼び、軽口で流そうとしていたグレン君の頭部へ、無表情なコデルロスさんの手刀が無言のままゴスッと決まった。グレン君の沈み具合からして、確実にオーレリアン殿下への一撃よりも重かったようだ。あれでも一応、普段の殿下はコデルロスさんから手加減されていたんだなあ。


「サーヤ殿は浄化能力を持つ勇者殿だぞ。

それを一騎士として護衛の身で、警護対象への敬意の払い方がなっておらん。口が過ぎるぞグレン」


 オーレリアン殿下の反応からして、男性優位なこの世界ではもしかすると男性に向かって『女性的だ』と表現するのは、人間性に問題があるというような、嘲笑や侮蔑的な意味合いの方が強いのかな? だとすれば、私がどんなに『中身は女です!』と主張しても、女性扱いされないのは納得がいく。多分フラーシス国の人からしてみれば対等以下の存在だと示す、無礼にも過ぎる扱いなんだ。

 これまで私と対応してきた人は、仮にも国賓から『変態扱いして下さい!』って頼まれて凄い困っていたんだろう……悲しい。


「申し訳ない、サーヤ殿。この馬鹿には身の程を叩き込んでおきますので、どうかご容赦のほどを」


 グレン君の頭を腕で強引に下げさせつつ、自身も深々と頭を垂れて謝意を示すコデルロスさん。この人自身は、確かに初対面時の混乱と訓練中の教官としての叱咤しか、私に厳しい言葉を投げかけてきていないな。


「いえ、私は気にしませんから、それより……」

「なりません」


 どうやら天姫に代わる男性称号を考え付いたオーレリアン殿下の、その称号の方がむしろ気になる、と口を挟もうとしたのだが、コデルロスさんは首を左右に振って、私のフレンドリーなスタンスを強く窘めてきた。


「サーヤ殿、あなたは人々から不必要に畏れられる事も好ましくありませんが、この愚か者のように無意識のうちに軽んじられる事は、やがて積み重なり集団の共通認識として不問とされ、最もあなたの身を危険に曝すのです」


 人々の心を集めすぎても祭り上げられ命を狙われる危険、軽んじられれば単独で魔物との戦いを強制される恐れ。もう何度となく聞かされてきたし、フラーシス国に着物を広めた初代様も五百年前は苦労したのかねぇ。


 上官から厳しく叱責され、しゅーんとうなだれるグレン君を宥めて、気を取り直して私は一番小さい短剣を鞘を被せたまま持ち上げてみた。元々の身体なら、ずっしりとした金属がかなりの重さで手首に負担を掛け、取り回しに苦労しそうだけれども。筋肉質なこの身体ならば、全く負荷もなくプラスチックの玩具並みに軽々と振り回せる。


「うーん、簡単に動かせられるし、武術を習うならやっぱり短剣ですかね」

「サーヤ殿の戦法は、要するに当たりさえすれば一撃必殺ッスからね。手数の多さは魅力ッス」

「……リーチが極端に短い分、サーヤ殿には魔物の懐へ次々と飛び込む度胸と気概の必要性が生じますが?」

「さあ、この弓を引いてみようかな。うーん、弦を引いてみても矢がへろへろっと地面に落ちちゃうぞ」


 コデルロスさんの確認に私は笑顔で短剣を元通りに置き、周辺を見回しても休憩中の騎士さん達が近くに居ない事を確認してから、弓を手に取り矢をつがえ私の浄化待ちの魔物の遺骸目掛けて引いてみるが、矢は全く飛ばない。


「サーヤ殿は弓術を間近で観覧した経験はあるのか?」

「……そう言えば一度も無いです」

「どうりで構え方がおかしいと思った」


 オーレリアン殿下から、姿勢から弓の構え方、矢のつがえ方に弦の引き方と狙いの定め方を丁寧に指導され、私は一つ一つ教わった通りに正し、魔物の遺骸目掛けて矢を放つ。

 一応短い距離ならばへろ~んと飛んでいくようにはなったが、狙いは全く当たらない。すまない、緑色イノシシ型魔物さん! 今、浄化するよ!


 二十回以上の試射の末、何とか当たるには当たったのだが、鏃は刺さらずにそのまま地面に転がった。イノシシ型魔物にも特に変化は無い。

 グレン君が近寄って遺骸を改め、鏃の先がちょっぴり掠っているのを確認したのでしばらく待ってみたが、やはり白い浄化の光が発現しない。

 遠距離攻撃だったので時間が掛かるだけなのか、はたまた全く効果が無いのかと、矢が当たったイノシシさんの隣の濃い緑色イノシシさんに、今度は地面に落ちていた石も投げつけてみたが、やはりそちらにもどんなに待っても変化はなし。


 続いて、一番リーチが長く取れる長槍を構えてえいやっと突いてみたり、一般的な長剣を振るってみたりと、武器のテストをした。その結果、弓矢以外は全て問題なく浄化の力が発揮される事が分かった。


「ふむふむ。少なくとも、サーヤ殿の手から離れなければ、武器を伝って浄化の力が発揮されると考えられるな」

「まさか、こんなに早く検証が済むとは思ってなかったッス」


 顎に手をやり、検証を経て弾き出された結論を重々しく語るオーレリアン殿下に、グレン君は試用が済んだ武器類を荷馬車に戻してホッと安堵の吐息を吐く。一撃必殺の私が使い物になるのが早ければ早いほど、討伐隊に参加している騎士さん達の被害が減るからね。うん、怖いけど頑張るよ……


「コデルロス、よくぞここまで効率的なカリキュラムを組めたな」

「能力の発現確認方法を考案したのは俺ではない。昨夜、ティエリ殿に相談したら、彼女が考案してくれたのだ」

「ティエリが……なるほど」

「流石は天官様ッスね!」


 コデルロスさんはやけに自慢げに胸を張り、グレン君は感心したように手を叩く。

 ティエリちゃんが、あのスパルタな特訓スケジュールを組んだのか……! もしかして、昨日俯きがちだったのは、早くもスパルタ特訓の内容を考えこんでいたからとかじゃないよね?


「……ハァ……だけどやっぱり、武器を握って魔物に向かって飛び込んでいかないといけないんですね……」


 私はがっくりした気分を隠せず呟いた。メインウェポンに槍術を、不意に距離を詰められた場合に備え、念の為に短剣の扱い方を習う事が決まったが、リーチが長かろうが短かろうが、魔物と対峙する必要性に駆られている現実は変わらない。

 殿下は私の肩に手を置き、私の目を覗き込んでくる。


「……サーヤ殿。同じ戦場であっても、弓を扱っている方が恐怖は減ると思うか?」

「違うんですか?」

「確かに、接近せず距離を取り、魔物を仕留めた手応えも直接は伝わってくるまい。

だがな、我々の主な戦いは軍隊と軍隊のぶつかる戦争ではなく、いわば散発的な遭遇戦だ。そこに弓矢で味方の援護射撃をするという事は、戦況を広範囲から見極めなくてはならない。

敵の動きを先読みし、味方の窮地を救い出し、指揮官の意を即座に汲み、縦横無尽の働きが期待される。

何より、射手とはその存在の鬱陶しさから、最も敵に狙われる存在だ。

ましてや、我々は弓騎馬隊なぞ持ってはいない。知っているか、サーヤ殿? 馬に乗ったまま弓を扱うその異様な難易度の高さを。なので基本的に、サーヤ殿が弓を使うならば馬には乗らず単独で戦場に立つという事に……」

「すみません私の認識が甘かったです」


 懇々と諭してくるオーレリアン殿下の目が次第にどんよりとしてきて、私は慌てて遮って謝った。


「うむ。戦闘などに縁遠い暮らしを送っていたサーヤ殿には酷なことだと、重々承知の上だが。

勇者殿。我らにお力添えを、どうかよろしく頼みたい」

「頑張ります」


 安全なところで待ち、戦闘が終わってから騎士さん達が倒した魔物の遺骸を浄化する、私の見習い勇者生活は一日で終わりを告げ。

 明日からは、襲い来る魔物に直接突っ込んで次々と浄化していく本業勇者の活躍っぷりを期待されつつ、討伐隊は街壁に囲まれた都市に到着したのだった。


 ……ところでオーレリアン殿下。私、『勇者』という称号に納得した訳じゃないんで、出来たら別の……あ、格好良いから殿下の中ではもう決定事項? そうですか、なるべく人前ではそう呼ばないで下さいねお願いします。



 魔物の襲撃を警戒していたにも関わらず、昼休憩以降は全く魔物の姿を見掛けず気配すら感じられず。妨害もなく街道を進み夕方よりも早い時刻に中継点である都市へと到着した討伐隊ご一行。

 王城が建つ王都の城壁も高かったけれど、この都市の街壁も見上げるほどに高い。

 都市を守る街壁は、この高さだけでなく、要所要所に配置された守り石の力によって、魔物を遠ざける効果も発揮しているのだとか。そうだよね、ただ高いだけなら、爬虫類的な魔物に根性出されたら案外よじ登られそうだもん。


「人里には、必ず防壁の設置と、守り石の力を引き出す天官の常駐が義務付けられています」

「ははあ……なるほどー。

王都から一日なんて、丁度良い距離にある温泉宿に人が住めなくなっちゃったのは、そのどれかが置けなくなっちゃったからなんだ?」


 想定していたよりも早い到着となった為、私は都市の中を観光してきても良い、という許可がオーレリアン殿下から出された。そういう殿下本人は、本日の宿泊先である太守のおもてなしに応じなくてはならないので、何時に到着しようが結局は忙しそうだけれど。


 まあ私は単独行動をする事が出来ないし、この都市の見所もよく分からない。なので護衛のグレン君と一緒に、ティエリちゃんのご用に引っ付いて行ってみる事にしたのだ。

 大通りを闊歩するのは、一般的な服装をした市民と思しき人々の中に時折、武装した傭兵っぽい人々が恐れられるでもなく自然体で歩いている。そっか、あれだけ魔物が頻繁に襲ってくるんだから、物流を滞らせない為には護衛が必須だよね。


「オレら討伐隊は魔物を狩るのが主な役割ッスけど、主要都市に守り石を補充して回るのも大事な役目なんス。

王都近郊の地下からは守り石がザクザク採掘出来るんスよー。逆説的に、そんな土地だから都を置いたんスかね?」

「じゃあ、この袋の中身って……」


 ティエリちゃんが背負って行こうとしていた背負い袋を代わりに担いだグレン君の解説に、私が合点がいくと、ティエリちゃんが「ええ」と頷いた。


「新たな守り石です。

その性質上、守り石は街壁上に設置しておかねばなりませんが、雨風に曝され劣化してしまうので、頻繁に取り替えなくてはならないのです」

「つまり今、オレの両肩には超重要人物と最重要アイテムの安全が一身に掛かってるッス! 責任重大ッス!」

「……まあ僕が天官である事は、着用している制服から一目で分かる事ですし、市民が慣れ親しんだ常駐天官ではなくその任務の事も、見る者が見ればすぐに察知出来る事ですけれども」


 クワッと目を見開き、人々が行き交う大通りのド真ん中にて大声で喧伝するグレン君に、嫌でも注目が集まる。ティエリちゃんは頭が痛そうに額に手を当てた。

 天官様ーと、子ども達から手を振られ、道行く大人からはお辞儀され。串焼きの屋台を出していたおじさんや果物売りの娘さんからは売り物をタダで分けて貰い、傭兵さんからは縁起担ぎにと塩撒きを頼まれ。

 皆の生活を守る天官って、凄く尊敬されてるんだね。


 お届け先の、都市専任常駐天官のお爺ちゃんのところへ守り石を運ぶと、とても喜んでもらえた。

 その際、袋から取り出された噂の守り石を手にとって見させて貰う機会を得られた。人々の安全を守り、天官が力を引き出すことによって魔物を遠ざける神秘の石。

 なんとも溢れて止まらないファンタジー要素に、いったいどれだけ美しく希少性を感じさせる宝玉なのだろうと、私はワクワクしていたのだけれど……


「これが守り石ですよ、サーヤ殿。

天官の手にした守り石は、遠方目掛けて力を放てばその効力を弱める代わりに広範囲を守り、より身近に力を開放すれば強力な障壁を打ち立てるのです」

「す、凄いね」


 ティエリちゃんがおもむろに私の手に乗せてくれたのは、どう見てもなんの変哲もない普通の岩塩プレートですありがとうございました。

 私の片手よりも一回り大きいぐらいのサイズで分厚いプレート状のそれは、ずっしりと重いが……バーベキューでお肉を乗せて焼くアレにしか見えないっ。


 ……天官が振り撒くお塩が魔法的効果を発揮するこの世界で、どうやら私はマジックアイテムっぽい位置付けの『守り石』に、ちょっと過剰な期待を寄せてしまっていたらしい。



 塩が降る街。

 塩で逢えたら。

 塩の切れ目が命の切れ目。


 街壁の真下で交わす口付けは、どこかしょっぱい。←フラーシス国における、最後のお別れを意味する暗喩。


 素敵ボディ☆が持っている物へ瞬間的に伝わって、対象へ浄化の力が爆発的に注ぎ込まれる為、離れてしまう弓矢で浄化は使えない。因みにサーヤが対象物を狙って、確実に弓矢を当てられる距離は50cm以内。

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