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1章 心機一転

https://ncode.syosetu.com/n1029fl/の続編です。前作を読まなくても理解できる・楽しめるように心がけております。新規の方もご安心して、本作をお読み下さい。

 冬彦三は人気作家となり、新たな生活を送っていた。しかし、冬彦三が書いた「なろう作家がエリート東大生に転生してみた」という作品が実話だとは誰も思っていなかった。冬彦三はなろう漫画の原作者となり、次々とコミカライズを制作していた。

 冬彦三は人気作家となった事で、心境が変化し、社交的になった。それにより、友達や彼女もできたのだった。


「冬彦三くんと海外旅行に行ってみたいわね」


 冬彦三の恋人の井森いもり踊里おどりがそう冬彦三に囁いた。井森は足元まである三つ編みの赤髪の美女である。へそ出しの真っ赤なノースリーブに真っ赤なブルマと真っ赤なニーソを履いた露出度の高い衣装をいつも好んで着ている。


「そうだな。井森ちゃんはどこへ行きたいんだ?」

「そうねぇ。松子ちゃんとドロちゃんは何かオススメの国はないかしら?」


 井森は冬彦三の親友の尾楚おそ松子まつこ怒路棒田どろぼうだ土路男どろおに話を振った。


「そうねえ。わたくしは、中国旅行に行った事があるけれどいい国だったわよぉ~」


 松子は身長より長い赤髪の美女である。真っ赤なロングドレスをいつも身にまとい、スカートの引きずる程に長い裾で引きずるほど長い髪を汚さないようにしている。

 松子は中国が大好きで中国旅行に何度も行っているのだ。


「オラのお勧めは北朝鮮だな。偉大な元帥様のおかげで礼儀正しい国民性の国だ」


 土路男は、美形だが、若ハゲで波平のようなヘアスタイルをしており、頭のてっぺんに毛が3本だけ生えている。常に唐草模様の大きな風呂を背負い、いつも緑の手ぬぐいを頭に被り鼻掛けしている。そんな土路男は、皆から「ドロちゃん」の愛称で呼ばれている。

 土路男は朝鮮が大好きで何度も朝鮮旅行に行っているのである。


「ハットグの韓国やタピオカの台湾も行ってみたいな。近場だし」


 冬彦三も負けじと好きな海外の地名を勧めた。井森はどこが良いか悩んでいる。


「アメリカにも行ってみたいわねえ。アメリカは漫画も面白いし」


 井森は漫画が大好きなのだ。冬彦三と付き合うきっかけになったのも、冬彦三の作品のコミカライズを読んだからである。


「オラも漫画は好きだが、アメコミには疎いな」


 土路男は3本しかない頭のてっぺんの毛を大切そうにブラッシングしながらそう言った。

 土路男も漫画が大好きで、勿論、冬彦三が作ったコミカライズも全部読んでいた。土路男は漫画・アニメオタクなのだ。

 

「わたくしは、漫画にはあまり興味ありませんわね」


 松子は真っ赤な髪の毛をくしでとかして、手入れしながら興味なさそうに呟いた。

 松子は良い所のご令嬢で、箱入り娘として温室で大切に育てられており、漫画などは一切読んだことがないのだ。


「ドイツも捨てがたいなぁ。マルクスを産んだ共産主義の聖地だし…」


 冬彦三は色々と思い悩んだ。冬彦三は考える人の様に黙りこくってジーと考え込んだ。すると、頭の上で電球がピカっと光った!名案を思い付いたのだ。


「そうだ!世界一周旅行なんてどうだ!?色んな国に行けるぞ!」

「いいわね!冬彦三くんとだったら、どこへでも行けるわ!」


 井森は冬彦三の口にキスをした。冬彦三は顔を赤らめた。冬彦三の頬は頬紅を塗りすぎたかのように真っ赤になっている。


「あら~!」

「お熱いねえ」

 

 松子と土路男が二人を茶化した。二人とも照れ笑いしている。


「そうと決まったら早速パスポートを申請してくるわねぇ!」

「まだパスポート持っていなかったんかーい!!!」


 冬彦三は呆れてしまった。井森はパスポートの申請に向かった。


「わたくしもこの辺でお暇するわね。ヘアサロンの予約があるの」


 松子は長い赤髪をとても大切にしており、毎日欠かさずヘアサロンに通っているのだ。

 井森と松子が居なくなり、冬彦三は土路男と二人っきりになった。


「なぁ。『なろう作家がエリート東大生に転生してみた』って実話なのか?」

「まぁさか!あんなファンタジックな話が実話な訳ないだろう。実際にあった殺人事件を元にはしているが」

「それに、丸呑みすると超能力を越えた超越能力を得られる『禁呪の飴』も実在するらしいな」

「ああ、日本には白金の飴・金の飴・銀の飴の3つ存在するらしいな」

「それが禁呪の飴は実はその3つだけじゃないらしいんだ。海外にもいくつか禁呪の飴があるらしい」

「本当か?!」

「ああ、確かな話さ。君も海外で探してみたらどうだい?」

「そうだな。海外旅行のついでに探してみるか…」


 一度はそういったが、すぐにハッと思い直した。


「いや、海外旅行は井森ちゃんと楽しむのに専念する事にしよう。この旅行は二人にとって特別なものとなる」


 冬彦三は心にある事を決めていた。この世界一周旅行は二人にとって単なる旅行ではない。そう考えていた。

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