悪の華
「君!アイドルとか興味ない?!」
「は?」
その男はそう言うと名刺を取り出した。
「僕こういうものなんだけど、もし良かったらちょっと来てくれないかな?」
「?話がよく分からないのですけど?」
このみすぼらしい男が何を言っているのかネージュはわからない。
「今度オーディションがあるんだけど君!受けてみてくれないかな?」
「お断りいたしますわ!貴方が何を言っているのか私には理解できません!」
「あー、だから、”アイドル”にスカウトしてるんだよ!」
「”アイドル”?ですからそれは何ですの?」
「え?君、アイドルを知らないの?」
「知りませんわ。」
「またまたー!”アイドル”は歌って踊れる!スーパースターだよ!」
「歌って踊る?」
ネージュの頭に踊り子と吟遊詩人が思い浮かんだ。
「私に芸を披露しろと?!」
「そうだよ!」
「お断りです!」
ネージュはそう言うと路地裏の奥へと入って行ってしまった。すると急に腕を掴まれる。
「きゃっ?!」
「ねぇちゃんちょっと俺らと遊ばねえ?」
そう言う男たちに囲まれた。
「無礼な!!」
「あ?んだと?」
ネージュの叫びも虚しくか弱いネージュは男達に無理やり連れて行かれそうになる。
「いやぁ!!」
そう叫んだ時、さっきの男が現れた。
「お前らやめろ!嫌がってるだろ!!」
「あ?んだよ!お前!?」
男達がさっきの男をリンチしようと囲んだ瞬間男達の1人は吹っ飛んだ。ネージュが気がつくと男達はコテンパンにやられていた。
「今のうちに行こう!!」
さっきの男に手を引かれる。路地裏から出た。ネージュは関心する。
「貴方お強いのね。」
「ちょっとばかし柔道やってただけだよ!それより怪我は?」
「ありません。」
ネージュは男に告げる。
「ありがとう!アイドル、やってみて差し上げてもよくってよ!」
「!?本当に?!」
「ええ!」