幸福には姿勢というもう一つの軸がある
幸福が三層構造だとわかったところで、
話は終わらない。
実はもう一つ、大事な軸がある。
それは――
幸福にどう関わるか。
つまり「姿勢」だ。
幸福には、
能動的に関わる場合と
受動的に受け取る場合がある。
同じ幸福でも、姿勢が違うと意味が変わる。
受動的幸福 ― 起きてくれるのを待つ
まずは受動的幸福。
誰かに褒められて嬉しい
昇進が決まって喜ぶ
きれいな夕日に感動する
美味しい料理を出してもらう
これは「起きた」幸福だ。
自分が何かを“しなくても”、
出来事としてやってくる。
これは決して悪いものではない。
むしろ体験的幸福の多くは受動的だ。
夕日は、自分で空を塗らなくてもいい。
ただし、ここに依存するとどうなるか。
評価されなければ不幸
運が悪ければ不幸
誰かが満たしてくれなければ不幸
幸福の主導権が、完全に外部にある。
リモコンを他人に渡した状態だ。
能動的幸福 ― 自分でハンドルを握る
一方、能動的幸福はこうだ。
自分で挑戦を選ぶ
自分で意味づける
自分で人間関係を築く
自分の価値観で人生を決める
これは「創る」幸福である。
特に実存的幸福は、
ほぼ能動でないと成立しない。
人生の物語は、
最終的に自分が書くしかないからだ。
ただし、ここにも落とし穴がある。
能動的になりすぎると、
常に目標設定
常に成長
常に自己改革
になりがちだ。
夕日を見ても、
「これはどんな意味があるのか?」
と分析し始める。
少し休もう。
夕日は、ただ綺麗でいい。
幸福は二軸でできている
ここで整理すると、幸福はこうなる。
横軸:
体験的幸福 ― 相対的幸福 ― 実存的幸福
縦軸:
受動的姿勢 ― 能動的姿勢
同じ体験的幸福でも、
受動:夕日を眺める
能動:自分で楽しい時間を作る
同じ相対的幸福でも、
受動:評価されて喜ぶ
能動:自ら挑戦を選ぶ
同じ実存的幸福でも、
受動:与えられた役割をこなす
能動:自分で人生を選ぶ
姿勢が違うと、重心が変わる。
成熟した幸福とは?
おそらく成熟した幸福は、こうだ。
人生は能動的に選ぶ
夕日は受動的に味わう
ハンドルは握る。
しかし、景色は楽しむ。
ずっとアクセルを踏み続ける必要はない。
ずっと助手席に座る必要もない。
幸福は、
「何を持っているか」だけでなく、
「どう関わっているか」で決まる。
次章では、
この二軸をどう使えばいいのか。
幸福を“設計する”方法を考えていく。




