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魔王城の上から真実を暴露する


初めまして、みなさん。

私は魔王城で、魔王様の侍女を勤めているマリーベルと言います。

魔王がお生まれになった頃から、ずっと侍女として側に仕えております。


無表情がデフォルトな私ですが、無感情なわけではありません。

仕事上、無表情でないとやっていけないからです。


私の仕事は魔王様のお世話、執務の補佐、敵の排除と多岐に渡ります。 


かれこれ70年ほどは、休暇を頂いていません。


理由は、魔王様の側に仕える者が限られているからです。

魔王様は生まれた時から、膨大な魔力と威圧をお持ちでした。

それは成長するたびに、どんどん強くなっているのです。

そして魔王様は、まだ100歳にもなっていない未成年。

これからも強くなり続けるでしょう。

魔力や威圧に耐えうる魔族が、年々減って来ているのです。


それだけではありません。

魔王様は非常に気難しい方で、人の好き嫌いが激しいのです。

1番側で仕えることが出来るのは、もはや私のみです。

もう少し離れれば、仕えることのできる人もいるのですけど。


なので、魔王様が生まれてから70年弱、休暇が取れていないのです。

でも流石に、そろそろ休暇がほしい。

仕事はやりがいがありますが、休暇がないせいで何人の恋人に振られたか。

仕事と僕とどっちが大事か聞かれたのは、一回や二回だけではありません。

と言うより、そのセリフは私が言うヤツでは?と思ったりします。


上司である魔王様に休暇を申請しても、必ず却下で帰って来ます。

理由は私の代わりがいないからだそうで。

代わりを見つけても、クビにしたのは魔王様なのに。

流石にちょっと腹が立ったので、ストレスを発散しようと思います。


思い立った私は、お昼休憩に魔王城の天辺に登りました。

良い運動になりますね。


喉の調子は、良好。

それでは、いきます!


「魔王様!うははは、とか、ダサいです!痛いです!どれだけ私の表情筋を鍛えればいいんですか!?」


『……ゴフッ!』


「魔王!夜伽に呼んでやろうって、まだ未成年ですよ!お子様なのに、どこで教育を受けたのですか?私は教えていません!そう言うのは、大人になってからしてください!私の胸に顔を埋めるようなお子様には、まだ早いです!罰として膝枕なんて、何歳ですか!?」


『な、な、な……』


「魔王がクビにするから、誰も側で仕事ができないんです!特に、男性ばかり排除しないでください!いい加減、休暇が欲しいのです!あと、私の恋人関係に首を突っ込まないでください!」


『マリーベルーー!?』



あら?

さっきからやけに声の通りがいいと思ったら、イタズラ妖精の仕業ね。

もしかして、城中に響いているのかしら?

城の中の声も聞こえるみたいだし。


まあ、困ることもないので、そのままでいいわね。



「私のいないところで、私の情報を探っているのも、私の持ち物に追跡魔法をつけているのも、匂いを嗅いでいるのも、全部バレてますからねー!!」


『……もう、やめて……』


「私は恋人を作りたいんです!将来は結婚して子どもも産みたいので、休暇をくださいーー!!」



はあ、スッキリした。

叫ぶのって気持ちがいいわ。

さて、お昼ご飯を食べて、仕事に戻りましょう。



私が執務補佐の仕事に戻ったとき、執務室に魔王様の姿がありませんでした。

魔王様がいなくても私の仕事は無くならないので、無視して仕事をします。

そのうち、戻ってくるでしょう。


結局、今日一日、魔王様は執務室にお見えになりませんでした。


夜になって侍女の仕事に戻ります。

魔王様の部屋の前で声をかけると、扉の隙間から腕が伸びて来ました。

そのまま、中に引っ張られ……引っ張……


「何で、入って来ない!?」


真っ赤な顔をした魔王様が、叫びます。

だって、そのまま引っ張られたら危ないでしょう?

魔王様が入れと言うなら入りますが。


魔王様は部屋に入った私に抱きついて、馬鹿、馬鹿と言い続けています。

髪から覗く耳は、真っ赤に染まっていました。



そう言うところが、お子様なんですけどね?



私は魔王様の気が済むまで、抱き枕になりました。




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