母親の罠
ところが叔母からのマイナス情報により、内定取消しを申し出た。
さて、就職どうしようと途方に暮れる私に母親が放った一言が、「せっかく教職課程を取っているんだから、臨時で教えてみたら?」と。どうも、母親は娘を安定した職に就かせたくてしかたなかったらしい。
あれだけ「教員には絶対ならない!」と固く誓っていた私だったのだが、就職難民にだけはなりたくなかったので、英語にも携われることだし、1年だけやってみることにした。
赴任した学校は、私の予想に反して落ち着いた学校だった。関わる生徒たちと過ごす中で、この仕事は私に向いているという錯覚を覚え、私は教員採用試験を受けることに決めた。
試験を受けるからには絶対に受かるぞという思いで取り組んだ結果、タイミングよく採用になり、社会人としての第一歩を踏み出した。
臨時で通っていた学校の生徒たちとは明らかに様子の違う生徒たちの姿を目の当たりにして、「失敗した。」と感じた。
ともあれある程度の努力の末に勝ち取った仕事なので、簡単には辞めることはできない。とりあえず自分の置かれた環境の中でなんとかやっていこうと決意した。