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プロローグ

A-レクトル→アプラトゥード・レクトル



 わたしはセックスしていた、でもセックス依存症じゃない、誰だってあるでしょう体が寂しくて寂しくてしょうがない時、相手は四十超えて禿のおじさん、わたしは二十六の女、セックスしてる時わたしは飛ぶような気がするの、すごい全能感だわ、体をなめ回したりなめ回されたりする時わたしは時を支配している、相手を見てないって言われたらそうかもしれないと思う、でも愛のあるセックスの方が偉いって誰が決めたの、肉体だけの関係は純粋な欲望の形だわ、それにいろんなものベこべこつけるからダメになのよ、わたしはそう思っている、

ところで世界があと一か月で滅ぼうとしているんですって、なんでかはわからない、ニュースはやってるけどいつもとかわらない、みんな機械みたいに動いてる、出勤して買い物してドライヴして愛をささやいて寝てまた目が覚めて、なんにもかわらない日常、でもそんなこと関係なくわたしはセックスしているわ、だってそれが自由で気持ちいいんですもの、

わたしのいる町には最後を平和に向かえようっていう変な宗教団体みたいな人達がいるの、いっつも大集団で町を練り歩いてへんなビラを撒くの、なんかみんなそれに引っ張られて行っちゃうのね、なんであんなのに行っちゃうんだろうわたしわかんない、それをセフレのジャヴに言ったら俺もわかんないって言ってた、時たま外でセックスしてるとそいつらが現れて木の棒で叩いてくるのお前たちは悪魔だって言いながら、お前らの方こそ悪魔だって、

なんで世界の滅びる寸前に静かに暮らさなくちゃいけないの、セックスしたっていいじゃない、私だって世界が滅びるって言われる前は人並みのセックスしてたさ、週に三回ぐらいだったさ、でも世界が滅びるって言われたらなんか体の奥の性欲のダムが壊れて水があふれだしちゃったんだもの、したくてしたくてしょうがないんだもの、それを止めるなんて動物として不健全だわ、やっぱりおかしくて悪魔なのはあいつらのほうだわ、

そう思ってわたしは全裸で町を歩きながら行きかう男たちとセックスしまくった、相手なんて関係ないわ、動物になろうセックスしようってことね、大丈夫ピル飲んでるから、わたしには自信があったわ、だって欲望そのものなんですもの、誰にだって止めさせない、わたしはセックス依存症じゃないわ色情狂よ、あいつらには理解できないくらいわたしは神々しいはずだわ、セックス我慢してなにが人間よ、あいつらの方がたまり過ぎて頭おかしくなったんじゃないの、

そしてわたしはこの町のすべての男とセックスしたわ老若とわずにね、みんな泣き叫びながら喜んだわ、おおここは天国だぁ~ってね、そうしたら町のつまらない女達がわたしを殺そうとしてきたわ、でもわたしとのセックスをした男達が守ってくれたわ、わたしは常に周りに男を侍らせるようになったわ、みんなわたしとセックスしたんだものどんな絆より強いはずだわ、だってセックスは純粋なエネルギーなんだもの、

わたしの周りの男達はどんどん増えていったわ、なんだかあのへんな宗教団体くらいになったかしら、その頃になると今まで敵対していた女達もセックスの素晴らしさに気が付いて仲間になってたわ、わたしはくるものを拒まないだってセックスは人類に与えられた至高の快楽だもの、それを独占していい権利なんて絶対にあっちゃダメだわ、そうだわわたしは世界のみんなにセックスの素晴らしさを伝導しなければならないと思ってセックスの王国を作ったわ、

王様はもちろん私ね、みんな裸になって一日中セックスするの、どこでセックスしたっていいのよ、したい時にするのがセックスだわ、でもやっぱりセックスはみんなでするのがいいのよ、だからわたしはセックスパレードで二百八十七人で二百八十七Pセックスしたわ、みんな歩きながらセックスするの、壮観で気持ちのいいものよ、そうこれがわたしの望んだ世界、セックスの快楽純粋なエネルギーで地球をいっぱいにするの、

ところでわたしは自分をマラ王と呼ぶことにしたわ、だってわたしは王様だもの男性的でなくっちゃね、わたしはセックスの純粋なエネルギーを司る王様なの、なんかこうしてるとわたしがへんな宗教団体作っちゃったみたいに見えるかしら、でもわたしがあいつらと違っているのはセックスっていう肉体の動物エネルギーが中心にあるからなの、これでもまだちゃっと臭うわね、そうこれはアートなのよ、セックスはアートなの、快楽という大きな物語なのよ、だから相手は関係ない世界に裸で向き合うの、セックスはアートなのよ、

そしてわたし達は旅に出たわ、セックスを伝導するためにね、もちろんみんな裸よいつでもセックスできるように、着いた町々でセックスパレードしたわ、みんな喜んで参加した、その中にグレニゴがいたわ、いえ正確に言うと仲間に入りたくても入れ無さそうだった、だからわたしは彼の手を引いてあげた、だってセックスする権利はどんな人にだって認められた権利だから、でも彼は恥ずかしがったからわたしは彼の家でセックスすることにしたわ、旅はどうするのかって、みんなセックスに夢中でそんなこと考えてもいないわ、

わたしはグレニゴの家に行った、二階建ての小さなアパートの一番隅の部屋だったわ、わたしは我慢ならなかったからいきなりグレニゴをベッドに押し付けたわ、優しいのなんて刺激がないもの、でも彼は急にびっくりしてわたしを押しのけたの、どうしてって聞いたら僕はハンセン病で実は去勢されててセックスできないんだって言ったわ、わたしには理解できなかった、セックスができないなんて、

わたしはグレニゴと一緒に生活することにしたわ、彼のセックスのできない生活がきになったし彼にいかにしてセックスの快楽を知らせるか考えたかったから、グレニゴはとても知的な人だったわ、彼はブラジルのマヌエルバンデイラとかいう詩人が好きだと言っていたわ、なんかパスコロとかいうのを感じる詩が好きなんだって、彼はわたしが知らないことをいろいろ知っていた、マルクス主義とかいうのピエルパオロパゾリーニのこと彼はわたしのことサドみたいだって言ってくれたり、わたしはそんな彼に好意を持っていたわ、

その頃になると今までついてきてくれた人達が冷ややかな目でわたしを見たわ、あいつは全然セックスしてないって、俺たちのセックスの旅はここで終わるのかって、わたしはというとそんなことあまり考えていなかった、ただグレニゴといるのが楽しかったから、

ある日グレニゴがわたしに言ったわ僕と結婚してくれって、わたしはうれしかった、わたしはグレニゴと結婚することにした、最後をグレニゴと一緒になるのもいいかもと思った、でもわたしはセックスができなくて少しずつ元気がなくなっていった、

そんなときグレニゴが言ったの僕を殺してくれって、わたしはわけが分からなかったわ、なんでこんな幸せな時にしかもわたしがグレニゴを殺さなくちゃならないのって、グレニゴは言ったわ、僕はセックスできずにこのまま死んでいくと思ったけど君が一緒になってくれて本当に楽しい時間を過ごしたでもやっぱり僕はセックスがしたいこの苦しめられた体から解放されたいんだでも僕はセックスができない君のセックスする姿を見て僕は思ったんだこの人に殺されることは僕にとってのセックスになるんじゃないかと思って君にはずっとセックスをしていて欲しいそんな君が一番すきだからだから僕を殺してくれって、その時は今でも覚えてる窓から眩しいくらいの太陽が二人のベッドにさしている時だったわ、わたしはグレニゴの首をしめた、いいよいいよってグレニゴが言った、わたしは涙を我慢した、最後の顔が涙でぐしゃぐしゃは嫌だったから、ありがとう気持ちよかったと言ってグレニゴは逝きました、

わたしは旅を再開しました、みんなはすぐに戻ってきました、みんなやっぱりセックスが忘れられなかったのです、わたしも久しぶりにセックスをしました、それはそれは気持ちよかったです、どこかでグレニゴが喜んで見てくれているような気がしました、

わたしはずっとずっとセックスの旅を続けました、そして今日がきっと世界の滅びる日です、空が怒れるように唸っています、私たちは今まで集まった十億人で十億Pセックスをします、セックスを始めました、


「あなた達にとってセックスは快楽のようにしか見えないかもしれないけど、わたしは違うわ。セックスは破壊の象徴であり現存としての生産でもあるわ。純粋なエネルギー、快楽のエネルギー、野生のエネルギー、この世の至上の行為がセックスよ。そんなの違うよ卑猥なだけだよっていう人がいたならその人は気が付いてるけど気付かないふりをしているだけよ。わたしはマラ王なのよ! セックスを司る王様なのよ! わたしは両性具有だわ! 天はわたし達人類を滅ぼそうとしているけど無駄よ!セックスがある限りわたし達は滅びないわ!」


あれ、なんだから涙が出てきたわ、ちょっと激しくセックスし過ぎたかしら、目にゴミが入ったのかしら、なにかしらん、これ、でもわたしはいいの、セックスし続けるの、わたしはこうゆう涙が好きなのよ。ダメ、涙止まんない、どうしよう、止まらないの、ねえお願い、もっと激しく、もっと激しく突いて、涙を忘れるくらい激しくして、突いて、突いて、突いて、突いて、突いて、突いて、もう、あなたじゃだめ、他の人、他の人、あなたでいいわ、わたしを激しく突いて、んんっ、あ、あ、あ、あ、あ、ああっ、突いて、突いて、突いて、突いて、突いて、突いて、そうじゃないの! もっと違うの! ダメ! ダメ!他の、他の人、んっ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、違う! なんでなの! どうして涙が止まらないの! なんなのよもう!

 

「ああ! わたしにマラをください!」


グレニコ、わたしの旅はこれからみたい、


続く

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