第30.5話 賄賂は程々に(程々でもダメです!)とメタル君の活動日誌。
オマケ回です。
*賄賂は程々に(程々でもダメです!)*
騒動終了後、春野の処分について。
決してコントではありません。
祖父「な、何じゃこれは……!(夢か? 夢なのか!?)」
刃「んー……アイドルグッツ?(まさかこんなに用意されるとは)」
祖父「それは見たらわかるわ! な、なんでワシが愛する『星々』の限定の写真集やDVDがこんなに沢山……!(宝じゃ! 宝が見えるのじゃ!)」
刃「あー……ジィちゃんにお願いがあります」
祖父「オッケー!」
マドカ「即答ですか……」
刃「ごめん。やっぱり説明するから……」
説明中……。
祖父「なるほどのぉー。アヤちゃんがそんな事に……」
刃「どうも緋奈が関わってるみたいなんだ。魔眼の使用は確かに重いが、今回だけは退学だけは勘弁してやってほしい」
祖父「オッケー……と言いたいが、正直厳しいのぉ」
刃「マドカは入れられたのにか?(え、無理なの?)」
マドカ「刃、いくら何でも私の件と比較しては……(呆れ目)」
祖父「確かに似たようなもんじゃが(キッパリ)」
マドカ「……ツッコミキャラじゃないんですが(私がおかしいのでしょうか?)」
刃「ならば奥の手を……(孫的にちょっと渡したくなかったが、仕方ない)」
祖父「ほぉ? また何かあるのか?(そんじょそこらのモンじゃ動かんぞ?)」
そっとカバンから取り出した。
刃「ジィちゃんの名前入り(テツちゃん)、『星々の使い魔』全員のサイン入りプレミアム色紙セットの───「もしもし、渋谷か(学園長)? ワシじゃ! 鉄じゃよ!(電話中)」……」
刃「な? 上手くいっただろう?」
マドカ「……職権濫用、権力濫用、孫とアイドルが関わると激甘じゃないですか」
刃「だよな」
マドカ「でも何で、渡すのを渋ったんですか?」
刃「テツちゃんサインで喜ぶジィちゃん、見たいと思うか?」
祖父「むっほ〜〜ん! 感激じゃあ〜〜!」
刃「…………やっぱ渡すんじゃなかった」
マドカ「……(察した)」
刃の肩をぽんぽんと叩く。
彼女の手は妙に優しくて、彼は無性に悲しく、最後に癒しを感じた。
*メタル君の活動日誌*
刃「今日からよろしくな、メタル君」
メタル君『プルっ!』*アイアイサーって言ってます。
これは作戦執行までのメタル君活動日誌である。
彼のチカラの一部と魔力を得たことで、メタル君はもう普通のスライムどころか魔物らしさも飛んでいた。
◯◯月◯◯日
ボスによって生まれ変わった我が名はメタル!
本日はボスと一緒に部屋の掃除と模様替えとやらのお手伝いだ。
ボス、掃除なら任せてください! 我が腹が全ての塵屑を飲み込んで見せましょう!
◯◯月◯◯日
掃除と模様替えも済んで、本日からは戦闘訓練だ!
と思いきや、何故か形態変化の修業を優先させられた。
しかし、ボスの命令だ。我が命に賭けても必ずや成し遂げましょう!
◯◯月◯◯日
流体化や巨大化は簡単だったが、人型は時間が掛かった。
どうにか出来たが、ボスには多大な迷惑を掛けてしまった!
ボスは気にせず寛容であったが、次こそは期待に応えて見せるぞ!
◯◯月◯◯日
遂に戦闘訓練の開始だ!
いきなり人型での訓練は厳しかったが、我がボスにも考えがあるだろう。
まだまだぎこちないが、絶対にマスターして見せる!
◯◯月◯◯日
とうとう人型で剣術を扱えるようになった!
模擬戦ではまだまだボスには勝てないが、これまたボスの役に立てる!
何故か最近ボスの姿にされることが増えているが、何をしたいのだろうか?
◯◯月◯◯日
ビックリしたぞ。
我がボスになった! い、いや、なったというか身体ごと乗っ取られたような……とにかく凄いことが起きたぞ!
ボスはあまり使いたくないと言っていたが、これでますますボスの役に立ってるということだ!
◯◯月◯◯日
ボスの姿で小者どもに会ったが、正直意味が分からん!
雑魚どもなら倒せばいいのに、ボスは何故か協力関係を築いた。
また肉体を借りると言っていたが、遠周りな方法をするボスに疑問を抱かずにはいられなかった。
◯◯月◯◯日
申し訳ありませんでしたー!!
ボスに対して疑問と不満を抱いていたが、今日の事ですべてが吹っ飛んでしまった!!
ボスは真の強者であった! 我の想像を遥かに超える!
ボスの行動には疑問ばかりあったが、あれこそ強者の余裕と余興!
我如きが疑問や不信感を持つなど無礼でしかなかった! それこそが強者の特権!
ボスの第一の僕として、もっとしっかりしなくてはなッ!
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◯◯月◯◯日
ボ、ボス……そのドラゴンは何ですか!? 貴様! 何処から出て来た!
え、我の先輩? そ、そんな! 我が第一の僕ではなかったのですか!?
ようやく長い第3章が終わりましたが、第4章も止まりません!
第4章『大迷宮ダンジョン編』のスタートですが、今回はちょっとだけ予告となります。
───魔法学園で夏と冬に行われる魔法の特別試験。
それは成績だけでなく、ランキングも左右する魔法科の生徒にとって、年に2回しかない一発逆転のチャンスである。
普通科のDランク龍崎刃には関係のない試験……その筈だった。
「では無双してランキング1位なっては如何ですか?」
「うんうん、普通科の生徒がランキング1位かぁー…………学園全体が震撼しそうだから却下で」
試験場所は日本の四大ダンジョンの一つ。
一年同士の抗争となると思われたが、予期せぬ特別ルールの所為で二年、三年のトップランカーまで介入。
「やはり全員倒せというお告げではありませんか?」
「そうか全員倒せかぁー…………学園のバランスが崩壊しそうだから却下で」
色んな人間たちの目的や陰謀が交錯する。
そして彼女が遂に俺の前に現れる。
───師の宿敵である魔神と最も接近する話。
「でも魔神だけはちゃんと倒しましょうね?」
「魔神かぁー…………当たり前だ。今度こそ俺の世界から追い出してやる」
第4章『弟子の魔法使いはランキングよりも魔神と一騎討ち(でも試験も荒らす)』
お楽しみに!