表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CROSS DRIVE  作者: 下祖夢
始まりの場所
1/2

始まりの場所

あるコンビニオーナーと青の森でおこった事件。

すべてはここから始まった。

俺はコンビニのオーナーをしている。

田舎なので、24時間営業ではないが、その分深夜の人件費も抑えられるし、夜は寝れるしで、なかなか良い生活を送らせてもらっている。

先ほども、閉店後にアルバイトの女の子が帰っていったところである。


俺はいつもの通り、残っていた仕事を片付けた後、帰る準備をしていた。

すると。バックルームから出ようとしたとき、すぐそばの清掃用具室から何か物音がする。

恐る恐る俺は清掃用具室の扉を開けてみる。


「な、なんだこれ!」


ほうきも、モップも清掃道具もなく、グルグルとした空間が広がっていた。

すると、俺はそのグルグルに吸い込まれた。

「お~お~、え~~~~~。」

吸い込まれている間、なにこれ、夢なのか?とか考えた。


やっと出口らしき所に出た。

その瞬間。

ドーン!!!

俺は何かにはねられた。

車か?いや、人のようなものがこっちに走って来ていたような、しかも女の人だったような…

と俺は考えていたのだが、あまりの衝撃により気絶してしまった。



私は走っていた、ターゲットの生まれたてのブルーリオンの赤ちゃんをゲット。

ブルーリオンの青の森でミッションするなど、自殺行為だ、しかしなんとかターゲットは確保した。帝国の命令は絶対だ。

そして、この命令は将軍クラスでないと絶対無理だ。


それはそうと追手がきているのか?

このプレッシャーはなんだ、何かがいる。ブルーリオンの守護者なのか、いや、守護者は今アルファ将軍が戦っているはず。守護者と変わらないぐらいの気配を感じる。


しかし、アルファ将軍の所に急いで戻っている途中、何もない空間から人が出てきた。

そして

その瞬間にその人とぶつかって、私は意識を失ってしまった。




私は陽動のため、ブルーリオンの赤ちゃん奪取するまで、守護者と対峙していた。

強い、強すぎる、将軍である私も初めて戦うブルーリオンの守護者。

強い、プリム将軍早く、帰って来てくれ、一人ではなんとか動きを止めるのが精一杯だ!

さすがドライブを使う獣、ドライビスト!その中でも最強と謳われるブルーリオンだ。


「仕方ないか。」


私は総帥からもらった、ドライバーの動きを止めるというニュルブリングという物を持っている。

とてもではないが、一人では数分ともたない。

全力を出せばなんとかできると思うが、全力でドライブを発動させてしまうと、誰かにばれてしまう。

その時。


「ベルファ将軍?こちらプリム、目標を奪取した、そちらにすぐ戻る。」


「承知した、プリム将軍、しかしニュルブリングを使わないといけない状況だ、使おうと思う。それで守護者の足を止めておく、そのうちに戻ってきてくれ。」


「よし、今だ、動きよ止まれ!」


私はニュルブリングを使った。


ドカーン!


ニュルブリングを投げつけた瞬間、守護者は炎に包まれた、確かに動きを止めることはできたが、これはやりすぎだ、命を奪いかねないシロモノじゃないか。


守護者は苦しみながら炎の中で倒れた。


「な、なんだこれは、総帥、なんてものを渡して…。」


その瞬間にすごいプレッシャーが襲ってくる。


「誰だ…。」


そして私も意識を失ってしまった。





プリム将軍、アルファ将軍の応答が途絶えました、エスカー様どうなされますか?


「なんだと、帝国屈指の二人の応答がとだえた!?いったい何が起こっている!?」


今回の任務はブルーリオンの子供の奪取、捕獲。それは完了できておるのか。



「まわりの兵隊はどうした!ええい、何をしておる!」


「兵隊の数人から連絡が来ています!アルファ将軍はニュルブリング使った模様。」

「爆発が確認されています。一体この爆発はなんなのですか?」


「爆発の原因はわからん!とにかく、アルファ将軍、プリム将軍を救出そのうえ、ターゲットがどうなっているのかを確認し、報告せよ!」



チッ爆発の原因がニュルブリングとわかられては困る。

アルファ将軍にはできるだけ使うなと言ったはずなのに、それだけの相手だったということか。

クククク、やはり、ブルーリオンの強さの秘密、気になるのう。

ぜひ、手に入れて研究したいわい。

使ったということは守護者一人殺ったのか。

ニュルブリング、ある意味成功だな。クククク。




「エスカー様、アルファ将軍、プリム将軍を確認いたしました、気絶している模様。」

「ターゲットに関しては何も情報はありません。捕獲に失敗したと思われます。」

「これから、お二人を回収し、帰還いたします。」



ブルーリオンの捕獲は無理だったか、仕方ない。

生まれたてのサンプルが一つ欲しかったが、まぁ最悪あの手もある。

将軍も含め、バカな兵隊どもが…

将軍が2人も気絶したというあまりにも衝撃的な展開にあっけにとられてるバカもいるし。

しかし、天才である私でも今回のことは少々わからないこともある、今は状況を把握するだけにとどめておこう。

そしてニュルブリングはただのドライバーの動きを止めるものだと思ってもらわなければな。



「謎の爆発のせいだろう。将軍二人を気絶させることなどできる人はこの世に二人と居てないのだぞ。」


とにかく、将軍二人が帰ってきてから詳細をきかねばな。


「将軍2人を早く回収するのじゃ!」



一方青の森の監視所。


「こちらクリス、青の森の入り口付近で大きな爆発があった模様。」

「もう少し、奥まで調べてみます。」


「気をつけろよ。」


「わかっています、気を付けて行動します。また連絡いたします」


しかし…


「こちらクリス、要救助者一名と、生まれたてのネコさんを発見いたしました。なんか大きな首輪がされていて、この要救助者の飼い猫と思われます。」


「生まれたてなのか、相当大事にされているのかして、たいそうなゆりかごでネコさん、すやすや眠ってますねぇ~。

「やばい、かわいい~。」

「あ、ゆりかごに何か書いてある。」


生まれてきてありがとう  シオン


「この子、シオンっていう名前なのね。」


「なんて言ってる場合じゃないです。」

「これ以上は帝国の領地に近いため、いったん帰還し、要救助者の保護を優先します」


「了解、ただちに帰還せよ」



そして私クリスが青の森監視所に帰還した。

要救助者の一人と一匹を連れて。


そして青の森監視所内にあるアクティ診療所。




「アクティさーん、この男の人はいったい何者なんですか、なんであんな危険な所に」

「どこの人だろう?」


「それはそうなんだけど!まずはこの人たちの治療が先ね!何かにぶつかったのかしら、肋骨が折れているし、全身にあざができてるわよ。」

「ネコちゃんは大丈夫。元気!何も問題はないわ、でもこのネコちゃんのごはんが問題ね。」

「生まれたての子猫ちゃんなんて世話したことないし、うーんどうしよう。」


「そこは大丈夫ですよ!私ネコちゃん大好きで、赤ちゃんから育てたことあるので、私、なんとかしてみます。」

「ちなみに名前はシオンちゃんっていうらしいですよお~。」


「わかったわ、そのシオンちゃんはクリス、あなたに任せるわ!」

「私はこっちの男の人の治療に専念します!」


「私はこの方の持ち物を調べてみます。何かわかるかもしれないので。」


「わかったわ、クリスよろしくね。私はこの人の治療に専念するわね。」




この人謎だらけだよ。

鞄の中を見せてもらうことにした。


うーん、なんだこれ。

なんの端末だろうこれ。平べったい何か。

触ってみてもセキュリティがかかっているのか、動かない。数字だけが表示されている感じだ。

でも、鞄の一番手前に身分証が入っていた。

そして何かのケース。なにが入っているのだろう。

開けてみると、灰色の石が一つ。

その石のためのケースだろう。ぴったりとそのケースの中に入っている。

そして、シオンちゃんの身分証と。

ちゃんとした飼い主さんとペットさんなんだ。

と思ったクリスでした。


「な~んだ、共和国の人間じゃない。」

「名前は、リンデ。リンデ・グラか。」



ふむふむ、あら、ここ知ってるわ、元気になったらここに帰ってもらわないとね~。

って、ここ、もしかしてあの人の家の隣じゃない!?


知ってる。私はあの人のことを!

しかし、思い出したくはな~い!!

というわけで、私は何も見なかった、何も見なかったよね!


2週間後、リンデさんは目を覚ましました。

私はおはようございます!

といったんだけれども、何が起こっているのかわかってなさそうで。


「ここどこですか?」


なんて言い出すしまい。

うあーこれはメンドクサイことにまきこまれたーと思った私は、やっと懐いてくれてきたシオンちゃんを餌に話をしようと思いました!



目を覚ました俺は、金髪美少女が目の前に居てびっくりする。

どうやら彼女はクリス・ナルセという名前らしい。


俺はケガをしたのだろう、体のあちこちが痛い。

そして俺の事をリンデさんと呼んでくる。

俺の名前はリンデではないのだけれど。

俺もこの状況がさっぱりわからない。

仕事は!?


「クリスさん、あの、俺何日このままだったんです?」


「え~と、二週間ぐらいだけど。」


ええええ~~~二、二週間!!

やべえ、仕事が~。

オーナーのいないまま二週間だなんて、やばい。

たぶん、捜索願とかだされてるんだろうな。

あ~早く店に戻らないと~。



そうこうして、クリスと名乗る女性は俺にここまでに起こったことを話してくれた。


謎の爆発が起きてそこから、いろいろと調べていたら俺たちがいたと。


みつけた時にはもうすぐそばに金色の毛並みをしたネコちゃんが俺のそばにいた。

大事にゆりかごにくるまれていたらしい。

名前はシオンというらしい。

俺が気を失って2週間たってたみたいで、クリスさんにはいろいろとシオンについて言われた。


私になつくまで大変だったーとか。


シオンちゃんはあなたの前から絶対はなれないんだよーとか。


首輪に手をかけると怒るとか。


散歩とかいこーと言っても俺のそばを離れないらしい。

いい飼い主さんだねとか言われた。


俺、なんでこんなに好かれてんだよ。

と思いながらそばにシオンがいる。

なんだか、めちゃくちゃかわいいし、俺もいやな気はしない。

俺が目覚めたのがわかったのか、ずっとこのネコさんは俺の隣でじっとしている。

シオンか。

だめだ、全然心当たりがねえ。それになんで俺に懐いてるんだよ…

ていうか、俺、どこにきたんだよ。と考えていた。すると。


クリスさんが


「なんとかリンデさんのケガも治ってきているみたいです。

あなたの治療を担当しているアクティ女医もそろそろ動けるようになるとおっしゃっていたので。」


と、こちらもまばゆくばかりの金髪美人がやってきた。大人の女性って感じだが、俺と同い年ぐらいだろうか。この女性が俺の治療をしてくれたアクティ女医だった。


「あら、やっとお目覚め?」

「本当に長いことねてたわね~。」


「いえいえ、こんな見ず知らずの人間によくしていただいてありがとうございます。」

「本当になんといっていいのか。」


「国の人間を助けるのはあたりまえのことだけど、なぜあなた、あんな危ない場所にいたの?」


ちょっと、まって、うーん?

国の人間?わからない俺はアクティさんに聞いてみる。


「僕ってこの国の人間なんですか?」


「え??」

「ん??」


クリスさんとアクティさんは顔を合わせて不思議そうな顔をする。

俺、何か変なことを言っただろうか。


「あーひょっとして、記憶障害が起こっているのかもね。結構ひどい状態でここに来たし。あなたの身分証があるのよ。だから、あなたはこの国の人間で間違いない。これは国でしか発行できないものなの、そして、あなたの住んでいるところも書いてある。」

「そして、やっぱり気になることは、なぜあの場所にいたのか。青の森は危険な場所なの、ブルーリオンの国のすぐそば。ただ、記憶障害なら仕方ないのかもしれない。今は多分いろいろなことが重なって、思い出せないかもしれないけど、あの日いろいろな大事件が起きたから、そのうち、あなたも国に呼び出されるかもしれない、真相解明のために。」

と、アクティさんは言う。


「あなたが動けるようになったのなら、私は他の患者さんを見に行くわ。」



でも気になるところがいろいろとあったのよね。

今の施設と、この私ではちょっとわからない。

いやだけど、あいつに連絡してみるか。


「あんた、一回首都にいって、バモスに見てもらったほうがいいかもね。」


「え、バモスって誰ですか?

「あんた知らないのかい、バモスっていったら、このテグラシア共和国でも知らない人はいないぐらいの

有名人なのに。」


「クリスー、リンデ君をバモスの所まで案内してあげてー。私から、嫌だけど!連絡しておくから。」


「えーいやですよー、絶対嫌だ、だってあの人変なんですもん。」

「しかも、この人ドライブ使えないし、何日もかかりますよー。」


「いーじゃない、あなた、アウトドア好きでしょ?キャンプしながらのほほんと行ってくればいいから。」


「アクティさ~ん、私アウトドア好きですけど、あの人苦手です~。」


「どっちにしろ、リンデ君を家に帰さないといけないんだし、リンデ君、こんなだし、あなたが連れて行かないとだれがいくのよ?」


「アクティさんがいってくださいよー。」


「クリス、あなたね、まだまだ患者さんいるんだから、わがまま言わない。いつも暇そうにしてるんだから、いってきなさい!」

「これも一つの仕事!」


「わかりましたよ~いけばい~んでしょいけば~。」

「キャンプはいーんだけどな、あの人に会うのは嫌だな~。」


なんで私が~。

おっさんみたいな人とキャンプしないといけないのよ~。

かわいいシオンちゃんと行くのはいいけど~。

ま~しゃーないか、準備しよ!


「リンデさーん、一週間後に出発します!」

「準備お願いしますね~」



準備ってか。


つーか早く店に戻らないとみんな心配してるだろうし。

どうしよう。


とりあえず。

この一週間で俺はシオンと共に首都に行く準備を始めないとな。

まず自分の荷物をチェックしよう。

ん?これはリンデ・グラという身分証と、シオンの身分証。

シオンはペットとして飼われているという、種はネコ。そして飼い主はリンデ・グラだ。

シオンは紛れもないネコということになる。


俺のことは、当分記憶障害ということにしておこう。

何がおこっているのかわからない。

本当のことを言ったら、間違いなくおかしい人だとおもわれちゃう。


さらに何でだろう。俺がこの世界に来て何も問題ない状態を作ってくれてる。

身分証がそれを際立たせている。



「ペットまで管理されてるのか、この世界は。すごいな。」

「そして俺はリンデ・グラ。この世界で俺の名前はリンデ・グラか。」


ん?なんだこれ、何かのケース。

開けてみると灰色の石が大事そうに入っていた。

なんの石とも思ったのだが、これから必要なものだという気がなんとなくした。

ちょっと触ってみると、少し緑色に輝いた気がした。


「これも持っていこう。なんかお守りっぽいし。」


「おーい、シオーン、どこにいるんだ?」

「なんだよ、そこにいるのかよ。」


親ばかではないが、ものすごくかわいい、可愛すぎて、他の奴らに触らせたくないぐらいだ。

でもシオンは今のところ俺と、クリスさん以外には懐いてない。


「結構プライド高いな~シオンは。」

「うおーん。」


といいながら俺の膝の上で落ち着いている。

シオンとは俺が目覚めてからずっと一緒にいてくれている。

出発までの一週間、準備もしながら、なぜか懐いてくれているシオンの世話をしながら、平穏な日々を過ごした。


そして出発の時がやってきた。



「さあ~て出発するわよ!」

アクティさん、そして青の森の監視所の方々が出発する俺たちのことを見送ってくれる。

そしてかなりやる気のクリスさん。


「クリスさん、すごい荷物ですね~。」俺は荷物の量に驚愕した。


「あたりまえじゃない!もちろん、これもあれも、リンデさんに持ってもらいます。」

「あとシオーン。ちょっとおいで~。」


シオンは何かを察したのか俺の足元で毛を逆立てている。


「はい、シオンちゃんもこれを持ってね、軽いでしょ?」


なるほど、クリスさんはシオンに持てるように背中に背負えるようにしてくれたのか、でもシオンはなんか不機嫌だが。


「シオン俺もこれだけ持つから、一緒に頑張ろう!」


と俺が言うと、しっかりと荷物を持ってくれた。


「しかし、クリスさん、こんな荷物いるんですか?」


「あったりまえじゃないの、徒歩で約2週間よ、その間はキャンプしながら、サバイバルしながら、もう自然とのふれあい!もう最高の時にしなくては!」


うわーなんか、目的が違ってきているような…

アウトドア好きなんだな…

まぁ、俺もアウトドアは嫌いではないのだが…



ということで、クリスさん、俺、シオンの首都を目指す旅が始まった。

クリスさん、やっぱりすごい、アウトドア好きというのもうなずける。

一日目の夜ご飯の時でも、その辺の野草や、川から魚を釣ってきたりと、そして、なんといっても料理がうまい。

全ての食材を無駄なく、そしておいしく調理してくれる。


2日目、3日目と俺も食材の手に入れ方をクリスさんに教わりながら、シオンも何気に手伝ってくれているし、なかなか楽しいアウトドア生活だった。

やっぱりシオンはネコなのだからか、魚が好きだな…


4日目、5日目、6日目、7日目と、俺たちも慣れてきて、クリスさんに頼ってばっかりいたけれど、自分たちでも、火を起こせるようになって、食材をとってきて、これこそ、アウトドア!たのしー!

クリスさんに触発されたように、アウトドア最高とか言った。


青の森から一週間。

一週間クリスさんと旅していることになる。

なんか家族みたいな気がして、俺は楽しんでいた。


そしてその一週間たった夜、火をおこし、飯を食って、火を消そうとするとき、クリスさんが話を始めたんだ。


「この一週間、リンデさん、シオンちゃんのことを見てきました。アクティさんは2人のこと、絶対にいい人だと言っていたけど、私は正直わからなかったの。」

「もし、この首都までの道で、お二人さんのことが少しでもわかればと思って、この2週間かかるけど、首都まで一緒にすごせれば、何か2人のことがわかると思って。でも、なんもなかった、純粋にこのアウトドアやキャンプ楽しめてる2人を見て、なんで疑ってんだろうって思ってしまった。ごめんね、リンデさん、シオンちゃん。」


キャンプの中、火を見ながら、俺はあー、若いなーとか思ってた。

クリスさんは明らかに年下だ。

仕事をしながら、いろいろと考える時期だと思う。

俺もそうだったから、考えるということが自分を成長させるということをわかったのも俺は遅かった。

クリスさんはこの年で考えることをしている。

焚火の火がなんかいろいろと言いたくなってくるんだよな。

クリスさんは信用できる。もし、この人が裏切るようなことがあれば、この世界もおしまいだ。


「俺は、逆にクリスさんに助けてもらってばかりだよ。ありがとう。」

「でもドライブってやつを使えば、すぐ首都に行けるんよね?」


「行けるわよ、ドライバー専用の道があって、そこを通ればすぐ首都に着く。」

「けど、あなた達みたいにドライブを使えない人はウォーカーといって、ドライバーみたいに早く、移動するとかはできないのよ。

ウォーカーさんのための休憩基地とかもあるよ、明日はそこで泊まろうか。」


「でも、私はドライバーだけど、この首都までの道、キャンプ、アウトドアしながら過ごすのはめちゃくちゃ大好き!

首都までドライブで行くのは簡単だけれども、今のゆっくり行くのも好き。ていうか、リンデさん、痩せてきたよね。髪の毛とか、ヒゲとかぼっさぼさだけど。」



「うーん?そう?最初のうちは気にしてたけど、今はもう何も気にしなくなってきた。髭剃りも髪を切ってくれる人もいないしな。」

「これだけ、歩いたり、いろいろとすることもなかったから、痩せてきたのかも。」

「あと一週間ぐらいだけど、よろしくお願いいたします。」



「こちらこそ、シオンちゃんも寝たみたいだし、私たちも寝ましょうか。」


「そうですね、また明日からよろしくお願いいたします。。」



というわけで、俺たちは寝た。

俺は仕事であまり休みがなかったので、意外と今回のキャンプみたいなゆっくりした雰囲気が俺を癒してくれた。

店のことは気になるが、今どこにいるのかわからない、どうしていいのかわからない、果たしてまた店に戻れるのかわからない状況で、俺は流れるままに。

どんだけ仕事してたんだろ、俺。と思いながら、星空満点の中眠りについた。」













この世界に来たからには郷に入っては郷に従えだ。

しかし、謎なのが何でおれの身分証、シオンも含めこの世界で生きる為の最低限のものが用意されているのか、俺はこんな世界に来たこともないし、シオンにも出会ったことはない。

なんでこんなうまいこと俺が生活するためにいろいろそろっているのか、まぁ、そのうち分るときが来るんだろうか。


















この一人と一匹がこの世界の運命を決めることになるとはこの時はだれも思いもしなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ