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眼球と酒
眼球も、酒の味を知ってしまったからには、肴が手放せない始末である。
愛人と巣食う売春奴は、結局地獄に落ちるというのに、
逃避の術は、僕には、要らないはずなのに、伸び切らない俺と、越していく奴等に、眼球はギョロギョロ仕出す。
わかってはいた。
他人より自分が優れた面を持つ事。
それでもそれとなく笑う彼には、かかり切らない餌みたいに、悶える、
私は絶対的でなければ成らない。
負けていることは、焦りにしかならない。
悔しさと、それに追するまでに、必要な金に苛立つ。
その金は、眼球と、酒に消える。