ふと、想う。
ふと、
思ったんだ。
ふと、
気付いたんだ。
今まで、
色んな言葉を
詩で紡いできたけど
全て
嘘っぱちなんじゃないかと―――
ふと、気付く。
私はよく
“空”を連呼しているけれど、
本当の“空”を知らない。
いつも見上げる“空”は、
学校の校庭から見上げる“空”の一部で
本当の“空”の広さなんて
知らない。
いつも吸い込む“空”の味は、
色んなもので汚された“空”の屑で
本当の“空”の美味しさなんて
知らない。
それでも、
それでも私は“空”を語る。
その“空”に
夢と希望、私の中の“空”の理想、
ありったけの希望を込めて
今日も私は“空”を詩う。
ふと、気付く。
私はよく
“恋”だの“愛”だの言うけれど、
本当の“恋”を知らない。
いつも夢見る“恋”は、
少女漫画のキラキラに埋もれてる“恋”の一つで
本当の“恋”の駆け引きは
知らない。
いつも憧れる“愛”は、
客観的な幸福で満たされてる“愛”の上澄みで
本当の“愛”の情熱は
知らない。
それでも、
それでも私は“愛”を語る。
その“愛”に
その“恋”に
夢や希望、私の中の“恋愛”の理想、
ありったけの期待を込めて
今日も私は“恋”だの“愛”だのと詩う。
バカの一つ覚えなのかも知れない。
非現実に入り浸る
臆病者の独りよがりなのかも知れない。
それでも、
それでも私は詩うんだ。
たとえ、他人に笑われようとも
たとえ、現実が理想と違っていようとも
想うことは許される。
想像に
創造をかさねて、
今日も私は
詩うのです。
まだ見ぬ期待に夢を見て―――
ふと、想った。