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さよならわたし おかえりぼく

作者: BANANA

これからぼくのたったの18年間を紹介します。


ぼくは四人家族の末っ子として生まれました。

家族構成は母、父、兄、ぼく。兄とは5歳差で、小さい頃ではよく一緒にゲームを遊んだりしましたが、 兄が中学校に上がるとだんだんと一緒で遊ぶことがなくなって行きました。

兄はぼくと遊ぶより友だちと遊んだほうが楽しいと 思ったんでしょう。もしくはぼくがめんどくさかったのか、思えばぼくはいつも我儘言ってましたね。


あれがほしい、これがほしい、これはいらない、

あれはいらない。まだ足りない、もうヤダ。     


この言葉たちしか喋った記憶がありませんね。

両親に謝って感謝したくなりました。しませんけど


小学校に上がってからはわがまま小僧からクソガキにランクアップしましたね。何が悪いか何をしたら怒られるかわからず、人様に迷惑かけてばっかでした。

その時の注意をしっかり聞いておけば、もう少し楽だったかもしれないですね。もう過ぎたことなのでこれ以上気にしませんが。


少しと時がが進んで小学校の卒業式、仲良かった友達と別れてしまって悲しかったですね。その時取った写真はどこに行ったか忘れましたけど顔と名前はぎりぎり覚えていますね。元気にしてるかな? 

ぼくを覚えてるかな?

連絡を取ってみたいですね。

連絡先交換してませんけど。


中学校に上がってからは陰キャになっちゃいましたね。どうやって話しかけるかをわかんなくなってしまったんですね。クソガキだったときどうやってぼくは仲良くなっていたんでしょうか不思議ですね。

小学校から一緒に上がった友達もだんだんと疎遠になっていって一年生の頃は孤独をずっと感じていましたね。学校行きたくなかったですが、親に迷惑かけたくないという思いで通い続けていました。

地獄でしたね、あのときは。休み時間は机にずっと座って本を読むかトイレ行くかでしたね。部活はテニス部でしたが陽キャくんが大量にいて疎外感半端なかったですね。


二年生になってからはこのままでは行けないと決心して別のぼくを作ってみたんです。

ぼくは勇気があって、フレンドリーで、どんなことも簡単にできるすごいヤツという設定の”わたし”を。

これがうまくいきました。友だちができました。ぼくは満足しました。わたしになればうまくいくと思い込んで、ぼくは”わたし”という皮に入り込みました。


やめとけばよかったですね。

このときにぼくをゆっくり育てることにしておけばよかったと思います。


三年生になってわたしは高校受験のための勉強をしました。塾に入って、自主勉強して、少しサボって、

とても大変でしたね。一生分の勉強をした気分でした。そのおかげもあってか第一志望はダメでしたが

第二志望に受かる事ができました。第一志望が落ちたのは悔しかったですね。


高校になってもわたしはわたしのままでした。

部活は山登り部で入った理由は、とあるアニメを見てアウトドアに憧れたからという軽い理由でした。

一年生が特に何もなくおわって二年生になりました。


二年生になってもわたしはわたしのままでした。

わたしはもともとわたしであったような気までしてきました。それ故に気づかなかったんでしょう。わたしという皮がだんだんと劣化していっていることに。

もともとの設定を忘れていって性格が少し前と一致しないことがよくあるようになってしまっていって、

でもわたしは気づかなくて、そんなことをしているとき

わたしの友達から


「お前ってキャラ作ってるだろww」


友達からしたら軽い言葉だと思って言ったと思いますがぼくは違いました。わたしを否定されたと思って、

ぼくを見透かされたような気がして、怖くなりました


それ以来、ぼくはわたしになれません。なりたいと思っても、またわたしを否定され、ぼくが見透かされてしまうと思うと、怖くなってしまうのです。


ぼくはもう手遅れなのでしょう。わたしの友達に話しかけられても、うまく話題をつなげることができません。

わたしだったら簡単にできたことをぼくは全くできません。新しいぼくを作ろうと思いましたが、

あの言葉を言われたときのことを想像してしまい、

手が止まってしまいます。

それならと、今からぼくを育てようとしても、勇気が出ません。やる気が出ません。育てるイメージが湧きません。

ぼくはもう諦めました。わたしになることも、ぼくを育てることも。


三年生になりました。

受験を控えています。

でも、

ぼくはだめみたいです。










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