表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/12

第2話 刻印のベーゼ(1)

 二度目の舞踏会。

 展開は、まるで判で押したように同じだった。


「あら、どこの貧乏貴族かと思えば……」


 公爵令嬢カトリーナの嘲笑。

 取り巻きたちの冷ややかな視線。

 そして、私のオティアに向けられる、ねっとりとした情欲の目。


(ええ、そうね。吠えなさいよ)


 扇子で口元を隠しながら、私は冷めた目で見つめていた。

 一度目は恐怖と屈辱で震えていたこの場面も、展開を知っていれば、ただの通過儀礼に過ぎない。


「……ニーナお嬢様への侮辱、取り消していただきたい」


 オティアが前に出る。

 その背中は、一度目と同じく頼もしく、そして脆い。


「威勢もいいのね。……ねえ、賭けをしましょう?」


 来た。

 悪魔の――いいえ、ただの経験値稼ぎの誘いだ。


「そこの騎士と、わたくしの護衛で決闘をさせるの。……わたくしが勝ったら、その騎士の『所有権』を譲りなさい」


 前回、私はここで激昂し、冷静さを欠いた。

 けれど今回は違う。


 私はオティアの背に手を添え、愛おしげにその銀髪を撫でた。


「……オティア。勝てるわね?」


「っ、はい!必ずや勝利を!」


 オティアは私の期待に頬を紅潮させ、剣を抜く。


 相手はあの剣技に秀でた大男。

 今のオティアでは、万に一つも勝ち目はない。


(でも、勝利なんてどうでもいいの)


 私は知りたい。


 魔女の言葉が真実かどうかを。

 この子の魂に刻まれた()()()()が、どう作用するのかを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ