27話 タイタン
余程ウザかったのか、タイタンは両手を振り回し、砂ごと冒険者達を薙ぎ払う。
「セイちゃん、マーくんたちをパワーアップ!マーくんカミナリ!ケンくん火の斬撃!」
ユカリはタイタンを指さし命令を下す。
聖女人形が両手を組み祈りを捧げると魔術師人形、剣士人形の体が赤いオーラが燃えたぎる。
バガアアアンッ!!
魔術師人形は巨大な雷撃をタイタンの脳天に直撃させる。
ズダアアアッ!
タイタンは足をふらつかせ膝を付く。
剣士人形は剣に炎を纏わせ頭上に振り被ると思いきり振り降ろした。
炎の斬撃は段々と大きくなり、タイタンの首を狙うが、タイタンは炎の斬撃を右腕で受け止める。
岩肌が盾や防具の役割をしてダメージを防いだのだ。
再び両手を組みワタル達の頭上に鎚を振り降ろす。
瞬時に魔術師人形がバリアを張る。
「タイタンの岩は簡単には壊せないぞ!」
「何度も雷撃を喰らわせろ!」
シオンが叫ぶ。
何度も繰り返される打突に魔術師人形のバリアにヒビが入る。
「マーくんうごけない!」
魔術師人形は汗粒を大量に浮かばせ耐えている。
「僕が変わります!」
ソーマが防御魔法を展開するがタイタンの一撃で壊されてしまう。
バリィィッ!
「うわっ!」
瞬時に魔術師人形がバリアを張り直す。
「ケンくん、ほのおのじゅうじかでいっぱいさしちゃえ!」
剣士人形が剣を顔の前に構える。
頭上に掲げて呪文を叫ぶ。
タイタンの頭上に幾本もの炎を纏った十字が現れ、次々にタイタンの背中を貫く。
「ガアアアアアッ!」
タイタンが叫びを上げる。
タイタンはワタル達のバリアを壊そうと打撃の乱舞を打ち込む。
ワタルはスマホで魔人の瓶を購入。
コルクの蓋を開け、瓶をタイタンに向かって差し出す。
「魔人の瓶!タイタンを吸い込め!」
ワタルが叫ぶとタイタンは瓶に吸い込まれてしまった。
ワタルはすぐにコルクで蓋をする。
辺りは静寂に包まれた。
ザアアアッ
砂地から立て札と宝箱が現れ、『青い箱には鍵、赤い箱には何物をも切り裂く鉤爪』とあった。
「はぁ・・・。あせったぁ」
ユカリはしゃがみ込む。
ワタル、シオン、ソーマは顔を見合わせる。
「鍵を・・・」
「待て!」
冒険者の一人がワタルを止める。
「魔王を解放するな!世界は恐怖に支配されてしまう!」
「父はそんな事しません!」
ソーマが反論する。
「うるせぇ!魔物は人間を憎んでる!魔王なんて解放したらこの世は終わりだ!」
「うるせぇのはてめぇらだ!勝手に決めつけやがって、争いを望んでるのはてめぇらの方だろうが!こっちは人間と魔族、平和にやって行きてぇって思ってんだよ!それを・・・」
シオンがソーマの前に立ち、叫びを上げる。
「もういいよ。鍵を選ぶ」
青い宝箱の蓋が開き、鍵がワタルの手元に飛んでくる。
「魔王は言った。私はこの世界を、種族関係無く誰もが共に手を取り合える世界にしたい」
「僕は魔王のその言葉を信じる。みんなは、この世界をどんな世界にしたいの?」
「僕は魔王を信じる」
辺りは静寂に包まれる。
「みんな行こう」
ワタルはそう言って瓶をボディバッグにしまい、飛行機に乗り込んだ。
「ユカリもエミリアのおとうさんしんじる!」
「おとうさんやさしいもん!」
そう叫んで助手席に乗り込む。
シオンがユカリの後に続く。
「ま、なんとかなるだろ。俺達は俺達でやろうぜ」
「・・・・」
ソーマは冒険者達に頭を下げて飛行機に乗り込む。
飛行機は砂を巻き上げ浮上すると物凄いスピードで飛び去った。
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