↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神と魔王の弟子は魔法使い 〜神喰いの継承者〜  作者: ルド
第5章 弟子の魔法使いは世界を彼らと共に守り抜く(掟破りの主人公大集結編!!)。
79/103

第71話 囮とは布石である(弟子は囮に掴まされた)。

『ゴバァァァアアアアア!』

『舐めるな畜生がァァァアアアア!』


 ゴリラ改め筋肉ゴブリン対クマさんの対決。

 構えたクーさんの拳とスモアの大槌が激突。激しい衝撃波を発生させて周囲に地響きも起こした。


『ふんふん!』

『ゴバァ! ゴバァ!』


 クーさんのクマ式ボクシングVSスモアの大槌と大斧が『ガキンガキンッ』と火花を散らして何度も打ち合っている。……かなり硬くて刃物な斧だけど、クーさんの皮膚はどうなってるんだろ(毛皮は柔らかいのに)。


「『拳撃形態(ナックルモード)』──装着」


 銀銃の形態を変化させて右手首に籠手のようにして装着する。


「“風魔(フウマ)”、行くぞ」

『平伏しなさい!』


 奇妙な捻れた空間が二つ。老人の左右の手のひらに生成される。

 俺は速さ活かした“風魔”のスタイル。『拳撃形態』の状態も確かめた後、一気に駆け出した。


「『光態映像(フラッシュ・ビジョン)』」

『ッ! 分身魔法ですか!』


 光の魔法『閃光灯(フラッシュ)』を天地属性と合わせたスキル。

 俺の姿をした光の分身が無数に生成される。俺と同じ動きで四方から老人を撹乱させて追い詰める。


『甘いですよ! スモアがいない今! 私が加減をする理由などないんです!』


 そう言うと老人が両手を広げると渦空間も広がる。接近する俺の分身が次々と渦に飲まれて消し去られるが……。


『その程度では私の“原形崩壊(ゲシュタルト・ダウン)”は破れませんよ!』

「その渦の構造は先見た時にある程度は解析した」

『……なに?』


 何の為に“仙沈”で急所を探ったと思っている。周囲を渦で守らせている所為で探知が疎かになっている。その隙に本体の俺は回り込むと、そっと渦の表面に触れながら『天地属性』を流し込む。あとはいつもように操作するだけで良い。


「“反転して打ち消せ”──『属性優劣(エレメント・チェンジ)』」


 本来は属性反転の天地魔法であるが、今回の対象は空間系の魔法(多分)。

 空間の反対は時間。両方の力が反発し合って、その部分にあった渦が『無』となって消滅した。


『な! 私のスキルを無効に!?』

「『拳撃の銃弾(ナックル・バレット)』!」


 驚いたように振り返った老人の背中へ銃を装着した拳を打ち込む。同時に銃が拳の勢いと共に発射して老体の体を吹き飛ばした。手応えから胸に風穴が空いたようだが、相手は魔王や魔神の戦力。下手に遠慮して情けを掛けたらこちらが危ない。


『ガハッー!』

「これで決める!」


 装着していた『拳撃形態』を解除する。手持ちにして形態を先端に刃が装着された『剣撃形態(ブレイドモード)』にする。

 口から血を吐きながら振り返る老人の目が大きく見開く。即死しなかったところを見るとやはりこっちも普通じゃないか。


「ミヤモト流──」

『ッ!?』


 胸元に風穴が空いても動く老人に向かって“風魔”の脚力で駆け出す。ついでに風を刃に纏わせてミヤモト流の剣技を底上げした。

 老人のスキルが発動するよりも速く、剣が届く間合いまで一気に接近して。

 

「『三式・断斬(ダンザン)』!」

「ガァァァァアアアアアアア!?」


 銃剣による風の太刀が老人の胴体を斜めに両断……いや、するつもりはなかったが、何故かあっさり斬れてしまった。


「は?」


 断末魔を上げて倒れると真っ黒な煙となって消滅した。

 予想外の展開に俺は目をパチパチと見開く。


「なんだ? 今のは」

『ウォォォオオオオオオ!!』


 こちらが唖然としているとクーさんの方でも決着が付こうとしていた。

 頭部を殴り飛ばした拍子でスモアと名乗る褐色ゴブリンがフラつく。脳震盪を起こしたようで向かって来るクーさんに対して構えようとするが。


「『大熊王の噴炎拳(ウルス・バーニング)』ッ!!」


 そこに灼熱に燃え上がるクーさんの拳が叩き込まれた。

 先の建物の壁に吹き飛ばされて巨体は瓦礫に埋もれる。……俺はすぐに風の爆風を起こして瓦礫を吹き飛ばしたが。


「消えてる」

『燃えたか?』


 確かに火力は強火であったが……冗談は置いておく。

 あの巨体は何処にも無く真っ黒な煙が微かに残っていたが、散りとなって消えていった。





『敗れたか』

『ッ! 申し訳ありません!』

『ゴ、ゴバァ!』


 塔の内部に置かれている暗黒の魔法陣より先ほど刃達が倒した二名が復活。

 待っていた魔王黄金の異人(ファフニール)に復活した二名は慌てて膝を付く。


『構わん。その間に──欲しい物は手に入れた』


 その傍らには金色が混じった赤い棺が一つ。配下の二人が敗れた事は予想外であったが、上手く陽動になった。


『そういう事よ。ツファーム、スモア』

『エラか……そうでしたか、貴女が動いてたんですね』

『ゴバァ』


 現れたダークエルフに二人は頷く。彼らの計画は着々と進行している。


『いよいよだ。神共に……制裁の時は近い』


 脳裏に自身を利用する魔神の女が過ぎる。ファフニールは棺に触れると改めて己に言い聞かせる。


『ああ、失敗は許されない。神の領域を踏み荒らすぞ』


 禁断の儀式が始まろうとしていた。





「また出遅れた……て事か」


 戦闘中の所為で気付かなかったが、他の場所でも異変は起きていた。

 場所は博物館。普通の博物館ではなく魔法関係の博物館。昔の資料や遺物、魔物の模型などが置かれていたが……。


 建物は完全崩壊。間違いなく奴らが何か盗った事だけは理解した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。