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神と魔王の弟子は魔法使い 〜神喰いの継承者〜  作者: ルド
第5章 弟子の魔法使いは世界を彼らと共に守り抜く(掟破りの主人公大集結編!!)。
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第87話 封印の意味と魔王VS地獄の鬼(弟子のストレス……爆発)。

 ここで一度、師匠が俺に掛けている封印指定の能力について明かそうか。


『封印指定』


 異世界転移する前の俺には一つもなかったが、ダンジョン内で修業を重ねて行くにつれて……いや、命の危機を乗り越えていく度に新たなスキルを覚えていった。

 戻る際に危険過ぎると判断されて肉体と共に師匠から封印指定にされた。正確には俺の中にいるヤツを抑える意味もあるが。


『第一の封印』融合(フュージョン)

 師匠の戦い方が影響したのかもしれない。強敵の魔物に俺の魔法や物理攻撃が全く効かなかった時だ。必死に頭を捻り続けて(血も出たけど)、ガムシャラであるが発動した。……最初は反動の事を考えずに無茶して死にかけたが。戻ってからもフルに使うと反動が大きく、一日は休ませないといけない。

 スキルのレベルも何度か上がって今では『第四権能』まで解放出来るようになった。こちらでも大分感覚を取り戻せて少しの間なら使える。終わると一気に疲れるが。


『第二の封印』継承された神ノ刃(イクス・セイバー)

 魔道具というより宝具、神具に分類される聖剣・魔法剣である。元は師匠の聖剣の欠片で加工された刃。『聖属性』『時空属性』『天地属性』のSランク魔石。それに師匠の『神属性』の魔力が注ぎ込まれている。……実は魔王の『死属性』の魔力も少し入っているらしいが、覚醒しないこと祈ろう。危険過ぎるので普段は専用の空間に仕舞ってある。

 形状も変化可能である。魔石も組み合わせる事で特化した状態で戦える。こちらも限界まで使うと一日は再使用が出来ない。


『第三の封印』神理と虚無の世界(ヴィジョン)

 千里眼のスキルだ。戦闘向けではないが、瞑想や未来視が使える。向いてないのか思うように使えず、寝ている時に夢として見る事が多い。しかも覚えてない事が多く無意識にヤバいルートを避けている……らしい。

 他の封印スキルよりも地味に見えるが、師匠曰く覚醒させると『強制的に勝利の未来へ導く』事も可能になるらしい。相手が強敵だと厳しいが、今のところ本気でヤバい時のお助けスキル扱いとなっている。


『第四の封印』召喚(サモン)

 召喚スキル系の一種。俺の場合、膨大な魔力の代わりに召喚制限や召喚側の魔力などで補っている。その為に強力な召喚対象でも出して入られる時間には限りがある。一度呼び出してしまうとしばらく呼び出せない。感覚的な問題であるが、異世界から呼び出している事もあり『メタル君』以外は半日以上は絶対無理だ。まぁ問題児が多いから滅多な事がない限り呼ばないけど(被害拡大の予感)。


 今のところ明かされているのは、この四つ。

 封印指定になっているのは全部で七つ(・・)


 六つの封印によって七つ目の封印指定である【****】を抑えている。


 つまり封印を何度も解除したり一度に複数の封印を解除するという事は、コイツの七つ目の封印を緩める事に繋がっている。



 今日既に二つの封印を解いてしまった。

 保険であるブレスレットの魔力もほぼゼロの状態。


 そして、これから『第五の封印』と『第六の封印』を解こうとしている。


 いや、『第五の封印』は既に発動している。

 死にかけた時、魔力や気力がほぼ尽きている状態でしか使えない。以前は使う暇もなかったようだが……。


 五つ目のスキル『起死回生ラスト・オブ・リーバス』は中のヤツしか使えない。

 外側の事情は俺任せなので事前に言っておく必要がある。正直会話になっているか怪しいが、毎回承諾の反応は一応ある。偶に向こう側から使うか問い掛けるような反応もあるが、それは極めて珍しい。


 起死回生の名の通り復活のスキル。強制的に魔力や気力がフルチャージされる。重傷だった傷も治って約10分間だけ戦える。さらに進化、覚醒の効果もあり色んなリミッターも解放される。


 当然だが、代償もデカい。死にかけた状態からの復活なので時間が経過したらそれよりも酷い状態になるらしい。覚えてないから『らしい』としか言えない。

 最後に使ったのはダンジョンの最後の試練。最下層の魔王との対決であったが、最後ら辺をまったく覚えてないので本当に使ったのかも実は曖昧。マドカからは出来れば一生使わないでほしいと言われたけど、約束は無理だった。


 ガブリと中で俺の一部が喰われる。命の一部だ。



【『起死回生ラスト・オブ・リバース強制発動(・・・・)───タイムリミットハ……十分ダ】



 それだけはお釣りが来る。どのみち長引かせるつもりなんて皆無だ。


「オエッ」

『な、なんだと……!』


 喉近くで溜まっていた血の塊を吐いた。よく考えたら重傷なところでトドメになりそうな一発を貰ったんだ。


「あー、喉が変だ。体全体もか……まだグチャグチャじゃねか」

『バカな! なぜ動ける!? そんな体で!』


 と思っていたら体の異変に気付いた。目では分かりにくいが、骨も内臓もぐちゃぐちゃであった肉体が加速的に治癒されている。まだ完全ではないが、もう一分もいらない。手足も動けるのでゆっくりと立ち上がって狼狽している魔王を見つめた。


「地獄から戻って来たぞ」

『治っているのか!? ありえんだろ!』

「リスクはデカいぞ?」


 中も方も大分良くなった。

 治癒の影響で全身から煙が出ているが、この煙はそれだけが理由じゃない。


「急激な超回復はこの肉体だと(・・・・・・)耐え切れない」


刻限の臨界点(オーバー・タイム)


 自動的に『第六の封印』も解放される。正確は戻っていた時間が正しい時間になるだけ。やや背格好も変化してしまうが、見た目よりはマシだろう。……顔はそこまでじゃないが、髪の色が……


『肉体が成長したのか? なぜ髪が真っ白に……』

「何度の死戦を潜って来たからな。染まる要素が無くなった」


 本来の姿になったところで魔力と気力がフルチャージになる。

 限界だった封印スキルも強制的に使えて、ついでにブレスレットの魔力も影響を受けて回復している。……これならいける。


「懐かしい姿ですね」

「無事だったかマドカ」

「遅くなってすみません。時間を掛けましたが……」


 既にマドカの『血統覚醒』が発動している。

 死系統魔法『死滅を呼ぶ魔王の娘(タナトス)』が発動されて、姿は少女から大人へと変化していた。

 全身も真っ黒。黒い羽のような露出度が高い姿で豊満となった部位が辛うじて隠れている。天辺には小さな王冠が乗って背中には堕天使のような黒い翼が生えていた。


「『魔力・融合化』──『身体強化(ブースト)』“鬼閻王(キエンオウ)”」


 本来の姿に戻った事で使えなかった『身体強化』の最凶のスタイルが使用出来る。

 “羅刹”、“風魔”、“仙沈”、“水月”、“雷電”と言ったスタイル集の到達地点。これが俺が使える『王』のチカラ。気も混ぜ合った無属性のオーラが鬼のように形になる。


「先までの間に俺を倒せなかった事を──後悔しろッ!」

『っ』


 飛び出した。もう迷うことなんてない。

 拳を振るわせてチカラを溜める。野生の勘が警告を発したか、慌てた魔王は後退しようするが……逃すかよ。


鬼殺し(オニゴロシ)』。前はその度に発動する必要があったが、このモードの時は常時発動が可能。


 魔王の腹にストレートの特大をお見舞いしてやった。


『ガァァァァアアアアアアアアッ!?』 


 流し込まれたスキルの効果。相手の魔力と混ざり合って内部から破壊するが、強靭な肉体と魔力がそれを阻む。多少の激痛こそ起きたようだが、腹を抑えながら魔王が睨み付けてきた。


『さっきよりも威力が上がっている……』

「当たり前だ!」

『うっ!』


 今度は横蹴り。腕でガードされるが、『鬼殺し(オニゴロシ)』は発動中だ。

 蹴りから流し込まれる魔力はお前らの魔力で厄介極まりない猛毒になる。


「受けるだけで十分なんだよ! 俺の攻撃は全て内部からお前を破壊する!」

『小賢しい真似を!』


 県政のブレスを吐こうとするが、その前に俺が両手から『火炎弾(ファイア)』を発動。

 二つを一つにした巨大な火の玉でブレスを吐こうとした口へ打つけた。ブレスを強制的に解除させてやった。


『ウブッ!?』

「閉じてろ! ラァアアアアアア!」


 呻いている間に尻尾を掴んで巨体を持ち上げる。かなり重いが、強化されている状態なら気合いでどうにかなる。


『何を──ゴオォォォォ!?』

「トラァアアアアアア!」


 グルグルと回転しながら地面や壁へ何度も叩き付ける。

 さらに『鬼殺し(オニゴロシ)』も流して尻尾の部分を少しずつ破壊していく。打つけられても異変に気付いた魔王が振り解こうとするが……離すかよ。


「オラオラオラオラオラオラオラオラァァアアアアアアアアアッ!」

『──っっ!?!?』


 叩き付けるスピードをさらに早く。何度の何度も何度も殴打しまくって、最後は渾身の力で尻尾を引っ張る。右手で手刀を作って『鬼殺し(オニゴロシ)』のチカラで出来た刃を纏わせて──そのぶっとい尻尾を叩き切った。


「もう一発だァアアアアアーーッ!」

『ギャアアアアアア〜〜!?』


 手刀で切られた部分を突き刺す。絶対食らいたくないが、効果的面で絶叫を上げた。ざまみろ。


「『獅子・咆哮(シシ・ホウコウ)』ッ!」


 追撃の咆哮。鬼畜魔王の『咆哮(ロア)』を真似たものだ。

 死属性の咆哮のような効果はないが、スキルも混ざった『破壊の咆哮』。


「『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』『咆哮』ォォォォォオオオオオオオッッ!」


 食らう度に龍の頑丈な表面に傷が増えていく。本来なら鼓膜が最初に潰れるが、龍の鼓膜とかどうなってたか。


『煩いわアアアアアアアアアアアアッ!!』

「『咆哮』ォォォォオオオオオオオオッ!!」


 ブレスと咆哮が激突。余波が激しくフロア全体が壊れてグラついたが。


『ガハハハハハハハハハハッーー!』

「ハハハハハハハハッーー!」


 そんなことお構いなしのバカ二人が此処にいた。

 決着の時は確実に近づいていた。


 長引きましたが、やっと終われます。後半完全に勢いでした!

 次回からお決まりの決着コースへ突入です!

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