番外編9 温泉回と水着回
『影の宮廷魔術師 ~無能だと思われていた男、実は最強の軍師だった~』
という新連載を始めました。
本作と同様のタイプの作品で、主人公が「知力系無双」をするお話です。
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詐欺師軍師のカイルたち一行、軍人である彼らに休息のときはない!
――ということもなく、クルクス砦に常に詰めているわけではない。
時折、カイルたちは砦を抜け出しては息抜きをする。
今日も砦の近くにある「温泉」に入ろう、ということになった。
白銀のエシルことエリーは、にこりと笑いながら、「温泉回」というやつだな。
と笑う。
王女のフィリスは、
「おんせんかいですか?」
と不思議そうな顔をする。
「温泉回とは主に視聴者にサービスするために緩和に差し込まれる話だ。異世界のニホンという国では『水着回』と並んでポピュラーなものらしい」
「まあ、そんな話が、ニホンとはときおり、転移者としてやってくる人ですよね」
「ああ、我が天秤評議会にもいた。なかなか面白いやつだったが、死んでしまった」
「……それはお気の毒に」
「遺言は日本に帰って録画したアニメを見たい、だったが、結局、その暗号も分からぬまま死んだ。だが、やつが言っていた温泉会くらいは実行しても良いのではないか、と思っている。だから行こう」
「それはかまわないのですが、温泉だとカイル様が厭がりませんか?」
「鋭いな。あの男はものぐさ。わざわざ温泉に行こうという概念がない。だから色仕掛けで攻める」
「い、色仕掛けですか」
軽くおののくフィリス。
「まあ、お姫様よ、そんなに用心することはない。ただ、単にやつの前で水着を披露して、混浴だぞ、とアピールするだけだ」
「なるほど、それならば」
とフィリスは納得すると、そのまま水着の用意を始めた。
クルクス砦の自室でなにやらよからぬ小説を読んでいるカイルの元に、ふたりの美女が訪れる。
彼女たちは水着をまとっていて、どちらが似合っているか決めてくれ、と言い放った。
いきなりそんなことを言われても困るが、「心の赴くまま、正直に言ってくれ」と迫るエリー。
仕方ないので見比べる。
エリーは小柄なボディにしてはなかなかに大胆な衣装を着けている。
いわゆるビキニと呼ばれる水着で、下着とほとんど変わらない。
スタイルも良いし、銀髪も相まって妖精のように美しかった。
一方、フィリスは、どこの修道女? といった感じで、全身を布に包んでいる。
修道女が沐浴をするときに絶対に肌を露出させない格好をしていた。
もはや水着ではない。
これは選ぶまでもないな、と思ったカイルは、色っぽいポーズを決めているエリーではなく、フィリスを選んだ。
「な、なんで私ではないのだ!」
と控えめに抗議するエリー。
カイルはめんどくさそうにぼそりとつぶやく。
「いや、フィリスのほうが胸が多い大きいし」
どこまでも胸が好きな男だ。
エリーは呆れたが、カイルが自分の水着に釘付けになったのを見逃さなかったので、そこまで悪い気はしなかった。
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