表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
結界師への転生  作者: 片岡直太郎
第一章 ジュカ王国編
4/1081

第四話  奴隷市

市はすでに沢山の人で溢れかえっていた。


売買予定の奴隷は、俺を含めて8人。皆、若い。目を引くのは、筋骨隆々の男が二人と、アイドル並みの美貌を備えた美少年。そして猫の獣人もいる。かなりいい体をしているので、この人も戦闘向きなのだろう。子供は俺一人だった。


旦那は、市の関係者と話をしている。どうやら俺の開始値を決めているようだ。


「1000Gから始めてくれ。なければ下げても構わない。服は・・・そのままでいい。とにかく売れればいい。売れなければ・・・処分してくれ」


・・・完全に価値がないんですね、俺。まあ、何もできない子供は普通買わんよね。売れなければ処分って・・・これはいよいよヤバイかもしれない。


いきなり腕を取られた。痛い痛い!ズルズルとひきずられていく。子供なんだからもっと優しく扱えよ!


気づいたら、舞台の上に引っ張り出されていた。


「まずは1番、男!6歳!1000Gから始めます!」


あれだけ騒がしかった客席が静寂に包まれる。誰も俺を買おうとはしない。


舞台の上から客席がよく見える。誰も俺と目が合わない。そりゃそうだ。俺を見ていないのだから。大半の客は、俺が出てきた入り口を見ている。興味はすでに俺の後に出てくる奴隷に移っているのだ。その他は、手元のメモを見ているか、隣の客と話をしているかのどちらかだ。全く俺に興味を持っていないのだ。


「では、900Gでは?・・・800G!・・・700G!」


カウントダウンが始まる。きっと、この値段がゼロになった時、俺の命は終わるのだろう。訳のわからんうちに転生して、いきなり奴隷落ち。最後に見る景色が奴隷市とは・・・。


ぼんやりと客席を見ながらそんなことを考える。その時、一人の老女と目が合った。小柄だが、強い意志を感じさせる目。しかし、彼女は俺から目を離し、隣の、髭を蓄えた白髪の男性と話を始める。


「では、500G!これが最低価格になります!・・・どなたもおいででありませんか??」


完全に、詰んだ。


「よろしいですか?では、1番終了!」


腕を取られて、舞台から降ろされる。相変わらず乱暴だ。振りほどいて逃げたいが、とてつもない握力で俺の腕を取っている。最早、逃げることもできないようだ。


乱暴に部屋の中に連れ込まれる。俺、ここで死ぬんだな・・・。


「こちらがお求めの商品になります。バーサーム夫人」


客席の老女がそこにいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ