表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
硬派な彼女  作者: Satch
7/12

第7話:寝言

今回は難産で、短めになってます。

もともと10話前後と考えていたので、

そろそろ完結に向かって書いて行く予定です。

それは午後の授業中のこと、極度の眠気に襲われてあくびをすると、

机に突っ伏してこっち向きに横を向いて寝ている美咲ちゃんが目に入った。


そこで俺はノートの端を破き、それを小さく丸める。


先生が黒板に向いた隙に、美咲ちゃん目掛けて投げると、おでこに命中!


「よし!」と心の中でガッツポーズと取ったとき、美咲ちゃんが少し身動きした。

起きたか?


「ん、うーん、ダメ…」


ダメ?


「ダメだよゆたかくん…みんなが見てるよ」


「んなっ!?」


何いまの? 寝言? ゆたかくんって誰? とクラス中が騒然となる。

その喧騒で俺の驚きの声は掻き消されたが…


「おい、豊ぁ、夢の中で美咲に何してんだ?」


と和利の野郎が、半笑いで俺に言って来た。


「なっ!?」


クラス中の視線が一斉に俺に向いたので、俺は頭を抱えて机に突っ伏した。

和利の野郎…あとで覚えとけ!


そんな中でも先生は淡々と授業を進めていた。生徒に興味なしですか?







授業が終わると何かを察したのか、和利は脱兎の如く教室を逃げ出して行った。


「くっ! 和利はあとでもいいか…」


とりあえずまだ居眠りしている眠り姫に、お仕置きしないとな!


美咲ちゃんの傍に行き肩を少し押してみる。


「ふふっ…もうゆたかくん、甘えん坊さんなんだからぁ」


「っ!?」


どんだけ熟睡しとんねん! ってかいったいどんな夢を?

しょうがないのでほっぺたをつまむ。


「ふみゅ」


と可愛らしいけど、意味不明な声を発する美咲ちゃん。

回りの好奇な視線も忘れて、なんか面白くなってきた。


もう1度ほっぺたをつまむ。


「うにゅ」


つまんだまま引っぱってみる。


「ふみゅーん」


くそ! かわいい! でも…


「いい加減起きろ!」


美咲ちゃんの綺麗なおでこにデコピンをお見舞いしてやった!


「あっつ!」


美咲ちゃんは、おでこをさすりながら、ムクっと身体を起こす。


「美咲ちゃんおはよう」


「あ、ゆたかくんおはよう、あのね、熱々のおでんをね、おでこにあてられた夢見たの!」


どんな状況だよ、って夢見てたのは自覚してんだ。


「そんなことよりココがどこか分ってる?」


「え? がっこう…学校!」


「うん、堂々と寝てたね…」


「ね、寝てないもん!」


反論する美咲ちゃんは顔が真っ赤です。


「いや…バレバレだし」


「うー」


「ところで夢の中で俺と何してた?」


「っ!? べ、別に、な、なにもしてないよ」


と明らかに動揺して目線を逸らす。


「ふーん、俺が出てきたのは否定しないんだ?」


「っ!? で、出てきてないもん! ぷぃ!」


これ以上追求すると怒り出しそうだから、この辺にしておくか。







美咲ちゃんと手を繋いで帰る帰り道。


「ねぇ、どんな夢見てたか教えてよ」


「だめ」


「なぜに?」


「だめだからだめ」


理由になってないし…。


「じゃあ美咲ちゃん家行って、夢と同じことする?」


「っ!? ゆたかくんのえっち!」


えっと…え?


「あれ?」


「え?」


「美咲ちゃんもしかしてえっちな夢を?」


「…っ!?」


茹蛸のように真っ赤になる美咲ちゃん。


「そっか、そうなんだ」


「ち、ちがうもん!」


「ふーん、そうなんだ、美咲ちゃんがねー」


「ゆたかくんのバカァ!」


「いだぁ!」


久々にグーでパンチもらいました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ