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十七話 鈍感

「悪かったな」


「えっ?」


優馬が謝った?

殴るんじゃなくて、謝った?



「だから何バカみたいな顔してたんだっての」


驚きのあまり呆けた顔をしていたあたしの額を優馬は指で押した。



「今までの散々な無礼を謝ってるの?」


「なんだよ。散々な無礼って、俺はお前のために・・・」


優馬はそこまで言って何故か口を閉じた。



あたしが不思議そうに見つめていると、優馬は目を泳がせて、居心地悪そうにしていた。

いつもムカつくくらい堂々としている優馬からは考えられない姿だ。



「見てんじゃねえよ」


可愛いかと思えば優馬は武器のような鋭い目で睨みつけてきた。


「すみません」



思わず恐怖を感じたあたしは反射的に謝っていた。


それを見て優馬は面倒そうに頭を掻いていた。



自分で呼び止めておきながら何がしたいのだろうか。

いつもの優馬ならばさっさと言いたいことを言って自分勝手に何かをするはずなのに・・・。



「あのさ」



声をかけてきたので顔を見れば、優馬はまた目を泳がせた。



一体何がしたいんだ。



「お前は結局・・・」



優馬ははっきりとしない。


「あなた本当に優馬?」


あたしが真剣に問いかければ、優馬は先程までのおどおどした様子はなくなり、眉をしかめた。


「はあ? ふざけんなよ」



いつもの悪態をつく優馬に戻っていた。



「何が言いたいの?」


あたしが少し苛立ったように問いただせば、優馬は溜息を吐いてから少し距離を詰めてきた。



「わかった。今から言うことに十秒以内で全部答えていけ」


優馬は突然無茶なことを言ってから、あたしの肩を掴んだ。



「お前はあいつのことを本当になんとも思ってなかったのか」



「あ、あいつって充君のこと?」


あたしが尋ねれば優馬は「わかるだろう」と言ったように眉を顰めた。

至近距離での不機嫌な顔は威圧的だから止めてほしい。


まるで尋問されているみたいだ。



「恋愛感情わかんないからわからないけど、たぶんなんとも思ってないのかな。勿論仕事仲間としては好きだよ」



優馬は一瞬肩を掴んでいる手をピクリとさせたが、すぐに元の状態に戻った。


「お前は俺が憎いか」


優馬は突然そんなことを尋ねてきた。


今まであたしの気持ちなど知ったことではないと言ったように自分勝手なことを言っていたのに、突然何事だ。



「どうして」


こちらの質問は受け付けないようで、肩を掴む力が強くなった。



「嫌いだけど、憎んではない」



「だよな」


優馬は安心したのか、落胆したのか、手の力を緩めた。



「お前は俺がどうしてあんなことを言ったと思ってるんだ」



優馬はどこかぎこちなく尋ねてきた。

一体どれのことを言っているのか、あたしが不思議そうに首を傾げていると、優馬はイラついたように髪をくしゃくしゃにして叫ぶように言った。



「お前にはじめて俺が話しかけた時だよ! 歓迎会のときに決まってんだろ」



「ご、ごめんなさい」


間近で叫ばれたことに再び謝ってしまった。

さっきからどうしてあたしが優馬に謝らなくてはならないのだ。



「で、なんでかわかってんのか」


優馬が段々イライラしていくのがよくわかる。



早く全てに答えて終わらせたいのはやまやまだけど、わかるわけないじゃん。



「さ、さあ。あたしがからかいやすかったとか?」



掠れそうな声で言えば、優馬は本当に殴りかかってくるのではないかと思うほどに睨みつけてきた。

そして肩が痛い。



「もういい。悪かったな。もう帰れよ」



突然掴んでいた肩を離したかと思うと、勢いよく突き飛ばされた。



あえなく転んだあたしを放って優馬は歩き出してしまった。



一体何がどうなっているのだろうか。

とうとう恋愛方向!と思ったのですが

優馬のキャラが保てそうになかったので短くなってしまいました

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